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こちらの記事の監修医師
耳鼻咽喉科部長 中村 健大 先生

へんとうひだい扁桃肥大

概要

咳や発熱などの症状がないのにもかかわらず、喉の奥にある扁桃(扁桃腺)が腫れて肥大した状態のことをいう。気道の周りを取り囲む扁桃は口や鼻から入ってくるウイルスや細菌をブロックすることで感染症を防ぐという役割を担う。そのため、抵抗力が低い子どもの扁桃が肥大化することは珍しいことではない。だが、扁桃は肥大し過ぎると、呼吸障害やいびきなどさまざまな症状を引き起こす。扁桃肥大には、主に口蓋垂(いわゆる咽ちんこ)の両脇にある口蓋扁桃が肥大する「口蓋扁桃肥大」と、鼻の奥にあるアデノイド(咽頭扁桃)が肥大する「アデノイド肥大」の2種類がある。

原因

扁桃が腫れて肥大化する原因は、生理的肥大と病的肥大の2種類に大きく分かれる。扁桃は細菌やウイルスの侵入を防ぐ役割を担っているので、免疫が発達していない幼少期は細菌などに感染することで肥大することが多い。これが生理的肥大で時間が経てば自然と症状は落ち着き、扁桃は元の大きさに戻ることがほとんどである。また、扁桃の働きが最も活発な4~8歳ほどの子どもが扁桃肥大になりやすく、年齢が上がるにつれて発症することは減っていく。一方、病的肥大は細菌・ウイルスへの感染や慢性扁桃炎などを繰り返したことなどで起こり、自然に治癒することはほとんどない。そのため食べ物が飲み込みづらい、十分な睡眠がとれない、いびきがひどいなど、生活に支障を来す症状が出ている場合は薬物治療や手術などによる治療が必要。遺伝や体質により、生まれつき扁桃が大きい場合もある。

症状

扁桃肥大であっても、口蓋扁桃が少し大きくなる程度では症状はほとんどない。しかし、口蓋扁桃が過剰に大きくなってしまうと気道を狭めてしまい、呼吸障害や嚥下障害、いびき、睡眠時無呼吸症候群、睡眠不足、集中力低下などの症状・問題を引き起こすことがある。子どものいびきの原因が口蓋扁桃肥大であることは少なくない。アデノイド肥大では、鼻の空気の通り道が狭くなったことで、いびきや口呼吸、睡眠時無呼吸症候群などを誘発。鼻と耳をつなぐ耳管の通気性が悪くなるため、滲出性(しんしゅつせい)中耳炎を繰り返す原因になったり、溶連菌などの感染症にかかりやすくなったりすることがある。

検査・診断

口蓋扁桃肥大では、まず扁桃の状態を直接目で確認する視診や、手で触って扁桃の大きさを確認する触診によって生理的肥大か病的肥大かを判断。ただ、視診や触診で口蓋扁桃がそこまで肥大していないと判断した場合でも、病的肥大が疑われるケースでは、エックス線検査や咽頭ファイバースコープ(内視鏡)検査などで詳しく調べる。アデノイド肥大も基本的には診断方法は同じで視診と触診に加えて、エックス線検査と内視鏡検査を行う。ただし、扁桃炎が扁桃腺肥大にかかわっていることが疑われるケースでは、原因細菌を見つけるために細菌培養検査を行うことも。

治療

小さい子どもが扁桃肥大になった場合、軽度であれば特に治療をせず、自然に治るのを待つことが多い。ただし、発熱や睡眠障害、いびき、睡眠時無呼吸症候群、嚥下障害などの症状を伴う場合は、治療を行う必要がある。治療は薬などを使う保存的治療と外科的治療(手術)の2種類。風邪や発熱などの炎症の影響で口蓋扁桃やアデノイドが一時的に肥大しているだけの場合は、抗生剤や消炎剤などを用いて症状を軽減していく(保存的治療)。それでは不十分な場合や、食べ物を飲み込みづらくなったり、呼吸しづらくなったりと日常生活に大きな支障を来したている場合は、肥大した口蓋扁桃やアデノイドを摘出・切除するための手術を行う。ただし、手術は小さな子どもにとって負担が大きいため、主治医からメリット・デメリットについてよく説明を聞いた上で慎重に検討する必要がある。

予防/治療後の注意

小さな子どもによく起こる生理的な扁桃肥大には特に予防法はない。ただし、風邪やインフルエンザなどの感染症、扁桃炎にならないようにすることで、病的肥大の発症や悪化を防げる。そのために、バランスの良い食事や十分な睡眠、こまめな手洗い、うがいなど、生活を整えることも大切。また、扁桃肥大の手術を行った場合、通常は術後7日前後の入院が必要となる。扁桃の摘出・切除によって一時的に声変わりや味覚障害が起こることも。

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こちらの記事の監修医師

佼成病院

耳鼻咽喉科部長 中村 健大 先生

2006年杏林大学卒業。同大学医学部付属病院耳鼻咽喉科を経て、2014年より現職。日本耳鼻咽喉科学会耳鼻咽喉科専門医。専門分野は耳鼻咽喉科一般。