足の爪が食い込んで痛いのは巻き爪かも。爪を切らずに矯正することが重要

Q整形外科で巻き爪の相談ができることを初めて知りました。

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▲「巻き爪矯正をぜひ知ってほしい」と話す院長

巻き爪というと、皮膚科や形成外科での治療を考える方も多いでしょうが、当院のように整形外科クリニックでも治療は可能です。私は病院勤務時代、特に足と肩を専門的に診察してきたことから、開業後に巻き爪治療を取り入れました。当初は爪の周囲が皮膚に食い込んでいる部分を切る処置をしていたのですが、ある患者さんから「爪の幅が狭くなってしまう」と言われ、切る治療から爪を残して矯正する方法に切り替えました。時間はかかりますが、元の爪の幅を残したいと希望される患者さんにはお勧めです。長年巻き爪の症状に悩んでいて「切る治療しかない」と考えている重症の患者さんにこそ知っていただきたいですね。

Q爪の周囲に肉が食い込んでしまう症状もあると聞いたのですが。

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▲爪を短く切りすぎることで、症状が悪化する場合もある

爪の切り残しや、爪先が伸びて白い部分が増えることなどが気になって、ご自身でどんどん爪を切り込んでしまう方は少なくありません。しかし、足の爪には皮膚を押さえる役割があるため、押さえるものがないと下から皮膚が盛り上がってきてしまいます。過剰に盛り上がった皮膚は脆いため、こすれると出血しますし、目に見えないところに残った爪がトゲのように刺さることで痛みも出てくるでしょう。中でも足の親指は最も体重がかかるため、こうした症状に見舞われることが多くなります。爪を短く切りすぎることでこのような悪循環が生まれ、やがて爪が変形してしまい、自分で爪を切ることも難しくなってしまいます。

Q巻き爪を切る治療を受けると生活に支障はありますか？

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▲患者自身で切れない部分まで丁寧に治療を行う

爪をどこまで切るかによって影響は異なります。患者さん自身ではしっかり切れない部分まで治療できれいに切り、その後に皮膚が盛り上がってこないようにテーピングをすればさほど支障はないでしょう。ただし切り残しがあると、爪の横幅が狭くなって爪が中途半端に生えてきてしまい、それが皮膚に刺さってまた痛みを感じるようになる、歩く際に爪が肉を押さえ込めなくなることで踏み込みがしにくくなる、数週間後に再度切らなければならないといったリスクが考えられます。また、爪の横幅が狭く見た目が悪くなるのではと気にされる方も多いようです。

Q手術をしたくない方の治療を積極的に行っているそうですね。

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▲患者の希望や症状に合った治療法を提案

当院では切らずに爪を残すための保存的治療として矯正を提供しています。方法としては、曲がった爪の2ヵ所に穴を開けて弾性ワイヤーを通し、ワイヤーの元に戻ろうとする力を利用する「超弾性ワイヤー法」、あるいは爪に穴を開けずに矯正用のフック式ワイヤーで曲がった爪を持ち上げて矯正をめざす「弾性ワイヤー治療」、アクリル製の人工爪をつけて理想的な状態にして痛みの除去につなげる「人工爪治療」、シリコンチューブを爪に装着する「ガター法」を行っています。これらの方法を、患者さんの希望や症状に応じて組み合わせることもあります。

Qこちらのクリニックならではの治療の特徴を教えてください。

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▲状態に応じて複数の治療法を組み合わせることもある

しかし当院に遠方から来られる患者さんの多くは巻き爪が悪化して複雑な形状になっていることが多く、そういった方には、改めて爪を切らずに治療を行うメリットを丁寧に説明させていただいております。その中で、爪を本来あるべき形にするために、「切らない巻き爪治療」を広めていきたいと思っています。患者さんの爪の形状の変化を患者さんとともに共有し、爪が元の形に近づいていく段階を喜んでいけるような治療に尽力していきたいと考えています。また人工爪を組み合わせ、三次元的な矯正をめざす治療法にも注目をしており、患者さんの痛みを少しでも早く取り除けるよう、患者さんのライフスタイルに合わせた治療を日々提案しています。