就寝中の角膜矯正で視力補正を
小学生も可能なオルソケラトロジー
ももの木眼科
(京都市伏見区/六地蔵駅)
最終更新日:2023/01/23
- 自由診療
特殊なコンタクトレンズを用いて、角膜形状を一時的に整えて視力の補正をめざすオルソケラトロジー。就寝時にレンズを装着、起床時に外すことができるので、日中は裸眼で過ごせるのがメリットだ。眼鏡やコンタクトレンズでは危険・不便なスポーツをしている人、コンタクトレンズによるドライアイなどに悩む人など日々の生活の利便性アップが期待できる。「いまむら眼科」の今村拓院長に、場合によっては小学校中学年程度からできるというオルソケラトロジーの詳細と、治療の流れを教えてもらった。
(取材日2021年9月27日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Qオルソケラトロジーとはどのような治療ですか?
-
A
オルソケラトロジーは、特殊なコンタクトレンズを寝ているときに着けることで、角膜の形を一時的に整えて視力を補正する目的の治療です。毎日の就寝の際に着けていただき、装着時間は5時間以上が推奨されます。起床後にコンタクトレンズを外しても一定時間は角膜の形が保たれるため、日中は眼鏡やコンタクトレンズなしで裸眼でお過ごしいただけます。また、近視が進行すると大人になってから網膜剥離など眼科疾患が起こりやすくなります。そういった事情もあって近年は近視の進行抑制への応用が期待され研究も進められています。子どものうちから取り組むことで、視力の補正に加え強度近視による合併症の予防にもつなげられたらと考えています。
- Qオルソケラトロジーのメリットを教えてください。
-
A
人は起きている時間のほうが長いのですが、その間、眼鏡やコンタクトレンズなどを使わなくていいのがメリット。水泳などスポーツを楽しむのに眼鏡やコンタクトレンズが邪魔な方、コンタクトレンズで目が乾いてつらい方などに特に向いています。オルソケラトロジーで使用するコンタクトレンズは、ソフトタイプとハードタイプのちょうど中間くらいの硬さで、最初は違和感があるかもしれませんが、1週間ほどで慣れる方がほとんどです。ただし「どうしても合わない」という方もいらっしゃいますので、まずは1週間ないしは2週間のトライアル期間を設けており、高額な費用を払った後に治療を断念する……ということはないようにしています。
- Q何歳から治療を始めることができますか?
-
A
小学校3~4年生でもできる子も多いです。その際の判断ポイントは、適応検査の結果に加え、「コンタクトレンズが着けられるかどうか」。そもそも小児に対するオルソケラトロジーは慎重処方が条件とされているため、当院では安全性を第一に考え、保護者の方にオルソケラトロジーレンズの着脱と管理をしていただくことを条件にお子さんへの処方を行っています。角膜感染症など怖い病気も存在するため、保護者の方が適切に管理・ケアすることがとても重要です。なお成人されている方ももちろん可能ですが、オルソケラトロジーは近視に対する治療であり、老眼は治らないことをご理解いただいております。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1医師による丁寧な説明でオルソケラトロジーを理解
-
まずは簡単な視力検査を受けた後、オルソケラトロジーとはどのような治療なのか、メリットとデメリット、管理・ケアの大切さなど、今村院長が時間をかけて丁寧に説明してくれる。治療に関することや費用面など疑問に思うことはなんでも尋ねて、しっかりと不安を解消しよう。治療を受けるかどうか悩んでいる人も、まずは気軽に相談を。
- 2近視の度合い、角膜形状解析などの適応検査
-
オルソケラトロジーの適応となるかどうか、精密な検査を行う。近視の度合いを測定するほか、角膜形状を撮影し、コンピューターで計算してオルソケラトロジーでの治療に適応があるかどうかを調べる。写真撮影のみのため痛みなどの心配もほぼなく、時間もそこまでかからない検査なので、子どもでも気楽に受けることができるだろう。
- 3いよいよトライアルへ。まずはレンズ装着に挑戦
-
適応検査をクリアしたら、1~2週間のトライアルに向けレンズ装着練習を行う。患者が子どもの場合は、管理する保護者が子どもの目の中にレンズを入れる練習も。「眼鏡をかけなくて済むのなら」というモチベーションで頑張ってくれる子が多いという。トライアル後、感染症など起こっていないかチェックを受けてから本格スタート。もちろんトライアル期間中に問題が発生した場合はすぐに受診を。
- 4毎日の就寝前にレンズを装着
-
寝る直前から起床するまで、5~7時間の装着を推奨。外したレンズは通常のコンタクトレンズ同様に専用の洗浄液に浸けて保管する。レンズにより角膜の形を一時的に矯正して視力を補正する目的の治療のため、早ければ装着翌日から見え方の変化を感じることが期待できるのだそう。なお、レンズは角膜の形状に合わせて左右の指定があるため、逆に着けないよう注意が必要。レンズを外したら、左右を間違えないようにケースに入れよう。
- 5定期通院と必要に応じ各種検査を受ける
-
角膜の形状をコンタクトレンズによって矯正するオルソケラトロジー。レンズを装着することで最初は違和感を感じるかもしれないが、短期間で慣れていく人がほとんどだという。本格スタート後、トラブルなどなければ次回来院は1ヵ月後。視力検査や角膜形状解析などの検査のほか、感染症が起こっていないかどうか医師の診断を受ける。その後は3ヵ月に一度程度の通院で、必要に応じて各種検査が行われる。
自由診療費用の目安
自由診療とはオルソケラトロジー/16万5000円~