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守谷 啓司 院長の独自取材記事

もりや耳鼻咽喉科

(福岡市南区/高宮駅)

最終更新日:2022/04/27

守谷啓司院長 もりや耳鼻咽喉科 main

西鉄高宮駅からバスで約10分、中尾二丁目バス停から徒歩約1分のビル2階にある「もりや耳鼻咽喉科」。この地で生まれ育った守谷啓司院長が、1998年に開業したクリニックだ。医師になった当時の初心を忘れず、謙虚な姿勢で学び続ける守谷院長は、気軽に相談できるかかりつけ医として、地域の信頼も厚い。平日夜間でも救急対応してくれる身近なクリニックの存在は、近隣に暮らす人にとってどれほど心強いものだろう。患者の立場に立った医療を常に考え、「一番大切なのは、問診」と言い切る。特に力を入れるのが、耳鳴り、めまい、アレルギー性鼻炎、いびきの診療だ。診療内容からプライベートの話まで、守谷院長にさまざまな話を聞いた。

(取材日2020年8月19日)

患者の立場に立って診療する、地域のかかりつけ医

中尾に開業されて約22年。往診、平日夜間の救急対応、日曜午前中の診療もされているそうですね。

守谷啓司院長 もりや耳鼻咽喉科1

私は当院のすぐ近くにある東花畑小学校の卒業生です。この地域にとても愛着があり、この地で開業することを決めました。患者さんには年配の方も多く、開業当時から積極的に往診に取り組んでいます。近隣の患者さんはもちろん、連携している内科の先生からの依頼を受けて、遠くまで診療に伺うことも多いです。また、平日の夜20時頃までは救急の対応を行っていて、携帯電話の番号を公開しています。子どもさんが急に熱を出した、夕食に食べた魚の骨がのどに引っかかったなど、いろんなお電話をいただきます。2020年8月からは、日曜日午前中の通常診療も始めました。耳鼻咽喉科領域(みみ・はな・のど・くび)のことで困ったことがありましたら、お気軽にご相談いただきたいと思っています。地域を支えるのが、開業医の仕事ですから。

医師をめざされた理由、診療にあたって大事にされていることを教えてください。

父が耳鼻咽喉科の開業医でした。朝早くから夜遅くまで、患者さんのために働く姿に憧れがあったのでしょうね。「医師になれ」とは一度も言われたことがありませんが、自然の流れで私も医師に、そして耳鼻咽喉科を選びました。山口大学大学院医学研究科で博士課程を修了し、同大学医学部附属病院、長門総合病院、国立小倉病院(現・独立行政法人国立病院機構小倉医療センター)などで勤務した後、地元に帰り開業しました。自分が患者だったら、自分の子どもだったら、親だったら、どういう医療を望むかを常に考えながら、患者さんに十分納得いただける診療に努めています。一番大切なのは、問診です。患者さんのお話をしっかり伺い、じっくり検討しながら、診療を進めていきます。当院で必要十分な検査を行い、さらに特殊な検査が必要であれば大きな病院とも連携しながら、患者さんがスムーズに、無駄なく、治療を受けられることが一番だと考えます。

とてもお忙しいと思いますが、プライベートでの楽しみは何ですか?

守谷啓司院長 もりや耳鼻咽喉科2

休日は家族と映画を観に行ったり、買い物に行ったりと、家族と過ごす時間を大切にしていました。子どもたちもそろそろ巣立ちの時を迎えていますので、これから自分の人生をどう過ごしていくか、どんな楽しみを見つけるか、妻と一緒に考えているところです。福岡は刺激の多い街ですし、きっとすぐ見つかると思いますが、やはり診療に情熱を注ぎたいですね。

トレーニングを取り入れ、みみ鳴りにアプローチ

30年以上前から、みみ鳴りの診療に力を入れてきたそうですね。

守谷啓司院長 もりや耳鼻咽喉科3

みみ、はな、口、のど、顔面、くびなどの専門領域はもちろんですが、中でも私は特に、みみ鳴りとめまいの診療について研鑽を積んできました。30年以上前の話ですが、初めて大学病院で診たみみ鳴りの患者さんの顔を、今でもはっきり覚えているんですよ。40代後半の男性でした。みみ鳴りに悩んで、病院を転々としてこられた方で、治療をともに考え一生懸命患者さんと向き合ってきました。ずっとみみ鳴りの診療に力を注いできたのは、当時の記憶が原点にあるのかもしれません。また当院に来られた、原因不明のみみ鳴りの患者さんに対して、精神科の先生と連携したことで初めて、対人関係の悩みがみみ鳴りに影響しているとわかったこともありました。他科とも連携しながら、人全体として診ることの大切さを学びました。

みみ鳴りにはどのように対応されるのですか?

みみ鳴りは、外部に音がないのに、キーン、ジー、ピーなどの音がみみの奥で鳴っているように感じることを言います。眠れない、仕事に集中できないなど、日常生活に支障が出る場合は対処が必要でしょう。みみ鳴りは、病気ではなく、体の一つの症状です。みみや脳に病気がないことが検査で確認できれば、まずはみみ鳴りについて知識を深めることが大切です。みみ鳴りに悩む患者さんは、聞こえが悪くなるんじゃないか、反対のみみは大丈夫か、これが一生続くのかと大きな不安を抱えておられることが多いです。そのためカウンセリングにゆっくり時間を取りながら、対応を進めていきます。方法としては、トレーニングが中心です。みみ鳴りを消し去ることが目標ではなく、補聴器などを使いながら、みみ鳴りを生活の中で意識しないように順応していくことをめざしていきます。

このようなアプローチを提供するクリニックは少ないそうですね。

守谷啓司院長 もりや耳鼻咽喉科4

現在主流のこのみみ鳴りに対するアプローチ方法は、大学病院などでは積極的に行われていますが、開業医では珍しいかもしれません。治療は、みみ鳴りへの理解を深めるカウンセリングから始まります。方法は2つあり、聞いていて苦痛を感じないくらいの雑音を小さめの音で聞き続けるか、補聴器を使った方法です。機器を半年から1~2年ほど使っていただきますが、着ければいいというものではなく、患者さんと医師の間で目標を共有し、じっくり取り組む姿勢が必要です。機器は、なるべく患者さんのご負担にならないように当院が購入し、患者さんにレンタルするかたちをとっています。もちろん、このアプローチ方法は一つの選択肢であり、漢方薬などの内服治療も行っています。

医療情報をわかりやすくまとめ、患者に紹介

待合室にある「もりや通信」は、病気・症状についてわかりやすくまとめてありますね。

守谷啓司院長 もりや耳鼻咽喉科5

ありがたいことに、たくさん持って帰ってスクラップされている患者さんもいらっしゃいます。耳鼻咽喉科におけるさまざまな病気・症状を紹介した「もりや通信」は開業当初から作っていて、今は約30種類あります。患者さんにご説明する中で、家に帰ってからゆっくり読み返せるように、まとめたものをお渡ししたいと思って始めました。内容は定期的に書き直しています。「もりや通信」を作るのは患者さんのためでもあり、私自身のためでもあります。開業医として、患者さんにわかりやすく医療情報をご提供したいと思いますし、形に残るので、良いプレッシャーにもなっています。診療の中で患者さんから伺った話から、テーマをピックアップしているんですよ。私たち開業医にとっては、患者さんが先生ですから。日々の診療から学ばせてもらっています。

めまいの診療について教えてください。

最近は新型コロナウイルスによるストレスからか、めまいを訴える患者さんが増えたように思います。天井がぐるぐる回る、物が揺れて見える、足元がふらつくなどの症状が出ます。大変でしょうが、めまいが起こっている最中に検査を受けていただくと、症状を客観的に把握することができます。症状が強く、来院が難しい時はお電話ください。めまいはさまざまな原因やきっかけで起こることが多いので、1回の診療だけでははっきり病名がつけられないこともあります。しかし決して自己判断せず、一度きちんと検査を受けてくださいね。

いびきの悩みでも、耳鼻咽喉科を受診していいんですか?

守谷啓司院長 もりや耳鼻咽喉科6

はい。「もりや通信」でも取り上げていますが、いびきは耳鼻咽喉科で対応できる領域が多く、当院でも積極的に取り組んでいます。いびきがひどい人は睡眠時無呼吸症候群に罹患している可能性が高いので、まずは自宅でできる簡易検査を受けてみてください。検査の結果、当院でCPAP(シーパップ/持続陽圧呼吸療法)や鼻咽頭エアウェイを用いた治療などもご提案できます。ちなみに私もCPAPを使っています。簡易検査やCPAPは保険が適用されますので、まずは気軽にお問い合わせいただければと思います。みみ・はな・のど・くびに関しては、耳鼻咽喉科で診ることができるので、当院にご相談ください。

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