小児のおねしょや包茎は放置せず
早めに小児泌尿器科に相談を
要町駅前クリニック
(豊島区/要町駅)
最終更新日:2021/10/12
- 保険診療
「おねしょがなかなかなくならない」「たまにおしっこを漏らしてしまう」などの症状があった場合、どこに相談すべきかわからず放置したり、ひとまず小児科に行ってみたりする人もいるのではないだろうか。そんなときは、小児の泌尿器系疾患を専門とする小児泌尿器科クリニックが役立つという。小児泌尿器科はおねしょ・夜尿症、排尿障害、包茎、膀胱炎、水腎症・水尿管症、膀胱尿管逆流症、膀胱炎など幅広く診療する。「的確な診断をして早いうちに問題を解決してあげることは、お子さんのためになるのではないでしょうか」と話す「要町駅前クリニック」の堀祐太郎院長。大学病院・総合病院での診療経験を生かし、専門性の高い泌尿器科診療を行う堀院長に、小児泌尿器科で診られる疾患やクリニックの活用方法などを聞いた。
(取材日2021年7月3日)
目次
専門の医師による診断で一歩前進が期待できることも。早期に悩みを解決して、子どもの生活をより快適に
- Q小児泌尿器科で多い疾患・症状にはどのようなものがありますか?
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A
代表的な疾患・症状は、包茎、おねしょ・夜尿症、水腎症・水尿管症、膀胱炎などです。小児の包茎は自然に改善することが多いですが、排尿時に尿が出しづらい、亀頭と包皮の間に細菌が繁殖して亀頭包皮炎などがたびたび起こる場合などは治療が必要です。おねしょ・夜尿は、生活のリズムの乱れまたはホルモンバランスで夜間の尿量が多いこと、まだ膀胱容量が十分大きくなっていないなどが原因で、成長につれて自然となくなりますが、ごく少数、中学生になっても治らない人もいます。小児の水腎症・水尿管症は、尿管がつまって尿がうまく流れなくなり、腎盂から尿管にかけて拡張するのが水腎症、尿管から膀胱にかけて拡張するのが水尿管症です。
- Qどのようなときに小児泌尿器科を活用すればよいのでしょうか?
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A
泌尿器科は外科の一角で、副腎、腎臓、尿管、膀胱などの臓器に発生した疾患を診療します。特に痛みなどを伴う症状がなくても、「おねしょがなかなかなくならない」「他の子よりもおむつを外すのが遅れているかも」など、子育て中に気になることがあれば気軽に相談していただいて構いません。なかなか問題が解決しないという方もいるかもしれませんが、泌尿器科に相談していただければ違った診断・治療ができる可能性があります。私は埼玉県立小児医療センターで小児泌尿器科診療に長年携わってきましたので、専門的な視点で診ることができると思っています。
- Q小児泌尿器科を受診するメリットは、どんなことでしょう?
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A
排尿障害が疑われる場合は正確な診断のために、おしっこの勢いや出方に異常がないかを調べる尿流測定検査を行いますが、これは泌尿器科ならではの検査だと思います。尿流測定検査ができないくらい小さいお子さんはウロダイナミックスタディーという寝た状態で膀胱機能をチェックする方法がありますが、そういったケースにも、私は総合病院で対応してきました。また、お子さんの包茎は基本的には積極的な処置が必要ないとはいえ、きちんと管理しないと手術することになってしまう可能性があります。当院ではしっかり状態を見て適切な処置を行い、手術の必要があれば、連携している病院を紹介または執刀することができます。
- Q泌尿器科疾患は、早期受診・治療したほうが良いですか?
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A
夜尿症はお泊まり会などのイベント時に困らないように、早期に治療しておいたほうがいいかもしれません。神経因性膀胱といわれる状態ですと、放っておくことで腎機能が低下して腎不全になることがあります。これから80年と生きるお子さんの腎機能を守らなくてはいけないと考えます。正しい排尿を維持できるようにバランスを保つことは大事です。早めに受診して適切な治療を行ったほうが、お子さんにとって良いことがたくさんあると思います。
- Q泌尿器科の医師として、保護者にアドバイスはありますか?
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A
仕事や家事で忙しいと、ちょっとしたお子さんの変化を見逃してしまうこともあるかもしれません。例えば、お子さんがある程度大きくなったのにたびたびおもらししていても、「クリニックを受診するほどではないかな」と思ってしまう方もいるのでは。忙しいとは思いますが、早めに対処したほうが良い場合もありますので、時間を見つけて気軽に泌尿器科クリニックに相談してみてください。治療の必要がなかったとしても、話を聞くだけで安心することもあります。SNSなどで発信される不正確な情報に影響を受けて悩んでしまっている方もいますが、わからないことがあればまず専門の医師に聞きましょう。それだけで、気持ちが楽になると思いますよ。