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うつ病と双極性障害(躁うつ病)の違いとは
診断と治療の流れ

神宮前駅こころのクリニック

(名古屋市熱田区/神宮前駅)

最終更新日:2022/04/08

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  • 保険診療

気力が湧かない、倦怠感に襲われる。イライラする、わけもなく悲しくなる、悪い考えばかりが浮かぶ……。何かとストレスの多い現代において精神的な不調、特に気分の落ち込みのような「うつ症状」に悩まされた経験のある人は少なくないだろう。一般的に、うつ症状と聞くとうつ病を思い浮かべるが、「神宮前駅こころのクリニック」の長田成幸院長は、「うつ症状があるすなわちうつ病とは言い切れません」ときっぱりと語る。うつ症状は内科疾患や他の精神疾患などでも見られる症状で、診断が適切でないと治療をしても症状の改善が期待できないどころか、かえって悪化することもあるという。とりわけ診断に注意が必要とされているのが、以前は「躁うつ病」と呼ばれていた双極性障害だ。「うつ」が共通する2つの病気の違い、診断や治療の流れなどを聞いた。

(取材日2022年3月15日)

症状こそ似ていても、うつ病と双極性障害は異なる病気。焦燥感やコントロールできない気分の波に注意を

Q2つの病気に共通する「うつ症状」について教えてください。
A
1

▲患者一人ひとりに寄り添い丁寧な診療を行う

うつ症状とは、気分の落ち込み、何をしていても楽しめない、やらなければならないことに取りかかれないといった精神的な不調を指します。これらに、不眠や食欲不振、倦怠感、集中力の低下など、メンタル面に関連する身体的不調も含まれるとお考えください。うつ症状が現れる代表的な病気といえばうつ病ですが、その他の病気でもうつ症状は確認されます。例えば甲状腺ホルモン異常や認知症、適応障害などでは、諸症状の一つとしてうつ症状が表れることがあります。双極性障害もうつ症状を伴う病気で、以前は「躁うつ病」と呼ばれていました。うつ病と混同されやすいですが異なる病気で、治療方針にも違いがあるため見極めが肝心です。

Qうつ病の原因や特徴、代表的な症状を教えてください。
A
2

▲うつ症状についてわかりやすく説明してくれる長田院長

うつ病はその名のとおりうつ症状が病的なレベルで現れ持続する病気で、精神的・身体的ストレスが引き金となることもあれば、体質的な要因から明確な誘因がなくても発病することもあります。リスクが高いといわれているのが、40代前後など働き盛りといわれる年代です。マイナスなことばかり考えてしまう、何をやるにもおっくうで無気力状態が続く、気持ちがどんよりとして感覚が鈍っている、考えがまとまらず判断がつかない、行動に移せないなどの症状を訴える人が多く、十分な休養をとっても改善しない場合にうつ病が考えられます。適切に治療すれば再発を繰り返すといったことも少なく、服薬を終了できる可能性も十分期待できます。

Q双極性障害の原因や特徴、代表的な症状を教えてください。
A
3

▲的確な診断のもと最適な治療を行うことを心がけている

うつ病と比べ体質的な要因が大きく、10〜20代の若年層での発症が多いのも特徴です。高揚し活動性も亢進した「躁」の時期と、憂うつで元気のない「うつ」の時期を繰り返す状態とイメージされます。ただ、「躁」の症状は気づかないほど軽度のことが多く、「うつ」の症状で受診されることが多いです。このため、「躁うつ」というより、「うつ」を繰り返していると訴える方が多いです。また、「躁うつ混合状態」という状態があります。躁とうつの症状が同時に見られ、激しいイライラや強い不安、典型的な躁やうつと異なる症状を示し、診断を難しくしますが、まれな状態ではありません。双極性障害には、こうした幅広い症状や経過が見られます。

Qどのようにして診断を下すのでしょうか?
A
4

▲あらゆる可能性を考慮し、症状を具体的にひもとくことが重要

診察の基本は問診です。患者さんの多くは何らかのうつ症状を自覚しているので、診察では自覚するうつ症状がどの病気に該当するのか、十分に注意を払いながら鑑別していきます。問診で最も重要といえるのが、症状を具体的にひもとくことです。例えば「自分の考えを示す言葉が浮かばない、考える気力がない」のも「頭がフル回転状態でまとめるのが追いつかない」も、「考えがうまくまとまらない」状態と表現できます。ただ患者さんにしてみれば、ご自身の症状を詳細に把握するというのはなかなか難しいもの。だからこそあらゆる可能性を念頭に置きながら問診を進めて症状をひもとくこと、経過観察に応じて診断の修正を行うことが不可欠なのです。

Qそれぞれの病気の治療の方針と流れを教えてください。
A
5

▲気になることがあれば気軽に相談してほしい

いずれの病気も、薬物療法を基本にした治療を通じて改善をめざします。うつ病の治療では、抗うつ薬によって停滞した精神面の底上げを図っていきます。十分な回復が見られれば薬を減らし、服薬終了をめざします。双極性障害の治療ではその時に見られるうつ症状や躁症状、躁うつ混合状態などの改善を図るとともに、長期的な気分の安定を図り、今後の再発予防を行っていきます。この時に使われる薬は、気分安定薬を中心に躁の治療薬や双極性うつの治療薬を用います。双極性うつに対してうつ病用の抗うつ薬を用いると、躁状態や躁うつ混合状態を誘発する危険があるためです。この点からも、適切な見極めが重要とおわかりいただけるでしょう。

ドクターからのメッセージ

長田 成幸院長

うつ病も双極性障害も、自覚しにくい病気です。「普段の自分と比べて、今どうなのか」と比較してみたり、周囲の人にも聞いてみましょう。特に双極性障害はわかりにくい病気です。躁かうつかによって症状が異なります。うつ症状のバリエーションも多く、「活動的だけど、気分はすごく落ち込むうつ」「不安が強く、心配、寂しさが前面にでるうつ」などいろいろあり得ます。また今まで、仕事などが続けられず困っているといった方では、双極性障害が影響した可能性がありますが、多くの場合気づかれていません。また自分のことを「情緒不安定」と捉えている方もいます。こうした症状や、うつ病治療を続けていても改善しない場合にはご相談ください。

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