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寝たきり・認知症の予防にも
早期検査・治療で抑える骨粗しょう症

いくま整形外科

(西宮市/洲先駅)

最終更新日:2023/12/01

いくま整形外科 寝たきり・認知症の予防にも 早期検査・治療で抑える骨粗しょう症 いくま整形外科 寝たきり・認知症の予防にも 早期検査・治療で抑える骨粗しょう症
  • 保険診療

骨量の低下や骨質の劣化によって、骨折のリスクが高まる骨粗しょう症。女性ホルモンが急激に減少する閉経後の女性に非常に多いとされるが、60代~70代以降の男性にも起こり得る病気だ。軽い衝撃で骨が折れる、気がつかないうちに圧迫骨折に至る「いつの間にか骨折」などは、骨折そのものがQOL(生活の質)を低下させるのはもちろん、安静にすることで筋力低下を招き、寝たきりや認知症へとつながる可能性もある。西宮市にある「伊熊整形外科」では、院長就任のタイミングで新たに骨密度測定装置を導入し、WHOが出している骨折リスク評価を使って今後10年間の骨折率を評価。骨粗しょう症の早期発見・治療に力を入れている。同院の伊熊孝紘院長に、骨粗しょう症とはどのような病気なのか、同院で行っている治療について解説してもらった。

(取材日2022年12月13日)

寝たきり・認知症にもつながる骨粗しょう症。早期検査・適切な対処で骨折リスク低減へ

Q骨粗しょう症とはどのような病気なのでしょうか。
A
いくま整形外科 自覚症状のない骨粗しょう症は、早期の検査が必要だ

▲自覚症状のない骨粗しょう症は、早期の検査が必要だ

骨の量が減って骨の内部がスカスカになったり、骨の質が低下して骨が弱くなったりしている状態が骨粗しょう症です。その原因は加齢、ビタミンD・Kの不足など食・運動習慣などさまざまですが、1つには骨を強くする女性ホルモンの一種であるエストロゲンの減少が大きく関わっています。治療をせずに放置すると、軽い転倒でも骨折してしまう恐れがあり、気がつかないうちに背骨がつぶれる圧迫骨折、いわゆる「いつの間にか骨折」などが発生するリスクが高まるのはもちろん、それらが原因で要介護・寝たきり状態、認知症などにつながっていく可能性も。健康寿命延伸の観点からも、骨粗しょう症の早期検査・診断、治療は非常に大切だと考えます。

Qどのような人を骨粗しょう症検査の対象者としていますか?
A
いくま整形外科 DEXA法骨密度測定装置で骨密度の測定を行う

▲DEXA法骨密度測定装置で骨密度の測定を行う

特に女性はエストロゲンの分泌量が急激に減る閉経後はもちろん、閉経前であっても更年期症状を自覚されている方は検査をお勧めします。当然、男性も60代・70代になったら検査をご検討いただきたいですね。また転倒やしりもち、身長以下の高さから転倒し骨折したことがある方、血縁者に骨粗しょう症の人や大腿骨骨折の経験者がいる方、身長が若い時から2センチ以上縮んでいる方、圧迫骨折の疑い・診断を受けた方なども検査対象者といえるでしょう。当院では骨密度測定装置にて腰椎・大腿骨の2ヵ所の骨密度を測定し、必要であれば、血液検査、圧迫骨折がないかを調べるためのエックス線検査による腰痛画像診断も行って治療方針を決定します。

Qこちらではどのような骨粗しょう症治療を受けられますか?
A
いくま整形外科 同院では薬物療法だけでなく食事と運動指導も行っている

▲同院では薬物療法だけでなく食事と運動指導も行っている

薬物療養を中心に、食事指導や運動指導なども行います。薬物療法は内服薬や注射などさまざまな種類の中から、骨密度や血液検査の結果をもとに適した薬剤を決定するテーラーメイド治療です。採血では、体内のビタミンD・Kの量も確認し、ビタミンD不足分はお薬で補い、ビタミンK不足は納豆を1日1パック食べてもらったり、ビタミンKが豊富な食品とそのレシピを紹介する冊子をお渡しするといった日常生活に取り入れやすい指導を行います。運動に関しては、ウォーキングや、階段の上り下りなど、特に高齢の方なら定期通院だけでもいい運動に。ビタミンD生成のための日光浴も兼ねて、ご自身の足でご来院いただくと良いのではないでしょうか。

Qなぜ治療が必要なのか、その重要性について教えてください。
A
いくま整形外科 高齢化が進む中で骨折のリスク低減をめざすことが求められる

▲高齢化が進む中で骨折のリスク低減をめざすことが求められる

高齢化が進む今、整形外科領域の病気やケガがきっかけで体が弱っていくケースは少なくありません。例えば「骨折が原因で動けず筋力が低下した」「圧迫骨折の痛みや胸のつかえで今までどおりに食事ができない」などからフレイル、心肺機能の低下や摂食嚥下障害に陥り、認知症や寝たきりへとつながっていく可能性もありますし、大腿骨など骨折部位によっては以前のように歩けなくなる方もいらっしゃいます。あらかじめ骨粗しょう症のリスクを知り、適切な治療に取り組むことが重要です。現在は良い治療薬も多数開発されており、治療継続で骨折リスクの低減をめざすことができるため、まずは検査を受けることから始めていただきたいですね。

Q日々の生活で取り組める骨粗しょう症予防はありますか?
A
いくま整形外科 まずは自分の骨の状態を知ることが重要だと語る伊熊院長

▲まずは自分の骨の状態を知ることが重要だと語る伊熊院長

ビタミンKやカルシウムの摂取、日光浴や服薬によるビタミンD不足の解消、そして、定期的な運動を若いうちから継続していくことです。特に女性はホルモンの関係で骨粗しょう症リスクが高まるので、閉経前から意識して取り組むと良いでしょう。また、高齢の方に見られる背骨の曲がりは骨粗しょう症が原因のものもあり、一度曲がってしまえば基本的には元には戻りません。年齢を重ねても背筋がピンと伸びていると若々しく見えるので、骨粗しょう症対策は見た目にも良い影響を与えてくれると私は考えています。当院では検査時、今後10年以内の骨折リスク評価もお渡ししていますので、ご自身の骨が現在どのような状態かを知ることができます。

ドクターからのメッセージ

伊熊 孝紘院長

骨粗しょう症には自覚症状はなく、「骨には自信あり」という患者さんが検査を受けたら、骨密度が低かったということも少なくありません。それほど進行していない段階でしたら治療にかかる労力も少ないですし、早いうちから生活習慣の改善と治療を継続していけば、骨密度の低下スピードの抑制と骨折リスクの低減をめざせます。例えば圧迫骨折は安静にしていても、起き上がるだけでさらに骨がつぶれるリスクがありますし、安静にしていれば筋力低下や認知症など別の問題が発生することもあります。当院では骨密度測定はもちろん、ビタミンの項目まで見る採血なども含めた精密な診断と治療を提供しておりますので、気軽にご来院、ご相談ください。

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