井川 浩海 院長の独自取材記事
いかわデンタルクリニック豊田
(日野市/豊田駅)
最終更新日:2025/01/09

JR中央線・豊田駅から徒歩3分の「いかわデンタルクリニック豊田」。井川浩海(いかわ・ひろうみ)院長は歯科口腔外科出身で、難しい親知らずの抜歯などに関する専門的な技術を持つ。月の満ち欠けのモチーフを配置したやわらかな雰囲気の院内で、穏やかな語り口調の井川院長に心落ち着く患者も多いだろう。一方で、DX化を積極的に推進しデジタル診察券や先進の口腔内スキャナーも取り入れているという一面も持つ同院。どのように地域医療に貢献していきたいのかなど、井川院長に詳しく話を聞いた。
(取材日2024年7月31日)
デジタル診察券を導入し親子での受診もよりスムーズに
まず、歯科医師を志したきっかけやご経歴をお聞きします。

デジタル時代といわれて久しいですが、人生の楽しみは食事だったり会話だったりというのは変わらないと思うんです。だからこそ、生涯にわたるお口の健康維持に貢献できる歯科医師を志しました。日本歯科大学卒業後は山梨大学大学院で医学博士を取得し、臨床では数多くの難症例を経験。その後は複数の歯科医院に勤務し、骨造成を伴うインプラント治療、セラミック治療、マイクロスコープを使った根管治療、食いしばりに対するマウスピースを用いたアプローチなど、幅広く専門的なスキルを身につけました。ホスピタリティーも含め欧米基準の高度な治療を求める患者さんが多いクリニックを経て、2022年に開業しました。当院の月をイメージしたロゴマークは、妻の名前と、「半永久的に繰り返す月の満ち欠けのように、患者さんに末永く予防歯科を続けてほしい」という願いに由来しています。
現在はどのような患者さんが多いのでしょうか。
開業以来、ずっと通い続けてくれている患者さんも多く、ありがたいですね。一方、最近この近くに引っ越してきて、かかりつけ医を探していたという方や、親知らずで困っていて検索で当院にたどり着く患者さんも多いですね。私は歯科口腔外科出身ですし、難しい抜歯は得意とするところです。「抜かなくていいと言われたが気になる」「大学病院に通院する時間はない」といった方もぜひ一度ご相談ください。また、大きく口を開けられずに抜歯できないでいる方への治療も、勤務医時代から専門としてきました。開口量が少ないままで放置していると、知覚過敏になったり、歯が割れたりといったさまざまな問題も起きかねないので、早めの対処が欠かせません。最近では、虫歯治療をされた形跡のない天然の歯が割れるケースが増えています。ご自身では食いしばりや歯ぎしりの症状は気づきにくいので、お気軽にご相談ください。
デジタル診察券も導入されたと伺いました。

当院はご家族で通われている方も多いので、ぜひ導入したいと思っていました。1台のスマートフォンで複数の診察券を管理できるので、親御さんが兄弟全員の診察券を持ち歩かなくても済むからです。また、デジタル診察券アプリでは、治療の履歴、磨き残しや歯周ポケットの状態など、お口の基本情報を2D画像でいつでも確認できるようになっています。さらに治療後、口頭で説明している親知らず抜歯後の注意点、マウスピースの管理方法、インプラント治療の術前・術後の過ごし方などを、患者さんにPDFデータで送付できるんです。カラフルなイラスト入りなのでわかりやすく、伝え漏れをなくすのに役立っていますね。自由診療の見積もり書もお送りしているので、じっくり考える手がかりにしていただければと思います。
先進の口腔内スキャナーを活用した新しい予防歯科
新たに先進の口腔内スキャナーも取り入れているそうですね。

ええ。予防に注力するクリニックではよく使われている機種で、患者さんの負担が少ない形状です。スキャンのスピードが速く、精度もかなり高いことが特徴です。歯や歯茎の色、虫歯の有無、歯茎深部の腫れや出血、噛み合わせなどもクリアな3D画像で撮影できるんです。さらに、患者さんにQRコードをすぐに発行できるという大きなメリットもあります。これにより、患者さんはスマートフォンからいつでもスキャンデータを振り返ることができるんです。歯列模型のような3D画像をぐるぐると動かしたり開閉させたりしながら歯の裏側もチェックできるので、見たら驚かれると思いますよ。小さなお子さんも高い関心を示してくれるので、予防の一助になれば幸いです。
クリニックのDX化にはご苦労もあるのではないでしょうか。
私はもともとデジタルガジェットなども好きですし、苦に感じたことはないですね。都心に行かなくても、この日野市で最新の予防歯科医療、先進歯科治療を提供したいと考えていました。そのために、口腔内スキャナーを用いた予防歯科に取り組むクリニックにスタッフ全員で見学に行ったり、院内で勉強会を開いたりすることもありましたね。デジタル診察券も口腔内スキャナーも、約1ヵ月半でスタッフ全員が使いこなせるようになりました。特に口腔内スキャナーは高機能ゆえに操作も複雑で、よくこの短期間で覚えてくれたと感謝しかありません。患者さん思いの自慢のスタッフたちです。
先生が患者さんと接するとき、何を大切にしていますか?

難しい言葉を使わず、画像をたくさんご覧いただきながら、わかりやすい説明をすることを大切にしています。そのためタブレット端末の他に、各ユニットに大型モニターも設置。歯科用CTの画像だけではなく、口腔内スキャナーで撮影したリアリティーのある3D画像もお見せできるのは当院の強みです。日々ご自身のスマートフォンでも確認できるようにしたことで、お口の中に関心を持つ患者さんを増やしながら、患者さん自らが虫歯や歯周病のリスクを自覚して予防に努めてもらえるよう良いサイクルをつくりたいと思っています。デジタルばかりではなく時にはアナログな手法に立ち返ることも拒みません。ジュース類を常飲する虫歯リスクをお伝えするのに、どれだけ砂糖が入っているか一目でわかるペットボトルを使ったディスプレイをスタッフみんなで手作りすることもありますね。
口腔内から全身の健康を末永くサポートしたい
今後の展望についてお聞かせください。

これからも、新たに導入した口腔内スキャナーをますます活用していきたいです。そして、ご家族みんなで通えるかかりつけ医としてお役に立てれば幸いです。予防医学の考え方の一つに健康から病気になる移行段階として「未病」という言葉があります。ご自身のリスクを知り「未病の段階」からのケアで「健康」に戻すことが何よりも大切です。ご高齢の患者さんも多いので、口腔管理体制強化加算(口管強)の基準を満たした歯科医院として、口腔機能管理に力を入れていきたいと考えています。口腔機能低下症が疑われるならば咬合圧検査、咀嚼能力検査、舌圧検査などを行い、口腔内から全身の健康をサポートしていきたいです。だからこそ、内科、整形外科、耳鼻咽喉科、皮膚科との連携も強化したいと思っています。
お忙しい毎日ですが休日はどうお過ごしですか?
なかなか時間をつくれないことも多いのですが、まだ小さな娘とできるだけ一緒に過ごしたいと思っています。自分も子育てをするようになって、親御さんのお気持ちにより寄り添うことができるようになったのではないでしょうか。最近、学生時代に習っていた水泳を再び始めました。大学院時代も含めて10年以上やっていたバドミントンもそろそろ再開したいですね。妊婦歯科健診でいらっしゃった方には、「今から親子で予防歯科に取り組んでいきましょう」とお話しするようにしています。やはり、口腔内の健康について親御さんの関心が薄いと、お子さんの虫歯リスクも上がってしまいますからね。赤ちゃんに乳歯が1本でも生えたら遠慮なく連れてきてほしいです。日野市は医療行政が充実していて18歳までは医療費が助成されるので、子どものうちから予防歯科に通う習慣をつくってもらえたらと思います。
最後に読者へのメッセージをお願いします。

口の中の健康を保つのは身だしなみの一つであり、当たり前のことという感覚のある欧米と比べて、日本ではまだ予防歯科は浸透していないかもしれません。一方で、日本は口臭について敏感な方が多いように思うので、口臭をきっかけに予防歯科をスタートしてみるのもいいでしょう。予防歯科へ通うと、初めは磨けていない部分の指摘がメインになると思いますが、プラークコントロールも含めてメンテナンスが軌道に乗ってくると、患者さんと歯科衛生士の会話も弾んでくるはずです。末永く地域の皆さんと歩んでいきたいと考えていますので、小さなお悩みでも気軽にご相談ください。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療(10年保証込み)/45万1000円~、骨造成/5万円~、ホワイトニング/2万1780円~、セラミック治療/6万6000円~