そのいびき、危険信号かも?
睡眠時無呼吸症候群の治療法
もりや耳鼻咽喉科
(福岡市南区/高宮駅)
最終更新日:2025/04/02


- 保険診療
夜はしっかり眠っているはずなのに、なぜか日中の眠気が取れない……。このような症状が続く場合、睡眠時無呼吸症候群の可能性がある。呼吸が浅くなることで睡眠の質が低下し、集中力の低下や居眠り運転のリスクが高まるだけでなく、心臓や血管に負担がかかり、全身に悪影響を及ぼすことも。特に、いびきを指摘されたことがある人は注意が必要だ。「睡眠の質を保つことは健康維持に不可欠です。ご自身の睡眠を客観的に知るためにも、積極的に診察・検査を受けてほしい」と語るのは、睡眠時無呼吸症候群の診療に注力する「もりや耳鼻咽喉科」の守谷啓司院長。同院ではオンライン診療も導入し、負担を軽減しながらの治療が可能だ。今回、その原因や治療法、オンライン診療の導入について話を聞いた。
(取材日2025年2月5日)
目次
睡眠時無呼吸症候群は放置せず治療が重要。CPAP療法やオンライン診療を活用し、無理なく継続を。
- Q睡眠時無呼吸症候群とはどんな病気で、原因は主に何ですか?
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A
▲いびきなどで気になることがあれば、気軽に相談を
睡眠中に何回も呼吸が止まり、ぐっすり眠ることができない病気のことを言います。いびきの合間に呼吸がしばらく止まり、吸う酸素が極端に少ない低呼吸の状態を繰り返すことで、「日中に強い眠気を感じる」「集中して仕事ができない」「夜中に何度も目が覚める」などの症状が出て、社会生活に重大な悪影響を引き起こすこともあります。原因で圧倒的に多いのは肥満。その他、アレルギー性鼻炎や蓄膿症などによる鼻詰まり、喉の構造上の問題など、耳鼻咽喉科が担当する領域が原因となっている場合もあります。まずは耳鼻咽喉科的・内科的な診療を受け、自宅でできる簡易検査を受けていただくようご提案しています。
- Q睡眠時無呼吸症候群の疑いがある際はどんな検査をするのですか?
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A
▲簡易検査を行い、治療の方向性を検討する
簡易検査では、自宅に直接配送される専用の測定器を装着し、一晩眠ることで呼吸状態などを記録します。結果は自動でクリニックに送られますので、その後診療時に医師と相談しながら今後の治療方針を決定していきます。さらに詳しい検査が必要な場合は、専門の外来がある病院で精密検査を受けていただきます。日中の強い眠気やいびきは、睡眠時無呼吸症候群の重要なサインとなりますので、周囲の人からの指摘も診断の大きな手がかりとなります。保険適用で検査を受けられるので、ご自身の睡眠の状態を客観的に確認するためにも、一度診察を受けていただきたいです。
- Q具体的な対策方法について教えてください。
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A
▲いびきの原因や治療方法が書かれている『もりや通信』
睡眠時無呼吸症候群の治療では、耳鼻咽喉科だけでなく、必要に応じて内科や歯科口腔外科とも連携して診療を進めます。軽症から中等症の方には、まず生活習慣の見直しをお勧めします。仰向けで寝ると気道が狭くなりやすいため、横向きやうつぶせで寝る習慣をつけることが大切です。使わなくなったリュックを背負って横になる、枕を高くする、くちびるに縦にテープを貼るといった工夫も有用です。私自身もいびき防止テープを試しましたが、医療用のサージカルテープは手軽で使いやすいですね。現在、広く普及しているのが、CPAP療法といわれる持続陽圧呼吸療法です。症状に応じた治療をご提案しますので、気になる方はご相談ください。
- QCPAP療法は、どのような患者さんに適しているのですか?
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A
▲自分に合ったマスクを見つけることで、治療が進めやすくなる
CPAP療法は、中等症以上の睡眠時無呼吸症候群と診断された方が対象です。就寝時に専用のマスクを装着し、空気を送り込むことで気道を開き、無呼吸を防ぐことを目的としています。CPAP療法は長期的な治療となるため、毎月のデータを確認しながら調整していきます。装着時間や呼吸数、酸素濃度などのレポートをもとに、日中の状態を伺いながら管理。まずは数ヵ月試し、効果を実感できれば継続を検討しましょう。当院では、定期通院が難しい方のためにオンライン診療も導入しています。最初の数回は来院が必要ですが、その後はデータをオンラインで確認しながら診療が可能です。通院の負担を減らしながら、無理なく治療を続けられますよ。
- Q睡眠時無呼吸症候群と生活習慣病、どんな関係があるのですか?
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A
▲治療後の経過観察まで丁寧に対応する
睡眠時に呼吸が乱れると、血管や心臓に負担がかかり、脳卒中や高血圧、心不全などのリスクが高まるといわれています。日中の強い眠気やいびきを指摘された方は、放置せず早めの検査が大切です。当院では、治療を継続しやすいよう2022年から再診の方を対象にオンライン診療を導入しました。スマホやタブレットなどにアプリをインストールし、クレジットカードなどの登録、予約を済ませるだけで自宅から診察を受けることが可能です。特に、CPAP療法中でデータが安定している場合は、数ヵ月に1度の来院で済むこともあるので、お仕事やプライベートとの両立もしやすくなりますよ。何よりも継続して治療を行えることが重要ですからね。