マウスピース型装置を用いた矯正
特徴や施術の流れを具体的に解説
こう歯科矯正歯科
(名古屋市中川区/烏森駅)
最終更新日:2025/04/11


- 自由診療
新しい矯正法として、広く普及してきたマウスピース型装置を用いた矯正。装置が目立ちにくく、取り外しが可能で手軽だというメリットは多くの人に知られるところだろう。そういった特徴についてはなんとなく知っているものの、具体的にどんな症例がマウスピース型装置による矯正に適しているのかなど、踏み込んだところまで理解している人はまだ少ないかもしれない。そこで今回は、専門家と連携してさまざまな症例の矯正を手がける「こう歯科矯正歯科」の阿部公成院長に、マウスピース型装置を用いた矯正を検討する上で、知っておくと役立つ知識を中心に深堀りした。
(取材日2024年12月18日)
目次
マウスピース型装置による矯正に適した症例ならば、負担少なく効率的に歯を動かすことが期待できる
- Qマウスピース型装置を用いた矯正の特徴を教えてください。
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A
▲取り外しができるのはマウスピース矯正の利点
前提として、マウスピース型装置を用いた矯正とワイヤー矯正では、歯の動かし方に違いがあります。マウスピース型装置は、歯列全体に力を加え、歯を根から少しずつ動かしていくためのもので、歯がでこぼこに生えている叢生(そうせい)や、歯と歯の間に隙間のあるすきっ歯など、比較的軽度な歯列の乱れの矯正に向いているといえます。また、前歯の傾斜移動や奥歯を後ろに移動させるような遠心移動に役立つので、上下ともに歯が前に出ているケースや、前歯が噛み合っていない開咬の人にも適しているといえるでしょう。顎関節症を伴う開咬の場合は、マウスピース型装置を用いることで顎関節症の症状の軽減を期待できるという面もあります。
- Q一方ワイヤー矯正は、どういった症例に向いているのでしょうか。
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A
▲長年矯正治療に携わり、経験豊富な阿部院長
ワイヤー矯正は、狙いの方向に大きく歯を動かすことに役立ちます。ひどい出っ歯があるなど、歯列の乱れが重度なケースの矯正に適しています。他方、マウスピース型装置による矯正であっても、自分の歯やマウスピースに突起物を装着し、そこに顎間(がっかん)ゴムをかける方法を併用して歯を効率的に動かすことをめざす方法もあります。そのため歯を大きく移動させることは不可能というわけではなく、症例によってはワイヤー矯正よりも早く矯正を進められる可能性があることも知っていただきたいですね。患者さんの口腔内の状態に合った矯正方法を選ぶことが重要ですので、矯正の知識や経験が豊富な歯科医師に相談されることをお勧めします。
- Q他に、読者に伝えたいことはありますか?
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A
▲矯正相談は無料で行っている
マウスピース型装置を用いた矯正とワイヤー矯正、どちらの方法でも進められそうな場合は、ご自身にとってどちらが負担なく進められるかを軸に検討するのも一つの手だと思います。ワイヤー矯正の場合は、ワイヤーが飛び出たり外れたりすることによりほっぺたの内側の皮膚が擦れて痛むといったトラブルが生じることも少なくありません。近所にクリニックがあり、その都度通院して対応してもらえるようであれば大きな問題はないでしょう。けれど忙しくて頻繁にクリニックに行けない方や遠方の方の場合は、矯正中にトラブルの生じにくいマウスピース型装置による矯正を選択するほうが、負担少なく続けられると思います。
- Qマウスピース型装置を用いた矯正の流れや期間を教えてください。
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A
▲各種検査機器を取りそろえ、検査・診断に力を入れる
まず、CTやエックス線、口腔内3Dスキャナーなどを用いて口の中とお顔の写真撮影や型取りをし、それぞれのデータを重ね合わせてシミュレーションをします。その後、歯の根の状態などを細かく診断し、お顔に適した理想の完成形をご提案した上で、患者さんの希望を聞き取ります。矯正の計画が決定したら、患者さんが使用するマウスピース型装置3ヵ月分を作成。3ヵ月先の予測に基づいて作られたもの数十個が、6週間後に届く形です。その後は、ご自身で1週間ごとに新しい装置を装着し、1、2ヵ月後ぐらいにチェックに来ていただきます。期間は7ヵ月で終了する人もいれば、何年かかかる人もいますから、ケースバイケースです。
- Q貴院のマウスピース型装置を用いた矯正の特徴を教えてください。
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A
▲デジタルデータを活用し、矯正にあたる
これまで当院では、専門家と連携しながら、多様な症例に対してマウスピース型装置による矯正やワイヤー矯正を手がけてきました。デジタルデータを重んじた精密な診断により、適切な診療を迅速に提供できる点が強みだと自負しています。また、患者さんへのわかりやすく丁寧な説明も大切にしている点です。例えば診療方針をご提案する際は、お顔の前面、周囲270度くらいの3D模型を作り、現在の状態からどう矯正していくかのシミュレーション画像を患者さんにお見せしながらご説明をし、矯正中や矯正後の姿がイメージしやすいようにしています。必要に応じてマウスピース型装置をしっかり密着させるための小型機器の貸し出しも行っていますよ。
自由診療費用の目安
自由診療とはマウスピース型装置を用いた矯正/33万円~99万円、ワイヤー矯正/88万円