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城田 京子 理事長の独自取材記事

いつきウィメンズクリニック

(福岡市中央区/西鉄福岡(天神)駅)

最終更新日:2020/12/29

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生理(月経)痛は気持ちの問題……そんな風潮が変わり始めている。婦人科の治療に低用量ピルの使用が認められた、その頃から月経痛や子宮内膜症に向き合い、時代の変遷を感じてきたのが「いつきウィメンズクリニック」理事長、城田京子先生だ。「生理に振り回されず、うまくコントロールして生活してほしい」という言葉は、数々の手術や患者の悩みと向き合ってきた理事長の切なる願いとも言える。同院は天神の喧騒を感じさせない、静かで落ち着く空間。患者同士の視線が合いにくい造りになっていたりと、足を運びやすい工夫がなされている。朗らかな声と表情が印象的な理事長に、大学病院時代に感じたジレンマ、そしてすべての女性に伝えたい思いなどをじっくりと語ってもらった。
(取材日2020年11月30日)

月経痛は大したことない、という思い込みを払拭したい

先生が医師をめざしたきっかけをお聞かせください。

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ありきたりなんですが、自分が子どもの頃に入院し、そこで医療を目の当たりにして興味を持ったことがきっかけです。薬剤師、看護師とも迷いましたが、当時友人から「あなたは化学式の点数が良くないんだから薬学部はだめよ」と言われて(笑)。ならば看護師か医師だとなった時に、入院時の主治医の先生に相談をしたところ、「決定権があるほうが楽しいよ」とアドバイスをいただいたんです。その言葉の意味が本当にわかったのは、40歳を超えた頃でした。医師になりたての頃は先輩の先生についていくので精一杯でしたが、経験を積み、自分が判断する側に立つと「こういうことか」と実感しました。同時に責任も伴いますが、その重みを教えてくれた先生とも2年ほど前に再会し、「先生のおかげで今こうやって医師をやっています」とお礼を言うことができました。

すてきなエピソードですね。医師になってから感じた環境の変化などはありますか?

腹腔鏡手術も行ってきた中で、子宮内膜症では手術だけでは対処しきれないと思える症例も多数見てきました。そういう時に活用するのが、低用量ピルなどのホルモン剤です。中でもピルは、避妊用に公に認められたのが1999年、月経困難症の治療薬として使用できるようになったのが2008年。自分が医師として歩んできた中で、ピルの扱いも劇的に変わり、患者さんに処方しやすくなりました。20年前は、子どもができないと思って調べてみると、かなり子宮内膜症が進行してしまっている……ということもあるような時代でした。その頃に比べるとかなりピルについて認知されてきています。やっと道半ばまで来たと思いますし、同時にまだ発展途上だとも思いますね。

確かに「月経は痛いものなんだ」という風潮はありますよね。

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まさにそこが課題です。今でこそ月経痛がつらいからクリニックに行こう、と思ってくれる方は増えてますが、まだまだ我慢している人は多いんです。「月経痛はみんなある」「痛みは気合で乗り越えられる」なんて意見にさらされ、女性なのだから仕方ないと引け目を感じているうちに、体の中では子宮内膜症が進行してしまうこともあり得ます。痛みは他人とは比較できませんが、過去の自分とは比較できますよね。「10代は月経痛がなかった」「夜用ナプキンを昼も使うようになってきた」「5年前より痛み止めを飲む頻度が増えている」などの変化に気づいたら、どうか少しでも早く、婦人科の門を叩いてほしいんです。これは子宮内膜症の手術をたくさん行ってきた立場だからこそ言いたい言葉です。痛みがあることは、普通じゃないんです。

気軽に体のケア・相談ができる場所でありたい

自分のものさしで勝手に決めつけないということですね。

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そうですね。インターネットが発達した今感じるのは、例えば「ピル」を検索したい時に「ピル 副作用」と付け足してしまうことによる誤解などの危険性です。ピルだけで調べればどのような病気・症状にどう作用するのかがフラットにわかることも多いのですが、余計な単語があることで検索結果が狭まってしまい、情報に偏りが生じてしまうことにも。オリンピック選手などはコンマの記録がメダルの色を決めてしまう世界で生きています。そういう選手こそ、海外であればピルを適切に服用して、自分の体をコントロールしています。こういった情報を客観的に、専門家としてお伝えできるのが、私たちのようなクリニックの医師の役目だと感じます。

内膜症は診断までに数年かかると聞きました。誤った情報に患者さんが飲み込まれないようにしていきたいと。

おっしゃるように、内膜症は病変がはっきりと見えてくるまで7〜8年かかるといわれてます。はっきりと病変がなくても、重症化予防の観点から受診することはとても大切です。特に10代でも月経痛が強い場合はピルなどのホルモン療法をお勧めしています。本当に時代が変わりましたよね。大学病院はやはり手術をするような重症な方がいらっしゃる場所で、大学病院にいた頃に「こういうことをやりたかっただろうか?」と自問し、「いや、そうじゃないだろう」と思ったんです。いつでも患者さんが来てくれて、何でも相談できる、そんな患者さんに一番近い“防波堤”になりたかったのではないかと気づき、大学を後にしました。若いうちから体のメンテナンス・ケアを、年に1回でいいから気軽に行える場所。それがこのクリニックであってほしいと思います。

クリニック体制や、現在通っている患者さんの層などはいかがでしょうか?

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火曜日と木曜日は鋤本祥子先生にも来ていただき、2人体制で診療を行っています。患者さんの中には、大学病院時代からお付き合いさせていただいている方もいますよ。同じ先生だと安心だと感じてくれているのでしょう。そういう方の中には、お子さんを出産されたことも、親御さんのことも存じ上げている方もいて、まるで親戚のように感じます。土地柄もあってか、年齢層も幅広いです。20〜30代のオフィスワーカーの方もいますし、年配の方もいらっしゃいます。西鉄福岡駅が近いですから、西鉄天神大牟田線の終点である大牟田から、県を縦断して足を運んでくださる方もいるんですよ。お悩みも、月経痛にとどまらず、子宮脱などまで年齢に応じてさまざまですね。

生理で悩まず、女性が生きやすい環境に整えていく

幅広い層の方に信頼されているのが伝わります。話は変わりますが、内装もとてもおしゃれですよね。

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2年ほど前に改装をしました。待合室とドアの間にはすりガラスを設けて、中が直接見えることはないですし、おしゃれだと言ってもらえる窓際のカウンターも、患者さん同士が顔を突き合わせないようにと思ったんです。ああやって外を向いていると、気晴らしにもなりますし、入ってきた方と必然的に顔を合わせない状態になりますから。知らない方とばっちり目が合って気まずい、なんてこともないですからね。他にも間接照明を取り入れたり、子どもさんが喜びそうな絵を飾ったりと、居心地の良い空間になるよう工夫しています。

配慮が行き届いていると感じます。婦人科ですと内診に抵抗がある方もいらっしゃるのでは?

そうですね。ですからまず、産婦人科での診察の経験があるかを確認しますし、経腟エコーの場合はどういう仕組みになっているかを説明します。経腹エコーもありますから、10代の若い方であればそちらを使用しますし、まずはご本人の希望をお聞きします。ただ、情報量で言えば圧倒的に経腟エコーのほうがいいでしょう。当院では漢方薬も取り扱っていますが、ホルモン剤にしろ漢方薬にしろ、患者さんに選択肢を提示することが大事だと考えます。それぞれのメリット・デメリットを理解していただいき、症状の変化があるならそれらも踏まえた上で、ご自分の生活に合うのはどのやり方なのか、患者さん自身にも考えて、選んでもらっています。

最後に、読者へのメッセージをお願いいたします。

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行きつけのコーヒーショップがあるような感覚で、クリニックには気軽に来ていただきたいのです。雰囲気が良いとか、過ごしやすいとか、そういう小さなことでいいんです。私もここまで生きてきて閉経世代にもなりましたから、一通りの女性の悩みも経験しました。医師としても人生の先輩としても相談に乗れると思いますので、一人で悩まずに気軽に足を運んでほしいと思います。本当に「今日は先生に会いに来ただけ」とかでも大丈夫なんですよ。生理に振り回されるのではなく、うまくコントロールしながら、生きやすくなっていただければ、こんなにうれしいことはありません。どうぞかしこまらずに、いつでも来院してくださいね。

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