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福井 毅顕 先生、大倉 裕子 先生、今本 龍 先生の独自取材記事

ふくい内科クリニック

(米子市/東山公園駅)

最終更新日:2024/02/27

福井毅顕先生、大倉裕子先生、今本龍先生 ふくい内科クリニック main

米子市の上福原にある「ふくい内科クリニック」は糖尿病や腎疾患、訪問診療に注力するクリニックだ。インタビューに答えてくれたのは、福井毅顕院長と、姉の大倉裕子先生。福井先生は腎臓内科、大倉先生は内分泌代謝・糖尿病が専門だ。2人とも予防と健診の大切さを語り、大倉先生は「生活習慣病の予防は子どもの頃からの食育が大切」と子どもの将来に向けた予防を訴える。福井先生は大学病院で透析治療に通う高齢患者の大変さを数多く見てきた経験から、「患者さんの負担を減らしたい」と訪問診療や腹膜透析に力を入れる。そして、2023年4月からは、新たに消化器内科と内視鏡検査を専門とする今本龍先生が加わり、体制と対応範囲が拡充した。そんな同院の特色や今後について話を聞いた。

(取材日2021年1月28日/更新日2023年8月1日)

専門分野の医師が複数在籍するクリニック

クリニックの概要からお聞かせください。

福井毅顕先生、大倉裕子先生、今本龍先生 ふくい内科クリニック1

【福井先生】当院は6年前に開院し、一般内科に加えて内分泌、糖尿病、腎臓をそれぞれ専門とする複数の医師が在籍し、総合病院的な性格を持つクリニックです。二診制をとっていて、常勤医の担当は大倉裕子先生が糖尿病、甲状腺、一般内科、私が腎臓、透析、一般内科、エコー検査、そして今本龍先生が消化器内科、胃・大腸内視鏡検査となります。水曜日の午前中は、鳥取大学医学部附属病院から来ていただいている糖尿病や内分泌が専門の医師が診察しています。また、専門スタッフによる食事や生活の指導、訪問診療や往診にも対応していて、在宅療養支援診療所として24時間365日のサポート体制を整えています。

クリニックの特色を教えてください。

【福井先生】糖尿病に関して専門的な診療を提供していることです。当院には日本内分泌学会内分泌代謝科専門医、日本糖尿病学会糖尿病専門医が在籍しています。さらに糖尿病が悪くなると、腎臓のろ過機能が低下して糖尿病性腎臓病を発症する人もいます。私は腎臓を専門としているので、一つのクリニックの中で糖尿病と腎臓を診療できることは患者さんにとっても大きなメリットかと思います。大きな病院だと、糖尿病と腎臓内科のそれぞれに通わなければいけませんからね。当院には透析設備はないのですが、透析になったときにどのような種類があり、どのような人生になるのか、看護師さんにも協力してもらって患者さんにアドバイスをしています。

医師やスタッフの間でしっかりと連携されているのですね。

福井毅顕先生、大倉裕子先生、今本龍先生 ふくい内科クリニック2

【福井先生】はい。患者さんは、一人ひとり異なる背景をお持ちです。糖尿病や高血圧といった生活習慣病、腎臓病による動脈硬化などの合併症について、連携を取りながら各専門の医師がそれぞれの患者さんの現在の状態を専門的立場からわかりやすく説明することを心がけています。
【大倉先生】当院には管理栄養士や糖尿病療養の専門知識を持つスタッフたちが在籍し、患者さんの食事や生活のアドバイスから、糖尿病の薬の管理と調整、インスリン注射の打ち方の指導まで丁寧にフォローしてくれています。また、院内で健康教室を積極的に開催し、医療や糖尿病についての情報を広く発信したいと思っています。院外の連携では、鳥取大学医学部附属病院の医師による外来を設置しているほか、私自身も同大学病院で週に1回、診療や検査を行っています。同大学病院との連携もスムーズと思いますし、その他の近隣クリニックや総合病院との連携体制も築いています。

在宅医療に力を入れ、腹膜透析にも対応

福井先生は日本腎臓学会腎臓専門医ですが、クリニックのドクターでは珍しいのでは?

福井毅顕先生、大倉裕子先生、今本龍先生 ふくい内科クリニック3

【福井先生】大学病院の医局の雰囲気や、学問としての興味から腎臓を専門にしたのですが、腎臓内科の医師はとても少なく、大学病院でも重宝がられましたね。当院の腎臓内科では、透析に至るまでの間はしっかりと管理させてもらい、大きな病院での検査や、透析内科で治療が必要になった場合は都度紹介をしています。ただ、腎臓が悪い人は高齢の方が多いのですが、車いすが必要なくらいつらい状態での通院は本当に大変です。特に血液透析の場合、週3回必ず通わなければなりません。当院の場合、そういった通院が困難な患者さんに対しては訪問診療も行っていて、在宅でも透析治療ができる腹膜透析も選択肢として用意しています。

大倉先生のご専門について教えてください。

【大倉先生】内分泌代謝が専門です。2020年12月までの2年間はアメリカで非アルコール性脂肪肝炎の臨床と研究に携わり、肝臓の機能や脂質代謝の研究から全身の糖代謝について理解を深めることができました。糖尿病は「膵臓から分泌されるインスリンの働きが低下することで起こる」ことはご存じの方も多いと思いますが、その前段階では、肝臓や筋肉などの全身の機能が血糖を下げようと働きかけているんです。実は血糖が上がっている状態は、そんな全身の機能をもっても、代償をしきれなくなった状態。糖尿病も含めた生活習慣病は初期の段階で手を打つことで、合併症が起こりにくくなり良い経過が見込めます。症状がない中で、食生活の改善や運動などを継続することはモチベーションを上げにくいのですが、進行すると通院やお薬などが増えて患者さん自身が大変になるので、納得いただけるようしっかりお話しすることを心がけています。

内分泌系疾患には甲状腺や副腎の病気も含まれるのですね。

福井毅顕先生、大倉裕子先生、今本龍先生 ふくい内科クリニック4

【大倉先生】甲状腺疾患は女性に多く、妊娠・出産をきっかけに見つかったり、発症したりする人がいます。実際に婦人科クリニックからの紹介も多く、甲状腺ホルモンのコントロールが必要な妊娠・周産期の患者さんも多いです。甲状腺や副腎はあまりなじみがないかもしれませんが、自覚症状としては、甲状腺疾患では動悸、体重減少やむくみ、脱毛といった症状があります。山陰には甲状腺や副腎疾患を専門とする医師が在籍するクリニックは少ないので、複数の病院やクリニックの婦人科と連携して診療しています。当院は、女性医師が在籍しており女性が気軽に相談をしていただける環境だと思います。「甲状腺が腫れている」といった不安がある方は一度ご相談ください。

大切なのは予防と健診。今後は地域への啓発にも注力

新たに、消化器内科診療が開始となったそうですね。

福井毅顕先生、大倉裕子先生、今本龍先生 ふくい内科クリニック5

【今本先生】はい。福井先生と同じ、鳥取大学の第二内科に所属し、大学病院のほか、安来市立病院をはじめとした地域病院で勤務していました。腹痛や食欲不振、胸やけ、便秘といった相談のほか、内視鏡検査にも専門性を持って対応していきたいです。がんは自覚症状のないことも多く、定期的な検診による早期発見・早期治療が重要になります。当院では径の細いカメラや、大腸の検査では検査後のおなかの張りを軽減できる炭酸ガス送気装置などの先進の機器を導入し、患者さんの負担の少ない検査をめざしています。気軽にご相談いただけたらうれしいです。

それぞれの診療科のことで、読者に知ってほしいことはありますか?

【福井先生】腎臓は「沈黙の臓器」といわれ、病気が進行するまで自覚症状がありません。腎臓の機能は低下してしまうと基本的に回復することはありません。健診で尿タンパクを指摘されたら、必ず専門の病院で検査してください。また、高血圧や糖尿病といった基礎疾患がある人、ご高齢の方で降圧剤を飲んでいる方は夏場の脱水で腎機能が低下する恐れがあるので、生活習慣を整えることも重要です。
【大倉先生】糖尿病の予防には食生活が大切。その基本をつくる子ども時代の味覚や食育は大事です。お忙しいかと思いますが、お子さんのお手伝いの機会を作ってあげてほしいです。自炊ができる人は糖尿病のリスクも低くなりますよ。
【今本先生】あとはやはり定期的な健診。要精密検査の結果が出た場合は放置せずに早めに受診してほしいです。早期治療が鍵となる病気も多いので、早めに手を打つことが大切です。

今後の展望についてお聞きします。

福井毅顕先生、大倉裕子先生、今本龍先生 ふくい内科クリニック6

【大倉先生】クリニックをもっと患者さんが利用しやすい空間にしていけたらと思っています。例えば、発熱患者の対応。新型コロナウイルスの流行時は電話対応・車中診療を徹底していましたが、これからは「抗原検査の実施」を前提として、患者さんの体調や要望に応じて院内で診察するなど、感染対策に留意した上で柔軟に対応していきたいと考えています。
【福井先生】さらに、看護スタッフの拡充やクリニックの建て替え工事のほか、今本先生のような専門医師にご協力いただきながら、クリニックの環境や体制を強化することで、より幅広い領域をカバーし地域医療を支えていきたいです。

自由診療費用の目安

自由診療とは

人間ドック/3万円、甲状腺総合検診/7000円、糖尿病総合検診/5000円、腎総合検診/5000円

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