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こちらの記事の監修医師
横浜新都市脳神経外科
院長 森本 将史 先生

とうぶがいしょう頭部外傷

概要

頭に外からの力が加わり、その程度によって頭の皮膚、頭蓋骨、脳に損傷を来たすことをまとめて頭部外傷と呼ぶ。頭部外傷の中には、皮膚の外傷である皮下血種(たんこぶ)、頭蓋骨の外傷である頭蓋骨骨折、脳の外傷である脳震とうや脳挫傷などが含まれる。脳の外傷は頭蓋内損傷と呼ばれ、交通事故や転落事故などで頭部に大きな力が加わった場合には、重症化することが多い。また頭蓋内の出血には、くも膜下出血、脳内出血、急性硬膜外血腫、脳室内出血、急性硬膜下出血などがある。脳卒中などと比べて高次脳機能障害が目立ちやすいという特徴がある。成人でも小児でも起こりうるが、小児は成人よりも完全に回復する傾向がある。

原因

交通事故、転落、転倒、暴行、幼児虐待、スポーツ中やレクリエーション活動中の事故などが原因として挙げられる。特に交通事故による頭部外傷は約半数を占める。頭部外傷による死亡のうち約60%が交通事故である。

症状

「皮下血腫」では痛みを伴い青紫に変色した、いわゆるたんこぶができる。たんこぶの中には柔らかくぶよぶよしたものもある。また、「頭蓋底骨折」では髄液が流出し耳や鼻に出血がみられる他、「髄膜炎」も引き起こしやすくなる。一方、「脳震とう」では意識喪失やめまい、「脳挫傷」では意識障害、運動まひ、言語障害、けいれんなどの症状がみられる。頭蓋内出血の場合、頭を打ってすぐに症状が出ることもあるが、数時間、数日経ってから何らかの症状が起こることもあるので注意が必要である。頭部外傷後、病気に関係なく、頭痛がだんだんと強くなる、繰り返しの嘔吐、意識状態の変化、急な視力の低下、高熱、けいれんなどの症状がある場合には急いで脳神経外科を受診すること。比較的高齢者に多い慢性硬膜下血腫は、外傷後数週間かけて少しずつ頭の中に血がたまり、繰り返しの嘔吐などの症状が出ることもある。症状が出た場合は必ず診察を受けること。

検査・診断

「頭蓋骨骨折」の有無を確認するためのエックス線写真検査や、「脳損傷」の可能性がある場合は、CTやMRI検査も行い判断する。小児の頭部外傷時は、2歳以上では精神状態が正常で意識消失や嘔吐がなく、損傷の機序が重度でなく、頭蓋底骨折の兆候や重度の頭痛がない場合にはCT検査は不要である。2歳未満の小児はこれらの他に、前頭部以外の頭皮に血種がなく、触診で頭蓋骨折を触知せず、保護者が子の行動を正常とみているのであればCT検査は不要となる。

治療

皮膚が裂けてしまっており、出血が多く止まりにくい場合には病院を受診し、止血と縫合をする。頭蓋骨骨折では、基本入院治療となる。複雑な骨折や、頭の内側に骨がめり込んでしまうような陥没骨折の場合には、手術を行うことが多い。骨折部からの出血が多い場合や、脳脊髄液という液体が出ている場合には緊急手術となる。脳挫傷の場合は出血が少なければ安静にして経過観察を行う他、薬物療法や手術を行うこともある。また、頭蓋内出血は血腫の大きさにより、血腫を取り除くための開頭手術を行う。

予防/治療後の注意

頭を打った後、呼びかけても反応が鈍く正常な状態に戻らないときは脳の損傷が考えられるため、医療機関を受診すること。また、一時は何ともなくても合併症による症状が数日後など遅れて出る場合もあることから、しっかり休み、体調に注意する必要がある。脳震盪を起こしたことがある人は再発しやすい。特に前回の脳震盪の症状が完全に消える前に再度頭部外傷を負うと大変危険であるため注意が必要である。

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こちらの記事の監修医師

横浜新都市脳神経外科

院長 森本 将史 先生

1993年京都大学医学部を卒業。国立循環器病研究センター脳神経外科、ベルギーのCenter for Transgene Technology and Gene Therapyなどで手術と研究の研鑽を積み、2011年より横浜新都市脳神経外科病院にて院長を務める。専門分野は脳梗塞、脳出血、くも膜下出血をはじめとする脳卒中疾患。この分野において数多くの治療を手がける施設の長として、日々脳外科手術を行いながら外来では予防も提唱している。著書に「読みやすい わかりやすい 脳梗塞35の重要ポイント(現代書林)」などがある。日本脳神経外科学会脳神経外科専門医、日本脳神経血管内治療学会脳血管内治療専門医。