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東京医科大学八王子医療センター 泌尿器科科長/講師 宍戸 俊英 先生

こちらの記事の監修医師
東京医科大学八王子医療センター
泌尿器科科長/講師 宍戸 俊英 先生

ほうけい包茎

概要

男性器の亀頭が包皮に覆われ、露出しない状態のこと。先端の包皮口が亀頭よりも小さく、包皮をめくることができない状態を真性包茎、包皮をめくることはできるが通常は亀頭を覆っている状態を仮性包茎と言う。さらに、仮性包茎で包皮の出口が狭いために、亀頭を露出した際に亀頭根部を包皮が締めつけたまま戻らなくなり、腫れと痛みを生じる嵌頓(かんとん)包茎がある。一般的に包茎と言えば真性包茎を指すことが多い。新生児はほぼ100%真性包茎で、包茎の状態が正常だが、成長とともに減少していく。思春期までは包皮を完全にむいて下げることができない場合も少なくないが、真性包茎の大部分は成人するまでに自然に治る。

原因

真性包茎は先天性と後天性に分けられ、後天性の包茎は亀頭包皮炎の頻発などで包皮口が狭くなることによって生じる。

症状

特に症状がないことが多いが、嵌頓包茎の場合は締めつけにより血流の流れが悪くなり、亀頭の痛みや変色を伴う。また、包皮口が極端に狭いと排尿時に包皮内に尿がたまり、先端が風船状に膨らんだり、尿が飛び散ったりする排尿障害を来たすことがある。このほか、包皮と亀頭の間に恥垢と呼ばれる黄白色の垢がたまるが、通常恥垢には細菌はついていないため、無理に取る必要はなく放っておいて構わない。包茎は場合によっては、陰茎の先端が赤く腫れて痛みを伴う亀頭包皮炎や尿路感染症などの原因となる場合もある。

検査・診断

視診・触診によって診断する。まれに包茎の原因が糖尿病である場合もあるため、後天性の包茎の場合は血糖値、ヘモグロビンA1cなど、糖尿病の検査をすることもある。

治療

治療法は、手術療法と包皮翻転指導がある。手術療法は、包皮を環状に切除して亀頭を露出させる環状切開術が一般的。手術は通常30分程度で日帰りが可能だが、小児の場合は全身麻酔を行う。包皮翻転指導は、包皮の先端にステロイド軟膏を塗り、包皮の狭い部分を柔らかくして手でむく方法で、毎日1~2回、一定期間以上続ける。翻転した包皮はそのままにしておくと嵌頓包茎になるため、必ず元に戻すことが注意点として挙げられる。多くの場合、包皮翻転指導により改善するが、治療が無効だった場合は手術療法となる。小児の場合は、基本的に積極的な治療は不要。ただ、①排尿時に尿が出しづらい尿排出障害がある場合②亀頭と包皮の間に細菌が繁殖し、亀頭包皮炎や尿路感染症を頻発する場合③嵌頓包茎などでは治療が必要になる。成人の場合は、真性包茎と嵌頓包茎においては、包皮の環状切開術などを行う。性生活を含む日常生活に支障のない仮性包茎については、治療の必要性について医師の間でも意見が分かれている。

予防/治療後の注意

小児の包茎で治療を必要とすることはほとんどないが、成人の場合は、排尿障害や亀頭包皮の炎症、尿路感染症などが起こる可能性もあるため、気になることがあれば泌尿器科や形成外科を受診すること。

東京医科大学八王子医療センター 泌尿器科科長/講師 宍戸 俊英 先生

こちらの記事の監修医師

東京医科大学八王子医療センター

泌尿器科科長/講師 宍戸 俊英 先生

1994年東京医科大学医学部卒業。同大学病院、癌研究会附属病院(現・がん研究会有明病院)勤務、杏林大学医学部付属病院泌尿器科講師などを経て2014年より現職。日本泌尿器科学会泌尿器科専門医。