全国のドクター9,327人の想いを取材
クリニック・病院 161,006件の情報を掲載(2021年3月01日現在)

  1. TOP
  2. 症状から探す
  3. まぶたが下がるの原因と考えられる病気一覧
  4. 眼瞼下垂症
  1. TOP
  2. 眼の病気一覧
  3. 眼瞼下垂症
003

こちらの記事の監修医師
医療法人社団済安堂 井上眼科病院
井上 賢治 院長

がんけんかすいしょう眼瞼下垂症

概要

本人の意思にかかわらず、まぶたが黒目の一部、あるいは大部分を覆い隠してしまう病気。視野が狭くなるほか、眼精疲労や頭痛、肩凝りを引き起こすこともある。大きく分けて先天性眼瞼下垂症と後天性眼瞼下垂症の2種類がある。前者は生まれつき、後者は加齢などによるもので、まぶたを引っ張る腱膜の異常、筋肉の異常、神経の異常によるものがある。治療に保険が適用される疾患で、手術をすることによって通常は数週間で改善が見込まれる。偽眼瞼下垂(眉毛が下がることでまぶたも下がってしまう病気)や眼瞼皮膚弛緩症(まぶたの皮膚の筋肉がたるんで、まぶたが下がってしまう病気)などと症状が似ているため、見極めには注意が必要となる。

原因

先天性眼瞼下垂症の場合は生まれつき、まぶたを上げたり下げたりする「上眼瞼挙筋」という筋肉に発達異常があったり、その筋肉を動かす神経に異常があったりすることが原因。多くは目の機能に障害はないが、弱視や斜視の原因となることもある。後天性眼瞼下垂は、もともと問題なく開いていたまぶたが徐々に、あるいは突然下がることにより発症する。大半は上眼瞼挙筋の末端にある「腱膜」が、加齢とともに伸びることが原因。コンタクトレンズを長期間使用することにより、まぶたの軟骨と上眼瞼挙筋の間の筋がこすれて緩んでしまうのが原因で発症することもある。白内障や緑内障の手術歴があったりする人にも生じやすい。また、まれではあるが、神経の刺激が筋肉に届かなくなる「重症筋無力症」などの筋肉異常による場合や、まぶたを上げる神経がまひする「動眼神経麻痺」など神経異常によって発症する場合がある。外傷により腱が切れて生じることもある。

症状

まぶたが下がり、黒目の一部あるいは大部分が覆われるため、物が見えにくくなる。また見えにくさをカバーしようとして顎が上がり、肩凝りや頭痛を引き起こすこともある。片側だけに症状が現れることもあれば、両目に発症することもある。先天性の場合は8割くらいが片側のみである。後天性の場合は、一般的に症状は数年かけて徐々に現れるが、脳梗塞などが原因の場合は突発的に起こるという特徴もある。また、朝はまぶたが問題なく上がるが、夕方あたりになると上がらなくなるといったように、一日の中で症状が大きく変動する場合は、自己免疫疾患の一つである重症筋無力症であることが疑われる。

検査・診断

正面を見た状態で、上のまぶたが瞳孔にかぶさっていたら眼瞼下垂の疑いがある。問診では、いつから症状が生じてきたかを確認し、先天性か否かを判断する。詳しくは、まぶたの筋機能を測定する検査や、CTやMRIによる頭部の検査を実施して調べる。加齢や長期にわたるコンタクトレンズの使用などが原因の場合、筋機能の衰えが見られる。脳梗塞などに起因する神経まひが原因の場合、CTやMRIでの検査で異常が認められる。重症筋無力症が疑われた場合は、血液検査を実施。この疾患は、神経からの情報を受け取る組織(受容体)が抗体によって破壊されることで起こるため、血液中にその抗体が確認されるかどうかで判断する。

治療

視野狭窄や弱視など、視力機能に問題が生じているか確認し、その可能性があれば先天性、後天性ともに手術を行う。先天性の場合は、まぶたの筋機能を回復する手術を実施。ただし、重症化していなければ慌てて手術する必要はなく、経過を観察して自然治癒を待つ。ある程度たっても改善しない場合、手術となる。後天性で軽症の場合は、緩んでしまったまぶたを持ち上げる筋肉を短くして、張力を回復するなど、まぶたそのものを開きやすくする手術を行う。重症の場合は、おでこの筋肉を利用してまぶたを持ち上げる手術などで治療する。重症筋無力症の場合は、受容体を破壊する抗体の生成を抑制する薬(免疫抑制薬)や神経伝達を強める薬を用いて治療を進める。脳梗塞などが原因で動眼神経まひが生じている場合は、元となった病気の治療を行うが、治療によって自然回復することもあるので数ヵ月は様子を見る。

予防/治療後の注意

個人差はあるが、手術後は1週間程度まぶたが腫れることがある。数ヵ月たって完全に回復すれば、見た目も自然な二重になる。左右差があれば再手術をすることもあるので、術後も経過観察が必要。

003

こちらの記事の監修医師

医療法人社団済安堂 井上眼科病院

井上 賢治 院長

1993年千葉大学医学部卒業後、1998年東京大学大学院医学系研究科修了。東京大学医学部附属病院分院(現在は本院に統合)眼科医局長、名戸ヶ谷病院眼科部長、井上眼科病院附属お茶の水・眼科クリニック(現:お茶の水・井上眼科クリニック)院長を経て、2008年に同院母体である医療法人社団済安堂の理事長に就任。2012年から井上眼科病院院長を兼務。日本眼科学会眼科専門医。