大きな虫歯も、しみる歯も
歯髄温存治療でQOLの維持をめざす
岡田歯科クリニック
(柏市/柏駅)
最終更新日:2021/10/12


- 保険診療
大きな穴が空いている、食べ物が入ると痛い、熱いものや冷たいものがしみる……。日常生活に影響を及ぼすこうした症状は、もしかしたら虫歯が神経に達しているサインかもしれない。「つらい症状を取り除くには、神経を抜くしかない」そう言われた場合でも、実は神経を残せる可能性があると話すのは、歯髄(神経)を温存して症状の改善を図る歯髄温存治療の経験が豊富な「岡田歯科クリニック」の岡田康平院長。歯髄温存治療は専門性の高さが求められる治療であるだけに、その特徴を把握し、治療に必要なポイントがそろった歯科医院に行くことが重要だと話す。そこで、歯髄温存治療の概要からメリット、アプローチ方法について、岡田院長に詳しい話を聞いた。
(取材日2021年3月31日)
目次
残せる歯髄はしっかり残す。食べる楽しみ、QOLを損なわないための歯髄温存治療
- Q歯髄温存治療とは、どんな治療ですか。
-
A
▲繊細な手技を要する治療だという
虫歯が神経まで達していて、一般に神経(歯髄)を抜く必要があると言われる場合にも、できるだけ神経を取らずに温存をめざす治療法です。歯髄温存治療にはさまざまなメリットがありますが、すべての症例に適用できるわけではありません。また、非常に繊細な手技を要する治療なので、実行できる歯科医師、歯科医院は限られます。歯髄温存治療を行うには、歯髄の状態を見て治療できるかどうかを適切に判断する力と、肉眼では見えないところまでチェックできるマイクロスコープをはじめとした機器、そして歯科医師の技術の3つがそろっている必要があると考えます。
- Qなぜ、歯髄温存治療に力を入れておられるのですか。
-
A
▲大切な歯を守るため、少しでも役立ちたい、と話す院長
神経の治療に注力し始めたのは、神経治療後に膿がたまり、痛みにあえいで受診した患者さんの治療を手伝ったことがきっかけでした。治療後に患者さんの表情が見違えるように晴れやかになるのを見て、自分も患者さんの人生を好転させられるような歯科医師になりたいと思ったんです。ただ、歯髄温存をすればそのようになる可能性自体を下げていけますし、神経だけでなく歯は削らずにすむことが一番です。虫歯が神経まで達したら神経治療という概念を変えれるよう発信できる立場にもなりたいと考えました。
- Qなぜ、神経を残したほうが良いのでしょうか。
-
A
▲歯髄を取り除くことによって、歯の寿命が短くなってしまう
理由は大きく2つあります。1つは、歯を抜かずに残す可能性を高めることが期待できる点。歯髄は歯に栄養を送り込む役割を果たしているので、取り除くことによって歯の寿命が短くなってしまいます。もう1つは、食べ物をおいしく食べ続けることがめざせる点。歯髄には、食べ物や飲み物の温度を感じるセンサーとしての役割もあるんですよ。例えばアイスクリームを食べた時、「冷たくておいしい」と感じますよね。それは、歯髄が血流を循環させ、温度の感覚を働かせているから。温度を感じられなくなると、食べ物のおいしさも半減してしまいます。
- Q歯髄温存治療はとても難しい治療だと聞きました。
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A
▲肉眼で見えないところまでチェックする
歯髄温存治療を行うには、神経が残せる状態であることが前提ですが、神経の状態が良かったとしても、必ずしも成功につながるわけではありません。当院では、治療の始めに神経の状態を多角的に検証するために「温度診」と「電気歯髄診」を行います。温度診で冷たい物や熱いものが一時的にしみ、電気歯髄診で歯髄に反応があれば、歯髄温存治療が可能だと判断しています。これに加えて、肉眼では見えないところまで拡大してくれるマイクロスコープを使って治療をすることで、複雑な歯の内部構造をしっかり把握して感染した部分を徹底的に取り除いていきます。
- Qこちらで歯髄温存治療を受けるメリットを教えてください。
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A
▲豊富な経験を生かし治療を行う
歯髄温存治療を得意とするロサンゼルスの歯科医師に直接指導を受け、これまでに多くの症例に携わってきました。歯髄温存治療は治療中に判断しなければならないことも多いので、しっかりした基礎があって経験が豊富であることは、私の一番の強みだと思います。また、お話ししたような術前検査をしっかりと行い、できるかどうかを精密に判断した上での治療を徹底している点も患者さんにとっては大きなメリットではないでしょうか。2年後3年後ではなく、その先を見据えた治療を行っていきたいですね。
自由診療費用の目安
自由診療とは歯髄温存療法/4万円~(金額は目安です。)
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。