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岩屋 美奈子 院長の独自取材記事

いわや小児科クリニック

(福岡市西区/姪浜駅)

最終更新日:2021/10/12

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姪浜駅南口より徒歩約2分、姪浜大通り沿いのメディカルビル・竹下2階に「いわや小児科クリニック」はある。院長を務める岩屋美奈子先生は、福岡市立こども病院をはじめ数多くの基幹病院で幅広い経験があるのはもちろん、障がい児を中心に療育サポートを行う療育施設の園長としての経歴もある。また、自身の子育て経験も生かして、保護者に安心して訪ねてもらえるような医院をめざしているという。今回、そんな岩屋院長のこれまでの経歴やそれをもとにした医院のスタンスなどについて聞いてきた。

(取材日2020年9月15日)

医師として、常に第一線で子どもの笑顔を守りたい

医師をめざすようになったきっかけはなんだったのでしょうか。

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小学生の頃に一人の働く女性として、科学者であるキュリー夫人に憧れていました。家庭をもち、子育てをしながらも社会の役に立つ研究に取り組む姿をめざしたいと思いました。高校生の頃には、人の心や気持ちの面に強く興味を持ち、文学部への進学を検討したこともありましたが、当時獣医師として活躍していた父の姿や助言、そして医師は患者との対話をもとに診療を行うのが大切だと思っていたことから、自分の得意分野や興味が生かされるのではないかと考え、医師をめざすことにしました。大学進学後、近代日本において初の女性医師といわれる荻野吟子さんが題材となった小説を読み、女性医師としての在り方をより深く考える機会がありました。そして、「女性医師に担当してもらえてよかった」と言ってもらえる科を専門にしたいと思い、小児科を専攻しました。

その後、多種多様な病院で幅広い経験を積まれたのですね。

九州大学病院や福岡市立こども病院、唐津赤十字病院をはじめさまざまな病院で、専門性の高い疾患から一般的な病気まで幅広い経験を積むことができました。印象に残っているのは、ライ症候群にかかられたお子さんを受け持った時のことです。病院に到着した時から意識がなく、とうとう脳死の判定をご家族に告げることになりました。医師としてできることがほとんどない中で、ご家族に付き添い、できる限りこまやかに、お気持ちをお聞きするように心がけました。最期のお見送りをさせていただいた後にお母さまから「ずっと先生に付き添ってもらえて本当にうれしかった。この子も幸せな時間を過ごせたはずです」と感謝の言葉を頂いたのがいまだに忘れられません。医師が現場で隅々まで診て関わっていくことが大切であるという、私の想いに深く影響を与えてくれました。

療育施設の園長先生のご経歴があることも伺いました。

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体や脳の発達に心配のあるお子さんや、家族を支援する市立の施設で、医師の見地を生かしながら、園長という責任職を初めて経験しました。そこではより良い子どもの発達を促すための治療的教育として、理学療法士や言語聴能訓練士、臨床心理士などさまざまな職種の専門家たちが係わっています。私の仕事は彼らをコーディネートしたりサポートすることが主で、また施設の運営や障がい者家族のために行政に要望書を提出したこともありました。確かな手ごたえを感じられる面もありましたが、直接患者さんと関わり、患者さんから信頼を寄せられる仕事をしたい気持ちがわいてきました。そんな時、ここ姪浜で開業するご縁に巡り合いました。

子育ての経験を踏まえた、親思いの医院をめざして

姪浜に開院された理由、そしてエリアの特徴を教えてください。

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1997年開業当初、姪浜は区画整理が終わったばかりで、小児科は特に少なく、しかも完全予約制であったために内科を受診するしかないという地域でした。また転勤族も多く、共働きの夫婦にとって、保育園の送り迎えだけでなく予約を取りながら病院通いをするというのは非常にハードルの高いことです。私自身も、2人の子どもを生後4ヵ月から保育園に預けながらずっと仕事をしてきたので、仕事が終わってから病気の子どもを抱えて、閉院寸前の病院に駆け込んだことは忘れられません。この地域のニーズと私の経験をもとに、急な病気の多い子どもの診療を予約なしで、また夕方18時30分まで受けつけるということが診療スタイルになりました。

一人の小児科医師としてこうありたい、という姿はありますか?

子どもは笑顔一つで、周りにいる人を癒やしてくれる尊い存在だと思っています。だからこそ、関わる人みんなで子育てをサポートし、ご両親には今しかないこの子育て期間の喜びや幸せを感じてほしいのです。私も働きながら子育てをしていた時は余裕がなく、子どもの寝顔が1日のご褒美でした。だからこそ、専門的な知識と母親としての経験を持つ医師、育児経験者として頼りたくなる医師でありたいです。ちょっとしたしぐさや変化を感じ取り、その成長をもっと楽しく思えるようなお手伝いを、日々の診療の中でしていきたいです。

気軽に来院できるような工夫をされているとか。

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自身の子育て経験などを振り返り、お子さんとご両親にとって一番良い方法を考えた結果、予約不要で18時半まで受診できるというスタイルに落ち着きました。勤務医として働きながら子育てをしていた時、仕事の終わりが見えないことも多く、都合をつけるのが大変でした。同じような思いをしている親御さんに一人でも安心して来院してほしいと思ったのです。また、子どもはいつ熱を出すか、体調を悪くするかなかなかわかりませんし、一刻も早く医院にかかりたいと思う気持ちがとてもわかります。だからこそ、当院では完全予約制という形はとらず、診療の時間割をつくって「一般診療の時間・健診の時間・予防接種の時間」と区切って対応をしています。

気軽にいつでも頼れる地域のホームドクターへ

先生ご自身の育児経験が診療に生かされていることはありますか。

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わが子に初めて薬を飲ませるという経験は、とても衝撃的でした。それまでは来院される親御さんに当たり前のように「お薬は1日3回食後に忘れずに飲ませてくださいね」と言っていました。病気で食欲がなかったり不機嫌な子どもに嫌な味の薬を飲ませるためには、あれやこれやと好きな食べ物に混ぜてみたり、優しく言い聞かせたり叱ったり。母親が家事をこなし、子どものための食事を作りながら、その上一生懸命に工夫して薬を飲ませることって、なんて大変なことなんだろうと初めて気がついたのです。高熱が続き、医師として客観的には病気の経過はわかっていても、親としては心配で不安が募るということもありました。こんな子育てのいろいろな経験があったからこそ、親御さんの気持ちや負担を解消してあげれるような助言やサポートができているのかもしれません。

積極的な情報発信にも力を入れられているようですね。

医療や子育てについて、ネットでもマスコミでもいろいろな情報が出回っていますが、びっくりしたり呆れたりすることも多いです。そこで、エビデンスに沿った内容を直接提供したいという想いで、ホームページでの情報発信を行っています。その時々にはやっている病気や社会的に注目されている感染症など、広く扱うようにしています。また、日々の診療の中でもいろいろと情報共有ができればと思っていますので、直接診療に関わらないことについても相談してほしいです。例えば、近頃私が特に心配しているのは、隠れ便秘で悩むお子さんが増えていることです。真夏や真冬、感染症対策でお外で遊べないことによる運動不足が主な原因。おなかが痛くなったり便意があまりなかったりと悩んでいるお子さんもいます。一度便秘になると、癖になって何度も苦しむ悪循環に陥ることもあるので、気軽に相談に来てほしいです。

最後に、読者の方にメッセージをお願いします。

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子どもは痛みや不安をうまく表現できません。でも、目の前で泣いている患者さんが常日頃から診ているお子さんであれば、熱は高くても元気はあるから心配ないとか、反対にいつもと違う、何かおかしいと気づくことができます。かかりつけの医師として、お子さんの全身状態や病状の経過、また体質や持病などから、重篤な疾患か否かを見抜いて、早めの対応をすることが大きな役割だと思っています。また、子どもはどんどん成長していきます。発育や発達が遅めでも、ご家庭でできることなどをアドバイスしながら経過を見ていくことも大切です。そういった点からも、日頃からお子さんのことをよく知っておいてもらえるかかりつけ医をぜひつくってください。医者も人間、相性があると思います。クチコミで判断するのではなく、信頼できて相談しやすい、受診しやすいなどご自身の目で判断してほしいです。

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