眠気は睡眠時無呼吸症候群のサイン?
無理なく続ける治療の一歩を
十日市場整形外科内科リハビリテーションクリニック
(横浜市緑区/十日市場駅)
最終更新日:2025/04/15


- 保険診療
日中の眠気が続いている。やる気が出ない。いびきがうるさいと言われた……そんな毎日が続いていて、なおかつ肥満気味ならば睡眠時無呼吸症候群の可能性はゼロではない。睡眠時無呼吸症候群というと太った中高年男性をイメージする人も多いだろう。しかし、「女性の隠れ肥満にも注意してください。特に喉の周りに脂肪が多い人は要注意です」と警鐘を鳴らすのが、「十日市場整形外科内科リハビリテーションクリニック」の羽田哲也先生だ。これまで数多くの睡眠時無呼吸症候群を診てきた内科医の羽田先生に、生活習慣病との関わりや、治療を続ける大切さについて解説してもらった。
(取材日2025年4月4日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Q睡眠時無呼吸症候群と生活習慣病は深い関係があるのですか?
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A
睡眠時無呼吸症候群は生活習慣病同様に肥満の方ほどリスクがあり、高血圧症、脂質異常症、糖尿病などと深く関わっています。例えば、睡眠中も交感神経が優位な状態は血管が縮んだままとなり血圧が上昇してしまうのです。高血圧症から動脈硬化、ひいては狭心症、心筋梗塞などの心疾患も引き起こしかねません。あるいは、腎動脈が萎縮して腎機能が低下してしまうこともあります。本人は眠ったつもりでも十分な睡眠が取れていないのが睡眠時無呼吸症候群です。睡眠とメンタルヘルスの関係は深いため、うつ病、不安神経症などの原因となることもあります。
- Q睡眠時無呼吸症候群の診断に必要な検査について教えてください。
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A
睡眠時無呼吸症候群の疑いがある場合、まず簡易的な検査を行います。自宅で就寝時に小さな機械を手首に巻き、2日間にわたり睡眠時の呼吸状態を測定するのです。睡眠時の1時間あたりの無呼吸および低呼吸の回数を足して睡眠時無呼吸症候群の重症度を表す指標をAHIといいますが、AHIが40以上ならば重症と見なされ、ただちに治療となります。AHIが5〜40の軽症から中等症の場合は入院して終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG検査)を行うのが一般的な流れです。しかし、仕事や介護で入院が難しいという方などは、AHIが40以下でも治療を開始することもあります。
- Q睡眠時無呼吸症候群はどのような治療をするのでしょうか。
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A
睡眠時無呼吸は肥満などで舌の付け根が喉に落ち込む舌根沈下によって起きます。このため、歯科で舌根沈下を防ぐマウスピースを作ることもありますが、それだけで改善が見込める例はほぼありません。主な治療はCPAP(シーパップ)療法となります。睡眠時にマスクを装着し、小型の機械から呼吸が止まったタイミングで強制的に酸素を送り込むという呼吸療法です。ただしこちらは対症療法であり根本的に病気を治すものではありません。一方、肥満が原因の場合は減量に取り組むことで気道の確保につながる場合もあるので、ダイエットも視野に入れてはいかがでしょうか。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1予約
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内科を予約する。整形外科やリハビリテーションなどに通っていて睡眠時無呼吸症候群の疑いありと指摘され、内科を紹介されることもある。特殊な検査や治療があるので、睡眠時無呼吸症候群に慣れている医師を選びたい。
- 2問診
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血圧や睡眠について質問される。いびきは一つの大きなサインなので、家族や友人からいびきを指摘されることはないか聞かれる。扁桃腺の触診や、口蓋垂の視診などが行われる。扁桃肥大も睡眠時無呼吸症候群の誘因だが、子どものように摘出手術を勧められることはない。
- 3検査
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自宅で簡易検査を行う。睡眠薬を服用する必要などはない。寝られなくても、途中で起きてしまっても、ありのままの状態を記録する。あまりに睡眠時間が少ないと要再検査となるケースもあるが、4時間ほど眠れていれば検査としては問題ないそう。
- 4検査結果
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検査レポートをもらう。中等症以上は入院して精密検査を受ける場合もあるが、心筋梗塞や糖尿病などがなければ無理に勧められることはない。一方で、中等症以下でも治療に進むことも可能だ。
- 5CPAP療法開始
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自宅に届いたCPAP装置を就寝時に装着する。その後は月に1回のペースで通院する。CPAP療法の日々のデータはクリニックに送信されているので、月単位の結果を教えてもらえる。マスクからの空気漏れ、いびき、体位なども記録されているため、横向きで寝るようになどの指導を受けることもある。