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こちらの記事の監修医師
中村 敬 院長

そうきょくせいしょうがい(そううつびょう)双極性障害(躁うつ病)

概要

気分障害と分類される疾患の一つで、躁状態とうつ状態を繰り返す精神疾患である。躁状態のときには気分が高ぶり、周囲の誰かれ構わず話しかけたり、ほとんど眠らずに動き回ったりと活動的になる。普段より活動的になり、周囲の人から「ちょっとハイテンション」と思われる程度の軽い状態は、軽躁状態(軽い躁状態)と呼ばれる。一方、うつ状態では一日中憂鬱(ゆううつ)な気分になり、眠れなくなったり、逆に眠り過ぎたりする。大好きだった趣味などに関心を示さなくなる、食欲が低下する、身体を少し動かすことさえおっくうになるといった症状もみられる。双極性障害は精神疾患の中でも治療法が比較的整っており、症状を薬でコントロールすることも可能だが、再発しやすい傾向があるため、長期にわたる再発予防治療が必要となる。

原因

双極性障害の原因は、脳内の情報伝達の乱れにあると考えられている。ストレスはきっかけにはなるが直接の原因ではない。その人が病気になりやすい性質であるかどうか、またはなりやすさの度合いと、ストレスなど病気のきっかけとなる要因の組み合わせにより発症するという考え方もあるが、未解明の部分が多い。双極性障害を引き起こす特定の遺伝子は見つかっていないが、発症には遺伝的側面もあると考えられている。

症状

ハイテンションで活動的な躁状態と、憂鬱で無気力なうつ状態を繰り返す。一般的に、躁状態よりもうつ状態の期間のほうが長く続く傾向がある。躁状態になると眠らずに活発に活動する、大きな買い物などで散財するといった症状がみられる。本人はとても気分が良いため病気の自覚がなく、周囲の困惑に気づかないことが特徴である。顕著な躁状態になると自尊心が大きくなり、周囲とのトラブルに発展してしまうこともある。反対にうつ状態では、死にたくなるほどの重苦しい気分に押しつぶされそうになる。食欲が減退して体重が減る場合が多いが、中には極端に食欲が増加することこともある。

検査・診断

明らかな躁状態とうつ状態のある「双極Ⅰ型」と、軽躁状態とうつ状態のある「双極Ⅱ型」に分類される。一般的に、患者自身が診察を受けようと思い立つのはうつ状態のときである。そのため、自分自身の躁状態には気づいておらず、双極性障害であるにも関わらず「うつ病」と診断されている人も少なくないと考えられる。うつ病だけの治療では躁状態を招くこともあり、再発を防ぐことが難しいため、周囲の人も、患者の日頃の様子や言動の波を見守り、うつ状態だけでなく躁状態もあることに気づく必要がある。

治療

薬物治療と精神療法的アプローチがあり、薬物治療を基本として治療法を組み立てていく。薬物治療は躁状態やうつ状態を改善するだけでなく、再発を防いで症状を安定させるために欠かせない。気分安定薬と抗精神病薬が用いられ、症状が治まっている時期も含めて長期間にわたり服薬を継続することが大切である。これによって症状を安定させ、コントロールしながら社会復帰ができるようになる。気分安定薬は躁状態とうつ状態の治療と予防に効果があり、薬物治療の基本となる。抗精神病薬は気分安定薬と一緒に使うことにより躁状態の治療に効果を発揮するものである。また、不眠の症状がある場合には、一時的に睡眠薬を使用することもある。一方、双極性障害(躁うつ病)に必要な精神療法は、本人が自分の病気を知り、受け入れ、コントロールすることをサポートするものである。患者と家族が協力して病気に立ち向かえるようにする「家族療法」、考え方(認知)のゆがみを修正する「認知療法」、良好な人間関係を回復させる「対人関係療法」、自分の社会リズムをつかみ、どのような場合にそれが不規則になるか理解して修正する「社会リズム療法」などがあり、薬物治療と併用される。

予防/治療後の注意

毎日の起床時刻、食事の時刻、就寝する時刻を決め、できる限り一定のスケジュールで生活することが病気の安定化に効果的である。就寝前にはコーヒーなどの刺激物を摂取せず、入浴などによりリラックスした気分になるよう心がける。再発予防のため、症状が治まっている期間も薬を飲み続けることが大切。服薬を継続しながら生活のリズムを整えることが大切である。過去の躁状態、うつ状態の期間や程度、再発前のストレスの状態、治療内容などを記録しておくと、再発や症状の悪化に結びつきやすいストレスはどのようなものなのか、理解するのに役立つ。再発のサインが現れたと思ったら、早めに主治医に相談することが大切である。

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こちらの記事の監修医師

東京慈恵会医科大学附属第三病院

中村 敬 院長

人間心理に関心を持ち、大学は哲学科へ進んだが、より実践的な学問を求めて東京慈恵会医科大学へ入学。1982年に卒業し、同精神医学講座へ入局。同大学院修了。 現在は第三病院院長兼同精神神経科診療医長と、東京慈恵会医科大学精神神経科教授を務めている。