乳がん検診は痛いのが当たり前?
痛みの少ない先進の乳がん検診
医療法人仁泉会 MIクリニック
(豊中市/少路駅)
最終更新日:2025/05/02


- 自由診療
乳がん検診=痛いというイメージを持っている人は多い。さまざまながん検診の中でも、乳がん検診はがんが発見される割合が高いとされる。ところが、厚生労働省の調査によると2022年の受診率は40〜69歳で47.4%、発症が増え始める30代に限定するとそれを大きく下回っている。受診率が伸びないのは「見つかるのが怖い」という気持ちと「検査の痛みが気になる」が原因ではないだろうか。しかし、本当に怖いのは知らないままにがんが進行することだと話すのは、2022年4月より「MIクリニック」の院長を務める岡田篤哉先生。同院では乳房専用PET装置(マンモPET)を導入して、痛みの少ない乳がん検診を実施している。マンモPETを使った乳がん検診の特徴や、検診の流れについて詳しく話を聞いた。
(取材日2025年1月20日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- QマンモPET検査とはどういうものなのでしょうか?
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A
マンモPET検査では専用の装置にうつぶせになっていただき、装置に設けられたホールに乳房を入れた状態で至近距離から撮影します。乳房を挟まずに検査でき、痛みが少ないことが大きなメリットです。また、近い位置から撮るので、微量の放射線で鮮明な画像を撮影できます。乳腺が多い方の場合がんの識別が難しいのですが、360度から状態を確認することで、乳がんはもちろん乳腺のさまざまな病気の発見にもつながります。当院では、マンモPET乳がん検診のほか、3Dのマンモグラフィ検査と乳腺エコー検査を組み合わせた乳がん検診もご用意しており、乳腺エコーで乳腺の異常が確認された方に、マンモPET検査をお勧めすることもあります。
- Q乳がん検診は痛いというイメージがあるのはなぜですか?
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A
日本における乳がん検診受診率は海外に比べると非常に低く、それは「乳がん検診=痛い」というイメージが検診を敬遠する一つの原因となっていると考えます。そのイメージを生んでいるのが、乳がん検診の一つであるマンモグラフィではないでしょうか。専用のエックス線装置で乳房を圧迫して撮影する検査方法です。きれいに内部を映し出すために、強い力でできる限り乳房を薄く広げてしっかり固定するため、人によっては強い痛みを感じることも。しかし、乳がん検診はすべて痛いというわけではなく、圧迫による痛みを伴わないエコー検査やマンモPETもあります。痛みに弱い、不安がある人は、まずはこれらの検診を受けてみてはいかがでしょうか。
- Q一般的な乳がん検診とマンモPETとの違いは?
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A
乳腺エコー、マンモPET、マンモグラフィは、それぞれに得意・不得意があります。例えば、マンモグラフィは小さな石灰化の抽出に優れていますが、乳腺が発達している高濃度乳房の場合は画像が真っ白くなり乳腺の異常がわかりにくいというデメリットも。マンモPETは、マンモグラフィのような圧迫による痛みがない、高濃度乳房でも影響を受けにくい、豊胸術後でも検査ができるなどのメリットがある一方、大きい乳房の場合は胸壁に近い乳腺の評価がしにくい点があります。より精度の高い診断を行うためには、どちらか一方ではなく、例えばエコー+マンモPETをしたら、その翌年はマンモグラフィを受けるなど、併用する検診をお勧めします。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1事前予約・来院
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3Dマンモグラフィと乳腺エコーによる通常の乳がん検診、マンモPETを使った乳がん検診ともに事前予約は必須となっている。同院でマンモPETによる検査を希望する場合は、PET-CTの全身がん検査との併用が必要となる。PET-CTの検査予約が混み合っていることもあるので、少なくとも検査希望日の1〜2週間前までには予約しよう。マンモPET検査の場合は、検査の最大6時間前から絶食が必要。
- 2乳腺エコー検査
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乳房の組織に超音波を当てて、跳ね返ってきた音を電気信号に変えて映像化することで、乳房の状態を画像で確認しながら詳しくチェックできる。乳腺が発達している人や乳房に厚みのある人の場合、乳腺や脂肪が邪魔をしてがん細胞が確認しづらいことがあるので、検査の精度を高めるために必要な検査項目といえる。同院では、乳がん検診はすべて女性スタッフが対応しており、リラックスして受診できる。
- 3PET-CT検査
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PET-CT検査はブドウ糖を大量に消費するというがん細胞の特徴を利用して、ブドウ糖の集まり具合でがんを特定する検査方法。FDGと呼ばれるブドウ糖によく似た物質を静脈に注射後、およそ1時間安静にして、FDGの集まり度合いをチェックする。従来は別々の機器で撮影していた頭頂部から大腿部まで全身のPET画像とCT画像を同時に撮影することができ、人間ドックでは発見が難しかった小さながんの発見に有用だという。
- 4マンモPET検査
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検査台の上にうつぶせの状態で寝て、検出器ホールに乳房を入れて検査準備が完了。従来のマンモグラフィ検査のように乳房を挟み、圧迫する必要がないので、圧迫されることで生じる痛みを心配する必要はないという。左右5分ずつおよそ10分かけて、至近距離から高感度・高解像な画像が撮影される。乳がん検査専用に開発された検査機器なので、全身用のPET-CTよりさらに高精度で、小さな異常も発見しやすい点がメリットだ。
- 5検査結果の受け取り
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同院では検査結果を放射線科の医師がダブルチェック、さらに内科の医師によるチェックも実施され、結果は後日郵送される。必要な場合は、1枠30分から40分ほどの医療相談も行っており、症状や患者の希望を考慮した上で医療機関へ紹介してもらえる。また異常所見があるときは、緊急時の対応も行っており、時間を置かずにすぐに相談に乗ってもらえる。
自由診療費用の目安
自由診療とはマンモPET乳がん検診コース/13万2000円、乳がん検診(マンモグラフィ+乳腺エコー検査)/1万1000円