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長田 成幸 院長の独自取材記事

神宮前駅こころのクリニック

(名古屋市熱田区/神宮前駅)

最終更新日:2022/03/15

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神宮前駅直結の商業ビル内に2022年2月に開業した「神宮前駅こころのクリニック」。アクセス至便な立地から、仕事や学校帰りに受診する患者も多いという。院長を務める長田成幸先生は、医師となってしばらくは神経内科(現・脳神経内科)を専門にキャリアを積み、働く人の相談にも対応した経験をきっかけに精神科医療の道に進んだ人物だ。精神科を主軸とする共和病院で10年以上にわたって臨床経験を積んだ後、同院を開業。現在は、じっくりと時間をかけて対話を重ねる診療スタイルで、不調を抱える患者に寄り添っている。「患者さんにとって、ここに来て良かったと思ってもらえるよう励んでいきたいです」と語る長田院長に、診療に対する思いなどを詳しく聞いた。

(取材日2022年3月4日)

言葉に表しきれない不安に耳を傾け原因をひもとく

開業の経緯と、クリニックづくりでこだわった点を教えてください。

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数年前から開業したいと考えていたんです。精神科医療に本格的に携わって10年以上がたち、新たな一歩を踏み出す決心がついたタイミングでの開業となりました。開業にあたり特にこだわったのが「通いやすさ」。精神科では治療の継続が必要なことが多く、またその症状から通院自体が負担になり、治療を中断してしまい調子を崩してしまうことがあります。こうした事態を極力避けたいと、駅直結ビルでの開業を決めました。お隣の金山駅ほどの混雑は見られないのも、通いやすさを感じていただける点かと思います。ロゴマークの木は熱田の杜をイメージしたもので、デザイナーさんが「疾患も、年代やバックグラウンドもさまざまな患者さんを診ていきたい」という私の思いを、カラフルな色を組み合わせることで表現してくださりました。ロゴマークに合わせてパステルカラーをインテリアのアクセントに取り入れたことで、統一感のある仕上がりになったかなと思います。

どのような患者さんが受診されているのですか?

勤務医時代の経験から、メンタルの不調によって以前のように働けなくなった人や、家事や育児の負担に悩む人をしっかり診ていきたいという思いがありました。また、神経内科、精神科を通じて高齢の方の認知症やその関連症状の治療に携わってきたので、精神科・心療内科と併せて老年精神科を標榜しています。ただ、開業してみると働き盛りの人が中心ではあるものの、むしろ高校生や大学生など学生さんの受診が多いことに驚きました。疾患や症状としては、不安やうつ症状を訴える方が多いです。

診療のおおまかな流れを教えてください。

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初診では、まず直近でどんなことに困っているのかをお話しいただき、過去にも同じような経験をしたか、さらには幼少期の様子などもお聞きします。「なぜ昔のことも聞くの?」と思われるかもしれませんが、ご本人が自覚していなくても医師の立場からすると関連性などを見つけられることもあるんです。加えて、性格や仕事などに対する考え方などの傾向なども確認した上で診断を下します。焦らず、じっくり耳を傾けることが基本となるので、初診だと1時間程度を要するケースが多いですね。診断結果を踏まえて治療計画を立て、継続しながら内容を調整し回復をめざします。併せて休学・休職の必要性を判断したり、診断書の作成、公的支援のための書類作成を進めたりしていきます。病態に応じて、入院施設を備える医療機関での加療を提案することもありますね。患者さんのご希望も踏まえて医療機関をご紹介し、適切な治療につなげていきます。

心身が訴える“サイン”を見過ごさないで

診療ではどのようなことを心がけているのですか?

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初診時に診断を下し、ある程度の治療の見立てをお伝えするようにしています。受診に至るまで患者さんは不安な日々を過ごされていたのですから、その不安はできるだけ早く軽くして差し上げたい。もちろん、1度の診察でははっきりと診断を下せないこともありますが、できる限り安心してお帰りいただけるように努めています。問診ではこちらから具体的な質問をして、患者さんが自然にお話しできるような雰囲気づくりも意識しています。話を上手にまとめられない、話そうとすると言葉が出なくなってしまうといったことも、それ自体が重要な情報ということがあり、そのことで受診を躊躇わなくても結構です。患者さんの緊張感をほぐしながら話しぶりに注視して、適切な診断につなげていきます。また、問診中に患者さんがけげんそうな表情を浮かべていたら、その場で質問の意図をしっかり説明するなど、疑問をそのままにしないというのも心がけている点の一つです。

お薬による治療が基本になるかと思いますが、継続して薬を服用することに不安を覚える人もいるのでは?

確かに薬物療法は大切な治療手段ですが、治療の継続によって将来的に最低限の種類と量にする、あるいは薬を必要としないような状態にすることをめざしていきます。最低限の種類と量にとどめる、というのは内科でいう慢性疾患と同じ、と捉えていただけるとわかりやすいかと思います。例えば統合失調症であれば継続的にお薬を飲むことで症状を抑えるために、双極性障害の場合は症状のない状態を維持し、再発や悪化を予防するためにお薬の服用を続けてもらいます。一方で単極性うつ病など、症状がなくなれば、お薬を終了できる病気もあります。いずれにしても、早期発見ができれば治療の負担も軽くできるでしょうから、ちょっと心配だなと思ったら気軽に受診していただきたいですね。

どのような場合に、精神科や心療内科を受診したら良いのでしょうか?

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「今までできていたはずなのにできなくなった」ということがあった場合には、受診を検討しても良いかなと思います。例えば学生さんなら、学校に通えなくなったり勉強に集中できなくなったり、教科書の内容が頭に入ってこなかったり。会社員の人であれば、仕事に取りかからないといけないとわかっているのに何もできないなど、今まで何の問題もなくできていたことができない状態が続いている場合、精神的な不調が関係している可能性が考えられます。加えて、我慢しないほうがいいのが不眠です。眠れないのは心身ともにつらい状態ですし、不眠が続くことで精神状態が不安定になって疾患の呼び水となることもあります。生活習慣を改善しても眠れない日々が続くといった場合には、一度診察を受けてみていただきたいです。

患者がほっと胸をなで下ろせるような診療をめざす

院長はもともと神経内科を専門とされていたそうですが、どうして精神科の道に進むことになったのですか?

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医師を志した当初は、漠然と内科を専門にしたいと考えていて、研修医時代にお世話になった先生の影響もあって神経内科の道に進みました。神経内科は細かく考えた上で診断をつけなければならないので、それも面白く感じたんですよね。その後、ご縁があって働き盛りの方からの相談をお受けすることに。振り返ると、これが医師としての私の転機となりました。働く方の心の不調を見つけ、心身を病気から守ることは、やりがいを感じる一方、その時の私は具体的な治療までは行えず、ジレンマも抱えていました。働き盛りの人がメンタルの不調によって働けなくなると本人はもちろんご家族への影響も大きく、会社から見ても損失といえます。そういった方々に寄り添い、日常生活を取り戻すお手伝いができる医師になりたいと考え、精神科医療を本格的に学ぶことを決めました。

クリニック開業によって、精神科医療に進むきっかけとなった“思い”が形になったのですね。

そうですね。精神科医療を学んだ共和病院では、働き盛りの人たちはもちろんご高齢の方、児童を含めた学生さんなどの診療も幅広く経験を積んできたので、それを生かして診療できることがうれしい限りです。“コロナ禍”によって不登校児も目に見えて増えていて、お子さん本人はもちろん親御さんもどうすればいいか困っているかと思います。当院では15歳以上の方であれば診察に応じておりますので、ちょっとしたことでも良いのでご相談いただきたいですね。

今後の目標を教えてください。

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スタートを切ったばかりですが、地域に人に頼られるようなクリニックにしていきたいですね。精神的に調子が悪くなると、家庭内や職場、学校などでの関係性もギスギスし、つらさが増してしまうことも珍しくありません。患者さんをはじめ周りの人も穏やかに過ごせるように治療を通じてサポートして、患者さんから「来て良かった」と思ってもらえる診療をめざしていきたいです。

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