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糖尿病など生活習慣病の背景にある
睡眠時無呼吸症候群に注意を

浦舟金沢内科クリニック

(横浜市南区/阪東橋駅)

最終更新日:2024/09/06

浦舟金沢内科クリニック 糖尿病など生活習慣病の背景にある 睡眠時無呼吸症候群に注意を 浦舟金沢内科クリニック 糖尿病など生活習慣病の背景にある 睡眠時無呼吸症候群に注意を
  • 保険診療

睡眠の質が低下することで、日中に強い眠気に襲われ、交通事故や仕事のパフォーマンス低下につながる睡眠時無呼吸症候群。「浦舟金沢内科クリニック」を運営する「医療法人みなとみらい」の田中俊一理事長は、睡眠時無呼吸症候群と糖尿病など生活習慣病の関連性に早くから注目し、専門クリニックを開設して疾患の進展抑制や合併症予防に努めてきた。同院では、糖尿病診療の専門家である高井孝典院長が、糖尿病を中心とした生活習慣病、睡眠時無呼吸症候群、甲状腺疾患を軸とした診療を行っている。「睡眠時無呼吸症候群と糖尿病は肥満など共通するリスクも多く、糖尿病治療の一つの切り口として睡眠時無呼吸症候群の診断を重要視しています」という高井院長に、睡眠時無呼吸症候群と生活習慣病の関わりや、専門的な診療について聞いた。

(取材日2024年8月15日)

糖尿病など生活習慣病に関係する睡眠時無呼吸症候群。 睡眠の質を高め生活習慣病の進展抑制や合併症予防を

Q睡眠時無呼吸症候群は糖尿病など生活習慣病に関係するのですか。
A
浦舟金沢内科クリニック 日本内科学会総合内科専門医の資格を持つ院長

▲日本内科学会総合内科専門医の資格を持つ院長

睡眠時無呼吸症候群により、睡眠中の呼吸が弱まったり止まったりすると、血液中の酸素濃度が低下して全身に酸素が行き渡らなくなります。この状態を放置すると脳が大きなストレスにさらされ、血糖を上昇させるホルモンが過剰に出るようになり、糖尿病が悪化すると考えられています。国内の2型糖尿病患者を対象とした研究では、体型に関係なく、患者の約3分の1が睡眠時無呼吸症候群を合併しているという研究結果もあります。また睡眠時無呼吸症候群で血中酸素が低下することで交感神経が優位となり、心臓の働きが促進されて血圧や脈拍が上がり、心臓や血管に負担がかかり、動脈硬化が促進されます。

Q糖尿病と睡眠時無呼吸症候群を併発するとどうなりますか。
A
浦舟金沢内科クリニック 生活習慣病による臓器の変化を早期発見するための超音波検査

▲生活習慣病による臓器の変化を早期発見するための超音波検査

糖尿病で血圧や血糖が上昇すると心臓や血管に負担がかかり、動脈硬化が促進されます。一方、睡眠時無呼吸症候群によっても心臓や血管に過剰な負担がかかり、動脈硬化が進みます。動脈硬化は脳梗塞・脳出血・くも膜下出血といった脳卒中や、狭心症や心筋梗塞などの心疾患につながります。つまり、糖尿病と睡眠時無呼吸症候群、どちらも心疾患や脳卒中のリスクを高めるので、併発すると危険性がさらに高まることになります。突然死につながる心疾患や脳卒中を避けるためには、2つの疾患をトータルに診療していくことが勧められます。

Q貴院での睡眠時無呼吸症候群の検査などについて教えてください。
A
浦舟金沢内科クリニック 同グループ院でより詳しい検査も可能

▲同グループ院でより詳しい検査も可能

睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合、パルスオキシメトリー検査と呼ばれる簡易検査を行います。当院で貸し出した小さな機械を自宅で手首に巻き、一晩睡眠の状態を測定。血液中の酸素飽和度を測定して検査結果から睡眠時無呼吸症候群の初期診断を行います。その上で、専門の検査施設のある当法人グループの「みなとみらいクリニック」にてPSG(終夜睡眠ポリグラフ検査)と呼ばれる精密検査を行います。就寝中の脳波、呼吸、心電図、いびき、血液中の酸素飽和濃度などを一晩連続して記録し、詳しい診断を行います。中等症以上の睡眠時無呼吸症候群と診断されたら、睡眠時に鼻にマスクをあてるCPAP(シーパップ)療法を行う選択肢があります。

Q糖尿病の検査や治療についても教えてください。
A
浦舟金沢内科クリニック 一人ひとりに合わせたサポートを心がける

▲一人ひとりに合わせたサポートを心がける

まず尿検査と採血検査で、糖尿病の指標となる血糖値やHbA1c、脂質、腎機能・肝機能などを調べます。合併症を評価する検査として、心電図、血管の厚さやプラークの有無を確認する頸動脈超音波検査、血管の硬さ・血管年齢(動脈硬化の進行状態)を計る血圧脈波検査などを行います。治療の基本は食事・運動療法ですが、血糖コントロールを得るために、内服薬やGLP-1製剤、インスリンなどを使うことがあります。合併症の予防や進行抑制の状態を維持するために、患者さんのライフスタイルや状況に応じた治療法をご提案し、管理栄養士による食事や栄養に関する個別のカウンセリングを行います。

Qこちらは1型糖尿病や甲状腺疾患にも対応しているそうですね。
A
浦舟金沢内科クリニック 管理栄養士をはじめ、専門の医師やスタッフが連携する

▲管理栄養士をはじめ、専門の医師やスタッフが連携する

そうです。1型糖尿病の診療では、血糖値と連動する間質液中のグルコース値(ブドウ糖の濃度)を測定・記録・保存する持続血糖測定器を導入しています。また、横浜市立大学市民総合医療センターの医師と連携して、バセドウ病や橋本病など甲状腺疾患の専門的な診療を行っています。甲状腺の大きさや表面の凹凸、病変の有無を調べる甲状腺超音波検査に対応する臨床検査技師も在籍しており、甲状腺超音波検査で腫瘍が認められた場合は甲状腺がんなどの判定を行うための詳しい検査も実施しています。気になる症状があるが甲状腺ホルモンを測ったことがない方、以前に指摘を受けたことのある方、女性で不妊の方などはご相談ください。

ドクターからのメッセージ

高井 孝典院長

睡眠時無呼吸症候群は、不整脈の誘発や糖尿病など生活習慣病の重症化につながることが明らかになっています。また睡眠時無呼吸症候群も糖尿病も、初期には自覚症状が少なく静かに進行していくこと、やがて心疾患や脳卒中など重篤な病気につながることが共通しています。糖尿病が進行すると合併症が起き、糖尿病性網膜症による失明や、腎不全、足の壊疽につながることもあります。早い段階で診断を受け、適切な治療や生活習慣の改善を図ることが必要です。健康診断や人間ドックで異常を指摘された方や、体重の増加やいびきなど気になることがある方は、ぜひ、早めに睡眠時無呼吸症候群や生活習慣病を専門とするクリニックを受診してください。

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