静かに潜む疾患から目を守る
定期的な眼科検診
おおすぎ眼科
(神戸市灘区/王子公園駅)
最終更新日:2021/10/12
- 保険診療
自覚症状がなく、気がついたときには進行していることもある眼科疾患。加齢とともに視力は変化していくため、少しの変化であれば見逃している人も多いだろう。しかし、白内障、緑内障、加齢性黄斑変性など、静かに進行する病気は多く、そのほとんどが初期に自分で発見することは難しいという。そこでお勧めしたいのが定期的な眼科検診だ。先進の機器を備え、子どもから大人まで細かな検査に対応している「おおすぎ眼科」の大杉英子副院長は「特に異常がなくても、40歳を過ぎたら一度受診してほしい」と言う。眼科検診の重要性や、日常に潜む失明原因となる病気について解説してもらった。
(取材日2020年12月28日)
目次
眼科検診で、取り返しがつかない病気や失明を未然に防ぐ
- Q眼科検診の重要性を教えてください。
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A
目の病気というと、「命に直接関わることはない」と軽く考えている人も多いと思います。しかし、目の病気には知らず知らずのうちに進行し、放置することで失明につながるような病気もあります。例えば、緑内障や加齢黄斑変性などがその代表です。ゆっくり時間をかけて進行し、視力が低下していきますが、進行した状態で発見されても、治療が困難なことも多くあります。人間は日常の動作の多くを視覚に頼っています。見え方が悪くなると、何気ない日常生活に多くの不自由が出ることがあります。QOLを守るためにも、眼科検診をぜひ受けていただきたいと思います。
- Q緑内障について教えてください。
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A
緑内障とは、眼圧がその人の視神経が耐えうる限度より高い時に、視神経がその圧力によって障害され、視野が欠けていくという病気です。徐々に進行していくため自覚症状が現れにくく、かなり進行しないと気づかないことも多いのが特徴です。自覚症状がない方でも、眼圧検査や眼底検査で緑内障を疑う場合、視野の検査をして診断を行いますので、検査は大きな意味を持ちます。一度障害を受けた神経を治す治療はありませんので、早期に発見し、早期に治療を開始することが重要です。そのため当院では先進の光干渉断層計を使用し、網膜神経線維層の厚みを測定し、視野狭窄が進む前の早期の緑内障を発見し、診断を行っています。
- Q加齢黄斑変性について教えてください。
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A
加齢黄斑変性は、網膜の中心に位置する眼球の視力をつかさどる網膜の中心部に位置する黄斑が、遺伝的な素因をもとに、加齢とともに障害を起こし、物が見えにくくなる病気です。一般的には50歳以上に生じる疾患で、大きく萎縮型と滲出型の2種類に分けられます。萎縮型には、現在有効な治療方法はありませんが、滲出型の場合は、レーザー治療や硝子体注射などによって進行を遅らせることが望めます。片目の視力が低下していても、自分では気づかないことも多く、検査を行うことが重要になります。当院にある光干渉断層計を使って、前駆病変や極初期の変化をとらえることも可能ですので、気になる方はご相談ください。
- Q最近ではドライアイも増えているようですね。
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A
現代ではスマートフォンやパソコン、ゲームなど、昔に比べると目を酷使する生活になっています。集中して何かを見ている時は、まばたきの回数が減るといわれており、涙が不足し、目の表面に傷や障害が生じやすくなってしまいます。目が疲れる、ゴロゴロするなどの症状はドライアイの一種と言えますね。休憩を多くとる、まばたきを意識して増やすなどの対応で改善される一過性のものであれば問題はありませんが、目の不調が長引くようであれば点眼治療が必要な状態かもしれません。また、他の重篤な病気が隠れていることもありますので、「いつもと違う」「最近調子が悪いな」と感じることがあれば、早めに眼科医に相談してみてください。
- Q小児眼科についても聞かせてください。
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A
子どもの視力は生まれた時から100%発揮されているわけでなく、ぼんやりと見える所から徐々に発達し、しっかりと見えるようになっていきます。小さいお子さんの場合、何か異常があっても言葉で上手に表現することができません。普段の暮らしの中で親御さんが「何かおかしいな」と気がつき、眼科医に相談することで目の異常が発覚することもよくあります。また、お子さんに関しては、3歳児健診、就学前健診は非常に大きな意味を持つと思います。私も子育てをしていますのでわかりますが、とにかく毎日が慌しく大変。しかし、健診で精密検査が必要と言われたら、必ず受診していただきたい。早めに発見できれば対処できる事はたくさんあります。