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南 有沙 院長の独自取材記事

芦屋おく内視鏡クリニック

(芦屋市/芦屋駅)

最終更新日:2024/07/02

南有沙院長 芦屋おく内視鏡クリニック main

美しい街並みが広がる芦屋にある「一般社団法人MSO 芦屋おく内視鏡クリニック」。白を基調とし、開放感にあふれる院内はまるで高級ホテルのような印象だ。そんな同院で、2023年12月に新しく院長に就任したのが、南有沙(みなみ・ありさ)院長だ。これまで関西電力病院や大阪中央病院に勤めてきた経歴を持つ。2人の子どもを育てる母でもあり、女性目線で診療を行う南院長は、「女性の内視鏡検査に対する抵抗感を少しでも和らげ、病気の早期発見と早期治療をめざしたい」という強い気持ちを胸に、日々診療に励む。予防医学を追求するため、絶えず努力を続ける南院長に、内視鏡検査に対する思いや診療の心がけなどを聞いた。

(取材日2024年5月15日)

あらゆる年代が気軽に受診できるクリニックをめざして

2023年12月、新院長に就任されたそうですね。

南有沙院長 芦屋おく内視鏡クリニック1

私は以前、関西電力病院や大阪中央病院で勤務医として働いていました。しかし、出産を機に、これからの自分の働き方を考えなくてはいけないなという時期が来たんです。私には、それまで得た知識や経験を生かしながら、内視鏡検査や治療を続けたいという思いがありました。するとちょうど2人目の子どもが生まれたところで、前院長にお声がけいただいたのです。今年、前院長が大阪に新しくクリニックを開院することになり、私が当院の院長を務めることになりました。新体制では、私を含めた数人の女性医師がメインとなって診療にあたり、男性医師もサポートに入ってくださっています。

クリニックではどのようなことができるのでしょうか?

一つは胃や大腸の内部の様子を診る内視鏡検査です。痛みに対する配慮を心がけているほか、大腸内視鏡検査の場合の下剤選択についても、患者さんそれぞれに合わせた下剤選択をするように努めています。そして内視鏡検査に特化しているのはもちろんですが、内科の医師がおりますので、おなかを中心とした内科全般のフォローアップも当院で行います。よく「ここで血圧も診てもらえるのですか?」などと質問を受けることもあるのですが、その辺りももちろん診させていただきます。生活習慣病をはじめとした内科疾患の診療にも力を入れているので、かかりつけにしていただけたらと思います。

便秘診療に特化した外来も行っているのですね。

南有沙院長 芦屋おく内視鏡クリニック2

はい。便秘で悩んでいる方は非常に多く、特に女性の患者さんが多く来られています。便秘の定義の一つは3日以上排便がないこと。まずはこれを知って、積極的に受診していただきたいですね。便秘であり続けることは、大腸がん、アレルギー疾患、生活習慣病など、他の疾患にも良くない影響を与えるといわれています。特に腸内細菌は本当に人の指紋みたいなイメージで、個人によって異なるものなんです。それによって将来なりやすい病気がわかるのではないかと考えられ、現在研究が進められているほどです。当院では腸内環境を整えることを医療の方面から支えていけたらと思います。

内視鏡検査への抵抗感を払拭し、病気を早期発見したい

内視鏡検査で心がけていることはありますか。

南有沙院長 芦屋おく内視鏡クリニック3

患者さんに「つらい」と思わせないような検査を行うことです。大腸の検査の場合は、検査時間が長いと腸に空気が入り、患者さんが苦しくなってしまいます。そのため、スピーディーに終わらせることも重要です。しかし検査を早く終了させるために、無理に進めることは絶対にしません。大腸の検査は前日から下剤を摂取し、絶食をした状態でお越しいただきます。そんな状態でいらしてくださる患者さんのために、痛みは少なくしながら、入念な検査を行うように心がけています。また胃カメラも喉を通るので、決して楽な検査ではないと思います。不安がある患者さんには、静脈麻酔を使用することで、負担の少ない検査を提供したいと思っています。

内視鏡検査でポリープが発見された場合、その場で切除術を行うこともできるのでしょうか。

大腸の場合、基本的には可能です。ただ悪性のものを疑う場合は、クリニックで切除術を行うことは、患者さんのためになりません。例えば「このポリープを取ったら、2日間絶食しなければならない」という状況や、がんを疑うようなポリープであれば、処置の仕方も特殊な方法に変わってきます。きちんと状況を見極め、患者さんにとって危険がある場合は、専門の病院を紹介することも、私たちの重要な役割だと考えています。当院はさまざまな病院と連携していますので、責任を持ってご紹介させていただきます。

先生が、内視鏡検査にこだわる理由をお聞かせいただけますか。

南有沙院長 芦屋おく内視鏡クリニック4

消化器内科領域には、身近な症状が多くある分診療の範囲が広いです。胃や腸だけでなく、肝臓や胆嚢などもその領域に含まれますし、病気でいえばがんや炎症性腸疾患、肝硬変などもそうです。そこで幅広く重要な役割を果たすのが、内視鏡検査なのです。学ぶことも多い分野ですが、早期に病気を見つけ早期の治療につなげたいという思いで取り組んでいます。勤務医時代に担当した、私と同世代でお子さんもいらっしゃる女性の患者さんが、がんの発見が遅れたために命を落とされたことがありました。今でも思い出す度に涙が出ます。がんの発見が遅れる理由は、過去に受けた内視鏡検査がつらかったことで、検査に抵抗感があるという場合もありますが、それは私たち医師の責任だと思っています。取り返しのつかない状況をつくり出さないためにも、早い段階の内視鏡検査を定期的に受けてもらいたいという思いから、できるだけ痛みを感じにくい治療を提供したいのです。

同じ女性として、女性の心と体に寄り添った診療を

医師をめざしたきっかけを教えてください。

南有沙院長 芦屋おく内視鏡クリニック5

もともと免許を持って、人助けをしたい、という思いがありました。学生の時から生物学が好きでしたし、親も医師だったので、医師という存在が身近にあり、想像もつきやすかったこともあります。医学部に進学する前は、漠然と「医学部は試験管を振ったり、研究をたくさんしたりするのかな」と思っていましたが、実際の医学は、人と人とのコミュニケーションが大切でした。私自身も人とのコミュニケーションを取ることが向いているなと思い、臨床の道へ進んだのです。消化器内科を選んだのは、全身を診察したいと思っていたからです。「おなかが痛い」「おなかを壊した」といった経験は、誰にでもありますよね。そんな身近にある症状を、患者さんに近い存在として相談に乗ることができたら、という思いがあり、消化器内科を選びました。

先生が患者さんと接する際に心がけていることは?

基本的には優しく接することを心がけています。治療に際しては、患者さんそれぞれの目標を、高すぎないハードルを設けて一段一段超えていきましょうという形で指導しています。続けられないと意味がないと思うので。また女性医師として、月経のリズムやお悩みなどに配慮しながらお薬を使うことも心がけています。また女性の方の中には、妊活中の方も結構いらっしゃると思います。体に不調が出ているけれども、「妊活中だから検査はどのタイミングで受けたらいいのだろう?」というような悩みを持つ方も多いはず。そういった場合は、症状にもよりますが、「自分の体をないがしろにしないようにね」「今のうちにできる検査をしておこうね」というお話をさせていただきます。女性の気持ちに寄り沿った診察を行うようにしていますね。

お忙しい日々だと思いますが、お仕事と家庭をどのように両立させていますか?

働いているお母さんは皆さん一緒だと思いますが、もう本当に自分の時間がありません(笑)。仕事中が自分の時間だと思っていますので、クリニックの診療中はしっかり患者さんと向き合って、帰宅後は子どもと向き合ってというふうにうまく切り替えていきたいと思っています。

最後に今後の展望と、読者へのメッセージをお願いします。

南有沙院長 芦屋おく内視鏡クリニック6

「しっかり診てくれた」「内視鏡検査が楽だった」。そんなふうに思っていただけたら、医師としてうれしく思います。そういう方が次に、家族や知り合いの方に当院を勧めてくださればさらに大きなやりがいにつながりますね。当院は内視鏡検査を強みとしていますが、それしかしないと思っていただきたくはないんです。おなかの悩み、ひいては内科の悩みすべてを診たいと考えていますので、体の悩みを気軽に相談できるかかりつけ医にしていただけたらと思います。

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