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こちらの記事の監修医師
国家公務員共済組合連合会 虎の門病院
院長 門脇 孝 先生

にがたとうにょうびょう 2型糖尿病

概要

人が食事で摂取した栄養素の一部は、糖(ブドウ糖)として血液中を流れ、全身の細胞に届けられます。細胞にたどり着いた糖は、血液中を流れるインスリンというホルモンの助けによって肝臓や筋肉などの細胞内に取り込まれ、人が活動するエネルギー源になります。糖尿病は、このインスリンが十分に働かないために、血液中の糖の濃度(血糖値)が異常に高くなってしまった病気です。糖尿病には、膵臓からインスリンがほとんど出なくなる1型糖尿病と、インスリンが出にくくなったり、効きにくくなったりする2型糖尿病があります。糖尿病を放置していると、血管を傷つけ、将来的に心臓病、腎臓病、失明、足の切断といった深刻な病気につながるため、早めに治療を開始することが大切です。

原因

2型糖尿病は、遺伝的な体質に環境因子が加わって起きます。遺伝的な体質の本態はブドウ糖に対するインスリン分泌、特に初期分泌の低下です。しかしインスリンの効きが保たれている間には、遺伝的な要因のみで糖尿病は起こりません。その発症の引き金となるのが、過食、高脂肪食、運動不足などの環境因子です。これらは肝臓や筋肉に脂肪を蓄積させ、インスリンの働きも悪くし、細胞が糖を取り込みにくくなります。これをインスリン抵抗性といいます。血液中の糖があまり利用されないので血糖値が上がって高血糖状態が続き、糖尿病を発症します。インスリン抵抗性とインスリン分泌低下の程度には個人差があり、遺伝的なインスリン分泌低下が強くそれほど肥満のない人から、インスリン分泌は低下しているもののある程度保たれ、肥満の強い人までさまざまです。

症状

2型糖尿病は、症状のないのが特徴で、健康診断などで血糖値が高いと指摘されて発見されることが多い病気です。血糖値がある程度以上高くなると、喉が渇く、水をよく飲む、尿の回数が増える、体重が減る、疲れやすいといった症状が出てきます。著しい高血糖になると、意識を失って昏睡状態に陥ることも。糖尿病は放置されたり正しく治療されなかったりすると、高血糖が続きさまざまな血管や神経の病気を発症します。目や腎臓の毛細血管を傷つけることで網膜症、腎症から、失明や透析治療が必要な状態に陥ったり、神経も障害するため、手足のしびれや冷え、感覚麻痺、立ちくらみ、排尿排便の障害、勃起障害などの症状が出たりします。心臓、脳、下肢の血管が動脈硬化を起こすと、心筋梗塞、脳梗塞、足の細胞が死ぬ壊疽(えそ)などの深刻な状況を招きかねません。

検査・診断

糖尿病の診断は、血液検査によって行います。基本になるのは血液中のブドウ糖の濃度を表す血糖値と、赤血球のヘモグロビンに糖がついたものが、ヘモグロビン全体のどれぐらいの割合を占めるかを表すHbA1c(ヘモグロビン・エーワンシー)という指標です。血糖値は食事の影響を大きく受け、食後は高く、空腹時は低くなり、毎日の変動も大きいのですが、HbA1cは1~2ヵ月前の平均血糖値を反映します。糖尿病を疑う基準(糖尿病型)は、空腹時血糖は126㎎/dl以上、随時血糖は200㎎/dl以上、経口ブドウ糖負荷検査2時間値200㎎/dl以上、HbA1cは6.5%以上で、初回及び再検査で糖尿病型が2回確認されると糖尿病と診断されます。他に、さらに詳しく状態を調べる検査として、尿中の糖を調べる検査、グリコアルブミン検査、24時間の持続血糖測定、インスリン分泌状態を調べる血中インスリン濃度検査やCペプチド検査などがあります。

治療

糖尿病の治療は、血糖値を良い状態に保ち、健康な人と同じように寿命や生活の質を保つことを目的に行います。血糖値をコントロールする基本は、まず食事と運動、そして薬です。食事は、体格と身体活動量によって1日の適正摂取カロリーが決まりますので、それを守って栄養バランスの良い食事を心がけてください。特に血糖値の上昇に関係する炭水化物の量に着目した食事療法も開発されています。運動はウォーキング、ジョギング、水泳などの有酸素運動と週2~3回の筋力トレーニングが推奨されています。糖尿病の薬には多くの種類があります。1型糖尿病ではインスリンの注射が用いられますが、2型糖尿病では内服薬から始めるのが一般的です。内服薬にも、膵臓からのインスリン分泌を高めるもの、細胞でのインスリンの効きに作用するもの、糖の分解と吸収を遅らせるもの、糖の排泄を促すものなど多くの種類があり、個々の患者の状態に応じて組み合わせて治療します。糖尿病では、これらの生活習慣改善と薬物治療を長期間にわたって継続する必要があります。主治医とよく相談し、生活状況などに合わせた方法を選ぶようにしましょう。

予防/治療後の注意

2型糖尿病の血糖を管理するためには、生活習慣の改善が必要です。日頃から高カロリー食や高脂肪食を避け、適度な運動を心がけることが発症の予防につながります。また、糖尿病になってしまったら、頑張りすぎず、諦めず、長く付き合うという姿勢が大切です。食事療法や運動療法を急に頑張っても長続きしないことが多いので、できることから始めましょう。自分で定期的に血糖値、血圧、体重などを記録することもお勧めです。また、喫煙習慣は糖尿病の合併症の一つである動脈硬化を進行させてしまいます。糖尿病を発症してしまったら、喫煙者は禁煙に取り組みましょう。

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こちらの記事の監修医師

国家公務員共済組合連合会 虎の門病院

院長 門脇 孝 先生

1978年 東京大学医学部卒業後、東京大学第三内科に入局。米国NIH糖尿病部門客員研究員、東京大学大学院医学系研究科糖尿病・代謝内科教授を経て、現職。