24時間体制で柔軟に対応
患者と家族の思いに応える在宅医療
椿クリニック
(川崎市高津区/溝の口駅)
最終更新日:2025/06/05


- 保険診療
社会の高齢化が急速に進むとともに、年々ニーズが増えている在宅医療。自分や家族が通院困難になったときに備えて、選択肢の一つとして知っておきたいシステムだ。高津区を拠点とする「椿クリニック」は、エックス線を含む一通りの検査機器を備え、経管栄養のチューブ交換、薬の処方や点滴、がんの緩和ケアにまで対応している訪問診療専門のクリニック。医師とスタッフが一丸となって「患者さまファースト」の信念を胸に、24時間365日、患者とその家族のサポートに全力で取り組んでいる。生まれ育った地域への貢献をめざす野中勇志院長に、同院の訪問診療の特徴や流れについて聞いた。
(取材日2025年1月22日)
目次
通院困難な患者と家族を24時間サポート。各種検査や薬の処方、健康管理、末期がんの緩和ケアにも対応
- Q訪問診療とはどんな人のための診療なのでしょうか?
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A
▲患者一人ひとりに寄り添った対応を心がけている
訪問診療の対象となるのは、通院が困難になった、もしくは困難になることが予想される患者さんで、難病・重度障害者の方も含まれます。高齢の患者さんが多くの割合を占めていますが、対象は高齢者限定というわけではありません。当院では普段の健康管理はもちろん、「最期は自宅で過ごしたい」と望む、がん・悪性腫瘍患者さんの緩和ケアにも注力しています。外来と同等の診療を提供することをめざし、エックス線検査、血液検査、超音波検査などの各種検査に加えて、注射や薬の処方も実施。一般的には月に2回程度の訪問となりますが、病状やご家族の要望に応じて回数など柔軟に対応しています。
- Q訪問診療と往診の違いを教えてください。
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A
▲看護師・医師・ドライバーの3人体制で訪問する
訪問診療とは、定期的に医師が患者さんのもとへ伺って計画的に治療・健康管理などを行うこと。往診は、訪問予定日ではない日に急に体調が悪くなった場合などに、患者さんやご家族の要求に応じて出向いて診療することを指します。訪問診療と往診を総称して「在宅医療」と呼ぶことが多いですね。費用は訪問診療か往診かで異なりますし、診療に伺う時間帯や曜日、また患者さんの加入している医療保険の負担割合によっても変わります。夜間や休日に「すぐに自宅に来てほしい」とは言いにくいこともあると思いますが、当院では24時間いつでも伺えるよう体制を整えています。ご要望があれば遠慮せずにお聞かせください。
- Q訪問診療を利用する際の流れを知りたいです。
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A
▲電話やメール、ホームページからの問い合わせも受けつけている
患者さんやご家族から直接ご連絡をいただくほか、ケアマネジャーさん経由でのご依頼もあります。また大きな病院から、末期がん患者さんの自宅での緩和ケアを依頼されることも多いです。初めに疑問や不安に思われていることをヒアリングし、患者さんとご家族の都合が良い日時に説明に伺い、要望をお聞きした上で今後の診療計画を作成。訪問スケジュールや診療回数については、できるだけ患者さんの病状や希望に合わせて設定します。その診療計画に同意いただいた後に契約となり、契約締結後は計画に沿って診療を開始します。まずは電話かホームページからお問い合わせください。
- Qこちらで行う訪問診療の特徴を教えてください。
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A
▲自宅にいながらエックス線検査や超音波検査を受けられる
当院では24時間・365日体制で訪問診療を行っています。病院から急に退院が決まった患者さんにもスムーズな対応を心がけており、フットワークが軽いのが当院の強みです。また、採血、エックス線検査、超音波検査、心電図検査など一通りの検査に対応可能です。エックス線検査を訪問診療に導入することで、肺炎や心不全の検査もできますし、骨の状態を診ることも可能です。患者さんの症状に合わせて、無理のない姿勢で検査ができるよう工夫しています。もし入院が必要と判断した場合は、当院と連携している医療機関にスムーズに紹介。また私のこれまでの経験を生かし、末期がんの患者さんの緩和ケアにも力を入れています。
- Qご家族に知っておいてほしいことはありますか?
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A
▲穏やかな人柄の野中院長が丁寧に説明してくれる
在宅医療はご家族の支えがないと成立しませんから、当院では患者さん本人と同じくらいにご家族へのケアを重視。例えば治療方針を決める際には、できるだけご家族の負担が少なくなるよう配慮します。点滴が終わったら針を抜いてもらったり、薬の管理や座薬投与をお願いすることもあるのですが、できるだけ私たちで完結できるような治療方針を考えます。ご家族にも仕事や生活がおありでしょうから、患者さんもご家族もストレスを感じないように、無理のない診療計画を一緒に考えていきましょう。