カロリー減少だけじゃない!
糖尿病料理教室で満足できる健康食を
いしかわ内科クリニック
(横浜市旭区/二俣川駅)
最終更新日:2021/10/12
- 保険診療
生活習慣病のひとつといわれる糖尿病。日本人の6人に1人、40歳以上の男性にいたっては実に2人に1人が糖尿病患者あるいは予備軍といわれている。血糖値が高い状態が続くと、やがては網膜症、腎症、神経障害といった重大な病気につながる可能性がある。治療のカギを握るのは、血糖値のコントロール。血糖値を上げる成分を減らすことが大きなポイントとなる。無理なくバランスのとれた食生活にどうしたらシフトチェンジできるのか。頭を悩ませている糖尿病の方にお勧めしたいのが、「いしかわ内科クリニック」の”糖尿病料理教室”。糖尿病治療の専門家である石川雅院長のもとで開催されている。ちょっとした工夫で、無理なく楽しくおいしく血糖値をコントロール。糖尿病食とは一体どんなものなのか。必見です。
(取材日2012年4月23日)
目次
糖尿病食は、特別なものではない。誰にとってもおいしくヘルシー!
- Q糖尿病料理教室の趣旨を教えてください。
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A
糖尿病は食事や運動といった生活習慣を改めていただくことが、治療の大きな一歩となります。そこで、食生活の改善、無理なくおいしく続けるコツを知っていただきたい、と始めたのがこの糖尿病料理教室。通常、管理栄養士が考えた献立を実践いただくとか、患者さんが食べたものをメモしてもらいカロリーを計算することで食生活の改善を図っていますが、料理教室では患者さんご自身に「食」を再認識いただくきっかけづくりをしています。例えば、ごはんはこのぐらいが適量とか、これぐらいの塩でこの濃さになるなど、味と量を体感してもらいます。試食を通し、食への理解を深め、健康な食生活を無理なく続けられるコツをつかんでほしいですね。
- Q「糖尿病食」ってイメージできませんが、どのようなものですか?
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A
糖尿病食は特別なものと思われる方も多いですが、糖尿病食は病人食ではなく、あくまでも健康食なんです。大切なのは、血糖値のコントロール。血糖値の変動が激しいと血管をもろくし体に負担もかかってしまうため、食事や運動によってこれを安定させることが必要です。人にもよりますが、1食あたり平均500〜600キロカロリー程度のエネルギーで栄養素をバランスよく配分します。特にごはんやパンなど炭水化物は、血糖値を一気に上げるので摂取量には要注意。摂取量の目安は、1食の総カロリーの半分(ごはん150グラムが約250キロカロリーに相当)。3食の量、食事のタイミング、栄養素。これらのバランスをとることが重要です。
- Q具体的には、どんなメニューなのでしょう?
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A
例えば春は、レジャーシーズンということでお弁当を紹介。中身は、豚肉のロールソテー、もやしと青菜のごま酢あえ、しらたきの炒り煮、五目煮豆、ミニトマト、ネーブルとイチゴ。これにごはんを加えて約500キロカロリーです。ポイントは、視覚マジック。例えばごはんをふわっと盛ったり、実質量以上に多く見せて満足感を得るように工夫。ちなみに夏は、暑さ対策をテーマに、冷しゃぶのピリ辛ソースかけ、なすとオクラのつけびたし、ひじきのマリネなど。秋は「食欲の秋に備えて」というテーマで、生鮭のホイル焼き、青菜の菊花あえ、きのこのさっと煮など。冬には、低カロリー&減塩のおせちや鍋ものを紹介します。
- Q料理教室の流れを教えてください。
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A
まず採血をし、血液中の血糖値を測ります。測定が終わったら料理教室スタート。管理栄養士が献立や調理のポイントを説明し、調理の実演。当日患者さんにはMy茶碗をご持参いただき、いつも食べているぐらいの量をよそって計量。適量はどのくらいかを知っていただきます。試食後には、管理栄養士や看護師が糖尿病とうまく付き合うためのポイントをお話。例えば、コンビニ弁当。野菜を足してかさを多くして食べることで減塩するなど、ちょっとした工夫を伝授。次に健康運動指導士から、簡単にできるストレッチ、ウオーキング、呼吸法などをレクチャー&実践。そして最後に血糖値測定し、食事と運動で体がどう反応するかを実感していただきます。