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伊熊 孝紘 院長の独自取材記事

いくま整形外科

(西宮市/洲先駅)

最終更新日:2026/04/21

伊熊孝紘院長 いくま整形外科 main

西宮市上田西町。団地やマンション、戸建て住宅などが並ぶ町で、30年以上の長きにわたり地域に根差した診療を続ける「いくま整形外科」。2022年4月に現・理事長である伊熊貢秀先生から同院を継承し、院長に就任したのが息子の伊熊孝紘先生だ。日本整形外科学会整形外科専門医の資格を持ち、兵庫医科大学病院、西宮回生病院、聖和病院、宝塚市立病院などでの経験を生かして、患者一人ひとりのニーズに寄り添った質の高い医療を追求している。穏やかな話し方から、裏表のない真摯な姿勢で患者と向き合うドクターであることがうかがえる。プライベートでは2児の父親でもある伊熊院長に、診療に対する思いや力を入れている分野について語ってもらった。

(取材日2025年12月22日)

コンセプトは「ずっと歩ける未来を、地域の皆さまと」

継承から約3年半。医院の成り立ちと今の思いをお聞かせください。

伊熊孝紘院長 いくま整形外科1

当院は父が1988年に開業しました。ちょうど武庫川団地などが近隣に建ち始めた時期で、町の整形外科医院として受け入れていただき、長年にわたって地域に根差した診療を続けてきました。2022年4月に私が2代目として父から医院を継承しました。私自身も西宮に生まれ育ち、小さな頃から父の背中を見て医師になりたいと思っていて、早い段階から父の後を継ぎたいと思っていたので、自然な流れだったと思います。継承から約3年半が経過しましたが、「お世話になった地域に恩返しをしたい」いう思いから、地域の皆さんの健康を支える「かかりつけ医」として歩みを進めてきました。武庫川団地・西宮エリアにお住まいの方が、肩・腰・膝の痛みや体の健康への不安を感じたときに、まず相談していただける存在でありたいと考えています。

先生が思い描く医院のかたちなどはありますか?

「ずっと歩ける未来を、地域の皆さまと」が当院のコンセプト。自分の足で長く歩けるように、健康寿命を延ばすため、積極的に予防と治療に力を入れていきたいと考えています。当院は標榜科目の整形外科・リウマチ科・リハビリテーション科の他にも、切創(切り傷)、挫創といった外傷の治療を行う一般外科、各種健康診断や新型コロナウイルス感染症、インフルエンザや肺炎球菌などの各種予防接種にも対応しています。また、高血圧や高脂血症などを対象とした一般内科も診療しています。地域の医療機関とも連携しており、より専門的な診療が必要な場合には適切な医療機関をご紹介しています。「こんな症状のときには何科へ行けば良いのだろう」と悩むこともあると思うのですが、“身近に相談できるかかりつけ整形外科”として、気軽に相談していただけるような場所でありたいですね。

患者さんと接する際に先生が大切にしていることは何ですか?

伊熊孝紘院長 いくま整形外科2

できるだけわかりやすく説明をするということですね。私は特にデータを出すことを重要視していて、画像や数字、模型などを使いながら患者さんに説明します。そのほうが患者さんも理解しやすいと思うんです。また、患者さんの言葉が治療のヒントになることもあるため、どんな些細なことでも患者さんが話しやすい雰囲気づくりも心がけています。当院には、看護師、放射線技師、理学療法士、看護助手、リハビリ助手、受付など多数のスタッフがいますが、みんな明るい方ばかりで、クリニック全体がとても良い雰囲気です。小さなお子さんから高齢の方まで幅広い年齢の方が来院しますが、皆さんに対して心のこもった質の高い医療を提供していきたいと思います。

骨粗しょう症の予防・治療に注力し、健康寿命の延伸を

先生は骨粗しょう症の予防・治療に力を入れていると伺いました。

伊熊孝紘院長 いくま整形外科3

はい、長く自分の足で歩くために、特に大切なのが骨粗しょう症の予防と治療だと考えます。女性では60歳で3人に1人、70歳では2人に1人が骨粗しょう症になるとの報告もあり、決して特別な病気ではありません。骨が弱くなると、咳やくしゃみ、重いものを持つなど軽い衝撃で起こることもある圧迫骨折や、転倒をきっかけに起こる大腿骨の骨折が増えます。背骨が押しつぶされてしまう圧迫骨折を繰り返すと背中が丸くなり、身長が縮み、姿勢が崩れることで腰や膝にさらに負担がかかりやすくなります。大腿骨骨折は手術や長期入院が必要になることも多く、寝たきりや介護が必要な状態につながりやすく、ご本人だけでなくご家族の介護負担も大きくなる、健康寿命を大きく左右する骨折です。

だからこそ、「早く発見して、早く対策を始めること」が大切なんですね。

当院では、短時間で精密に骨の強さを測定できるDEXA(デキサ)法による骨密度検査を導入しています。腰椎と大腿骨近位部の両方を測定することができるため、かかとや手首だけで測定するよりも適切な測定が可能です。骨粗しょう症は自覚症状が出にくい病気だからこそ、痛みが強くなる前、骨折を起こす前の段階で見つけることが重要。検査自体は最短5分程度で負担の少ないものです。閉経を迎えた女性や、60歳以上の女性で一度も骨密度を測ったことがない方、男性の場合は70歳以上の方は一度検査を受けることを推奨しています。検査結果はその場でお伝えし、骨折を防ぐための生活の工夫や、今後どのように骨を守っていくかを、できるだけわかりやすくご説明します。「今、自分の骨がどんな状態かを早めに知ること」が、将来の骨折予防と健康寿命の延伸、そしてご家族の負担軽減にもつながります。

骨粗しょう症の予防と治療についても教えていただけますか?

伊熊孝紘院長 いくま整形外科4

当院ではWHOが出している骨折リスク評価を使い、今後10年間での骨折率が何%くらいなのかを推定し、患者さんにお伝えしています。その上で、骨密度検査と血液検査の結果と併せて、骨折リスクが高いと考えられる方には治療をお勧めします。当院では推定した骨折率に応じて複数の薬を使い分けていて、患者さんに合うようにご本人とも相談しながら治療を進めていきます。ビタミンDをはじめとするビタミン系やカルシウムをどれくらい摂取できているかを確認し、薬だけでなく食生活や運動の指導も並行して行います。骨粗しょう症の方は、転ばないように注意が必要ですが、安静にしていれば良いかというとそうではありません。体を動かさないでいると、かえって骨折を起こしやすくなってしまうので、外に出て歩くことをお勧めしています。通院の頻度や金銭面なども考慮し、患者さんに合わせたオーダーメイドの治療を行っていますので、お気軽にご相談ください。

患者にとって親しみやすく良き相談相手でありたい

最近は痛みの相談も増えているそうですね。

伊熊孝紘院長 いくま整形外科5

整形外科で診る多くの痛みは、普段の姿勢や動作の癖とも深く関係しています。スマホやパソコンによる前かがみ姿勢、長時間の座り仕事、歩き方の偏りは、知らないうちに肩・腰・膝への負担を増やします。 そこで当院では、エックス線画像撮影などを含む医師による診療、評価に加え、必要に応じてリハビリテーションを提供しています。理学療法士が姿勢や歩行を丁寧にチェックし、一人ひとりに合わせた運動をご提案します。負担の軽い筋力トレーニング、腰や膝に負担をかけにくい動作のコツ、骨粗しょう症の方でも行える運動など、「無理なく続けられること」を大切にしたプログラムです。

長引く痛みに対して、体外衝撃波装置も導入しているとお聞きしました。

当院では、体外衝撃波装置などの先進の機器も導入しています。肩や腰などの慢性的な痛みや、いわゆる難治性といわれる足底腱膜炎や腱鞘炎などの痛みに対して、体外衝撃波を用いた新しいアプローチが可能になりました。「手術まではしたくない、でも今の痛みを何とかしたい」等のお悩みに対して、従来のリハビリテーションと組み合わせながら対応の幅を広げています。

読者へのメッセージをお願いします。

伊熊孝紘院長 いくま整形外科6

「背中が丸くなってきた」「歩くと膝や腰が痛む」「身長が縮んだ」など小さなサインも、早めに相談することが将来の大きな不安やご家族の負担を減らす第一歩になります。整形疾患は命に直接関わらないからと後回しにする人も多いですが、認知症や誤嚥などとも関連しており、生活の質に直結します。地域の皆さんが「自分の足で元気に歩き続けられる人生、そして健康寿命を少しでも長く保てる未来」をめざし、いくま整形外科は、これからも先進の医療と温かい診療で、患者さんとご家族の暮らしに寄り添い続けます。