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こちらの記事の監修医師
医療法人社団緑成会 横浜総合病院
皮膚科部長 鈴木 琢 先生

でんせんせいのうかしん(とびひ)伝染性膿痂疹(とびひ)

概要

細菌が皮膚に感染することでできる病気。皮膚の一部にできた水ぶくれやただれをかきむしった手を介し、水ぶくれやかさぶたが全身に広がる様子が家事の火の粉が飛び火する様子に似ていることから、とびひとも呼ばれる。黄色ブドウ球菌や化膿連鎖球菌(溶連菌)、A群ベータ溶連菌の作る表皮剥脱毒素(菌体外毒素)が原因。水疱性膿痂疹と、皮膚の一部に膿をもった水ぶくれ(膿疱)ができて厚いかさぶたになる痂皮性膿痂疹の2種類がある。水疱性膿痂疹は主に7歳未満の乳幼児が夏季にかかることが多い。痂皮性膿痂疹は季節・年齢に関係なくかかるため、大人でもかかることがある。アトピー性皮膚炎など、もともと皮膚が荒れている人に多く発症する。

原因

湿疹やあせも、擦り傷は虫刺されなどができた際に皮膚をかきむしった傷口に、黄色ブドウ球菌や化膿連鎖球菌(溶連菌)が感染することにより引き起こされる。黄色ブドウ球菌は鼻の穴にいる常在菌のため、鼻をいじっているうちに広がることもある。とびひの多くは黄色ブドウ球菌が原因である。感染力が強いため、他者から感染することもある。タオルや衣類、プールを介して感染する場合もある。

症状

大きく分けて、水ぶくれができ膿をもち、やがて破れて皮膚がめくれてただれる水疱性膿痂疹と、皮膚の一部に膿をもった水ぶくれ(膿疱)ができて厚いかさぶたになる痂皮性膿痂疹の2種類のタイプがある。水疱性膿痂疹は目・鼻・口の周りから症状が出始め、やがて体のいたるところに水ぶくれやかゆみが広がっていく。夏季に多い症状である。痂皮性膿痂疹は、かさぶたやリンパ節の腫れ、発熱、喉の痛みなどが季節に関係なく全身に出現する。患部をかきむしったり、触ったりすると、症状が広がる。広範囲の皮膚がむけて重症化する場合もあるので注意が必要である。

検査・診断

診断は容易なことが多く、問診と視診で診断が可能である。他の水疱症との区別がつきにくい時や、処方した薬に対する反応が悪い場合には、培養検査で細菌の種類を確認し、必要に応じて血液検査で炎症の程度や連鎖球菌に対する抗体の上昇の有無を調べる。

治療

原因となる細菌を退治するための治療を行う。ペニシリン系抗菌薬、セフェム系抗菌薬といった抗生剤の内服薬や、抗菌薬入り塗り薬を使用する。かゆみが強い場合は、かゆみを抑えるために、抗ヒスタミン薬を服用することもある。必要に応じて、炎症を抑えて患部を保護するために亜鉛華軟膏を使用する。

予防/治療後の注意

とびひとみられる水疱を見つけたら、他の部位に菌が広がる前に早めに受診をすること。この疾患にかかった場合、皮膚の症状がある部分はガーゼなどで覆い、引っかいて体の他の部位に症状が広がらないようにする。集団生活においては、出席停止などの決まりは特にはないが、プールに入ることで症状が悪化したり、他者にうつしたりする可能性があるので、完治するまでは控える。とびひの症状がなくなっても原因となる細菌が残っている場合があるため、自己判断で薬をやめないで、医師の指示に従う。また、治るまでは入浴を控えてシャワーにする。とびひ予防のためには、原因となる細菌を減らすために皮膚を清潔に保つことや、患部をかきむしったり皮膚を傷つけたりしないために、日ごろから爪を短く切っておくことや、常在菌がひそむ鼻の中に指をつっこませないことも大事である。

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こちらの記事の監修医師

医療法人社団緑成会 横浜総合病院

皮膚科部長 鈴木 琢 先生

1998年東邦大学卒業。専門である帯状疱疹の診療を中心に、それに付随する帯状疱疹後神経痛による痛みのケアまでカバーしている。日本皮膚科学会皮膚科専門医。