褒めて継続する子どもの矯正治療
早めの受診が良い成長へ導く
医療法人矯永会 ながやま矯正歯科クリニック
(北九州市八幡西区/黒崎駅)
最終更新日:2022/04/14


- 自由診療
歯並びや噛み合わせの状態が良くない“不正咬合”は、子どもが自身の見た目を気にする原因になるだけではなく、磨きにくいことから虫歯のリスクが大きくなるなど、子どもの健康を損ねる恐れがある。北九州市にある「ながやま矯正歯科クリニック」は矯正歯科専門の歯科医院だ。院長の永山純一郎先生、副院長の永山哲聖(てっせい)先生は、東北大学などで矯正治療を専門に学び、骨に歯が埋まっている、顎に変形があるなどの難症例にも果敢に立ち向う。小児歯科や一般歯科のクリニックから患者を紹介されることも多いという。今回は「てっせい先生」と親しみを込めて呼ばれる永山副院長に、早期に始める子どもの矯正治療のメリットや、矯正をする際に同院が取り組んでいること、学校との連携の大切さなどについて話を聞いた。
(取材日2022年3月10日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Q子どもの矯正治療はどのタイミングで始めると良いですか?
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A
下の歯が上の歯よりも前に出ている受け口、上の前歯が出ている出っ歯、歯並びが悪いといったことが見受けられる場合、遅くとも小学校3〜4年生までには矯正治療を開始したいですね。理由としてはまず見た目の問題があります。当院では口腔外の装置を使用した矯正治療を行いますので、年齢が上になるほどお子さん自身が見た目を気にしてしまいます。もう一つは成長発育が利用でき、口腔機能の正常化が期待できるからです。見た目で気になることがあれば、すぐに矯正歯科、もしくはかかりつけの歯科があればそちらへ相談することをお勧めします。
- Q子どものうちから矯正治療をするメリットは何ですか?
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A
まず、歯並びという"見た目"を気にすることが少なくなり、コンプレックスを早期に改善することが望めます。見た目の変化はお子さんにとって一番の喜びですよね。それだけでなく、子どもの成長発育を利用し早期から矯正治療を行うことで、歯磨きがしやすい歯並びに整えていければ、結果として虫歯リスクの低下へとつながります。さらには、子どものうちから早期に介入することで、大人になってから矯正をする際の治療内容の簡素化も期待できます。もちろん矯正治療に年齢制限などはありませんが、子どものうちから早期に介入することで、多くのメリットがあります。
- Q親御さんの協力はもちろん、お子さんのやる気も大切ですよね。
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A
当院では毎回褒めることを欠かしません。基本的に月に1回来院してもらいますが、その都度、次回までの目標を決めるんです。「ここをこうすれば、来月はきっとこうなっているよ」「先月説明したとおりになっているね。よく頑張っているね」と。短期的な目標を定め、達成すると、本人も治療での変化を実感し、頑張ろうと思ってくれるんです。親御さんにも同様に説明しますし、おおよそ半年に1回行う検査でも、最初の状態からどのくらい変化したかを確認し、もし予定どおりに進んでいなければすぐに対応します。一つ一つの要素を毎回しっかり患者さんと確認しながら、治療に対する不安を取り除いていくという点は、とても大事にしています。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1カウンセリング
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歯並びが悪い、噛み合わせが悪いなどの「不正咬合」の状態に気づいた場合は、矯正歯科に相談を。矯正歯科を紹介する一般歯科もあるため、かかりつけの歯科に相談するのも選択肢だ。同院のカウンセリングでは治療内容や費用などについて詳しく説明する。特に気をつけたいのが期間で、矯正治療にかかる期間は通常2〜3年前後。15歳までは「保定観察」の期間を設けるため、長い付き合いになることを伝えているという。
- 2治療の方向性を決めるための検査・診断・説明
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生まれつき歯が少ない・多い場合もあるため、まずはエックス線検査で歯の過不足がないかを確認。さらに頭の骨に対して顎の位置がずれていないか、受け口、出っ歯、それらが複合していないかなど、顔全体の様子も見ながら治療の方向性を決めていく。その上で、どのような装置を使うのか、例えば頭から顔にかけて装着する顎外固定装置を使う場合にはそのことを説明し、治療の方法とゴールを話し合いながら明確にしていく。
- 3矯正治療開始
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矯正装置を装着して治療を始める。子どもの痛みを心配する親は多いが、「大人の骨が木だとしたら、子どもは竹。それほどにやわらかさも“しなり”も違うので、心配するほどは痛みを感じにくいのです」と語る永山副院長。
- 4矯正治療中
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特に顎外固定装置を装着する場合は、学校の担任の先生、さらに養護教諭の先生に手紙を書き、治療によって子どもが嫌な思いをしないよう、学校側からのフォローにも気を配っているのが同院の特徴の一つ。また、家庭では毎日の食後の歯磨きも欠かせない。小学生の間は親が仕上げ磨きを行い、定期的にかかりつけの一般歯科に行き、歯垢の染め出しや虫歯のチェックをしよう。
- 5保定・経過観察
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矯正が終わっても、骨の成長が止まる15歳くらいまでは小さなワイヤーを装着する「保定観察」の期間に入る。子どもの場合は前歯の表側につけるが、これは親がワイヤーの脱落などに気づきやすくするため。子どもは、ワイヤーが外れた時の違和感にも気づきにくいので、親がフォローしやすくなる工夫も取り入れられている。保定期間の通院は、夏休みや冬休み、春休みなどが多い。
自由診療費用の目安
自由診療とは第1期矯正治療/16万5000円~38万5000円