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こちらの記事の監修医師
中村 敬 院長

かかんきしょうこうぐん過換気症候群

概要

不安や極度の緊張などで何度も息を激しく吸ったり吐いたりして過呼吸の状態となり体内にある二酸化炭素が放出されて、炭酸ガス濃度が低くなることで本来は中性であるはずの血液がアルカリ性に偏り、身体にさまざまな症状が現れる。神経質な人や、不安を感じやすい人、緊張しやすい人に起きやすいと言われている。うつ病やパニック症、全般不安症などを持っている患者の場合、これらの疾患への治療が過換気症候群の発症防止につながることがある。一般的には予後は良く、数時間で症状は収まり回復するが、過去に過換気症候群になったことがある患者は緊張や不安を感じる状態をできるだけ避けた方が良いとされる。

原因

強い不安や緊張、またはパニック障害の発作などで何度も息を激しく吸って吐く、いわば過呼吸の状態が長く続くと、呼吸によって二酸化炭素を必要以上に吐き出してしまい、血液の中では炭酸ガス濃度が低くなってしまう。その結果、呼吸をつかさどる中枢神経は炭酸ガス濃度の低下を抑えるために呼吸を抑制するが、患者は呼吸ができないような息苦しさを感じてしまい、息苦しさから逃れるために余計に激しく呼吸をしようとしてしまう。過呼吸の状態が悪化し、炭酸ガス濃度が低下して血液がアルカリ性に偏ることで血管が収縮し手足のしびれや筋肉のけいれんや収縮も引き起こされ、これらの症状と不安からさらに過呼吸がひどくなる悪循環へつながる場合もある。不安や緊張が引き金になる場合が多く、神経質な人や不安を感じやすい人、緊張しやすい人がかかりやすい疾患と言われている。

症状

主な症状は呼吸が速くなり、過換気の状態に加え息をしづらい、息苦しい、胸の痛みやめまい、動悸などの自覚症状がある。手足がしびれたり筋肉がしびれてけいれんしたり、収縮して硬直したりする場合もある。手がけいれんし、トルーソー徴候と呼ばれる手のひらをすぼめて親指が中に入って指がまっすぐ伸びたような特徴的な状態になることもある。重症の場合は失神したり、全身にけいれんが起きたりすることも。患者によっては「このまま死んでしまうのではないか」という不安を感じる人もいる。重症でない場合、一般的に予後は良く、数時間程度で症状は改善する。

検査・診断

呼吸のペースが速く、何度も息を吸ったり吐いたりし、息苦しさや呼吸ができないという自覚症状を訴える患者で、手足の筋肉のけいれんや硬直などが見られる場合は過換気症候群を疑う。呼吸の回数や、浅さ、興奮の程度や問診によって総合的な面から診断を下すが、問診においては症状が起こったきっかけや、過去に同じような状態になったことはないかということも重視して、原因を探る。血液検査では、血中の酸素や二酸化炭素の濃度を調べ、必要に応じて胸部のレントゲン検査や心電図検査を実施し、心臓や肺の疾患が隠れている可能性を調べることもある。

治療

不安を感じたり、過度な緊張状態になり息を過剰に吸ったり吐いたりする過呼吸の状態の場合、意識的に呼吸を遅くしたり断続的に呼吸を止めて、二酸化炭素の量を増やすことで症状は改善する。深く息を吸って吐く腹式呼吸も有効だという。ただ、患者は不安が強くパニックになっている場合も多いため、その状態では意識して呼吸を遅くすることは難しい。まずは患者を落ち着かせて、安心させた上でゆっくり呼吸するよう指示して、症状が治まるまで待つ。以前は紙袋を口に当てて、一度吐いた息を吸わせることで血液中の炭酸ガス濃度を上げるペーパーバック法が主流だったが、この方法では炭酸ガス濃度が必要以上に上がってしまったり、酸素が足りず低酸素状態になったりする可能性があるため、現在は勧められていない。また不安感が強い患者には抗不安薬などの薬を処方する場合もある。

予防/治療後の注意

過去に過換気症候群を発症したことがある場合は、日常生活において大きな不安や過度な緊張を感じる状況を極力避けるよう注意し、興奮して激しく息を吸ったり吐いたりする過呼吸の状態になった場合には落ち着いて意識的に呼吸を遅くしたりして、呼吸を止めて体内の炭酸ガス濃度が上がり症状が落ち着くのを待つ。パニック症、全般不安症、うつ病などの精神的な疾患を持っている場合は、これらの症状の治療を行うことが過換気症候群の再発防止につながることもある。

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こちらの記事の監修医師

東京慈恵会医科大学附属第三病院

中村 敬 院長

人間心理に関心を持ち、大学は哲学科へ進んだが、より実践的な学問を求めて東京慈恵会医科大学へ入学。1982年に卒業し、同精神医学講座へ入局。同大学院修了。 現在は第三病院院長兼同精神神経科診療医長と、東京慈恵会医科大学精神神経科教授を務めている。