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独特のにおいが気になる人に
「皮弁法」によるわきが治療

浜口クリニック

(大阪市北区/大阪駅)

最終更新日:2024/01/26

浜口クリニック 独特のにおいが気になる人に 「皮弁法」によるわきが治療 浜口クリニック 独特のにおいが気になる人に 「皮弁法」によるわきが治療
  • 保険診療

独特なにおいが気になるわきが。デリケートな問題ゆえ誰にも相談できず、苦しんでいる人もいるのではないだろうか。実はわきがにはそのにおいの原因となるアポクリン腺を除去する保険適用の手術治療があり、根治をめざすことが可能な症状とされている。皮弁法と呼ばれる腋臭症手術を行う「浜口クリニック」では、この診療の経験が多い濱口雅光院長がにおいの原因となるアポクリン腺の取り残しがないよう実際に目で一つ一つ確認しながら執刀するという。わきがのメカニズムや手術法、気になる傷口、診断・手術から術後ケアまでの流れなど、濱口院長に話を聞いた。

(取材日2020年2月10日)

検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!

Qわきがのメカニズムを教えてください。
A

わきが(腋臭症)は、脇毛の下にあるアポクリン腺から出る汗が、皮膚表面で細菌と反応して分解され、独特の不快なにおいを発することが原因です。わきが体質は遺伝傾向があり、ご家族に同様の症状をお持ちの人がいるケースも多いですね。症状としては、においのほか、多汗症を伴っている方が多いので服に汗染みがつく方もいますし、においを抑えるために制汗剤を使用されている方は、皮膚荒れが起こっている方もおられます。当院では10代~20代の患者さんから60代の方まで幅広く来院されています。診断は問診と、ガーゼでわきの汗をふき取ってにおいを判断するガーゼテストで行います。

Qどんな治療法がありますか?
A

当院では「皮弁法」という手術治療を行っています。この手術は脇の皮膚をしわに沿って切開し、わきがの原因となるアポクリン腺を取り除くというもの。実際に目で確かめながら除去していきますので、アポクリン腺の取り残しを防いでいくことにつなげていけるのがメリットでしょう。一度取り除かれたアポクリン腺は再生しませんので、繰り返し治療を行うこともありません。手術は局所麻酔を使用し、片腕で45分、両腕で1時間30分。手術後は一般的に4~5回の来院が必要で、3週間から4週間ほどで抜糸となる。この、皮弁法によるわきが治療は保険適用ですので、患者さんにとって経済的な負担の面でもメリットがあると思います。

Q傷痕は残るのでしょうか。
A

アポクリン腺は脇の毛の下にほぼ一致して発達していることから、脇毛が生えている範囲によって傷口のサイズも異なります。一般的に脇毛の範囲が狭い女性で約3cm、広範囲の男性は約5cm。傷痕が残りやすい体質の方もいらっしゃり個人差はありますが、脇の皮膚のしわに沿って切開するためそれほど目立つものではありません。痛みにも個人差があり、麻酔が切れた後数日ほど痛みを感じる方もいらっしゃいますし、あまり痛みが残らない方も。なお手術後の通院回数や抜糸までの期間は、切開の範囲が広い男性のほうが長くかかります。術後は出血などを防ぐためにも脇をあまり動かさず、可能であれば仕事を数日間お休みすることをお勧めしています。

検診・治療START!ステップで紹介します

1診察
浜口クリニック 診察

まずは診断をつけるため、問診とガーゼテストを実施。ガーゼテストでは、脇の汗をガーゼでふき取り、わきがの代表的な症状であるにおいで診断する。遺伝傾向や自覚症状があることから、ほとんどはわきがとして診断されるが、「気にし過ぎ」の人もいるとのこと。その場でわきがの診断がつかない場合、においのついた衣服など後日持参してもらうことも。気になる症状があれば、まずは気軽に相談を。

2血液検査
浜口クリニック 血液検査

わきがの診断がついたら血液検査を実施。局所麻酔を使用するため、麻酔薬が体に合うかどうか、肝臓の機能や貧血、糖尿病など疾患があるかどうかを血液検査で詳細に確認する。同院では、時期により混雑状況はさまざまだが、春は混雑する傾向にある。家族の意向で受診する未成年の患者も少なくないが、濱口院長は患者本人の意思を大切にしており、「本人が気になった時」の手術を勧めている。

3手術実施
浜口クリニック 手術実施

脇が露出する術着に着替え、局所麻酔を打って準備完了。皮弁法を用い、わきがのにおいの原因となるアポクリン腺を目で確認しながら取り除いていく。一度摘出したアポクリン腺は再生することはない。手術時間は片腕45分、両腕で1時間30分。手術では局所麻酔をかけるが、麻酔が切れた後、数日ほど痛みを感じる人もいるという。

4術後ケア
浜口クリニック 術後ケア

手術翌日から抜糸までの3~4週間、術部である脇を避ければ入浴可能。脇を激しく動かすと出血につながるため、安静が求められる。「デスクワークで2~3日、腕を使う軽作業で5日、重労働であれば1週間以上お休みしていただいたほうがいいでしょう」と濱口院長。一人暮らしの人は、重い荷物を持たなくていいよう、手術前に食品や日用品の買い物などを済ませておくことも推奨しているそう。

5定期検査と抜糸
浜口クリニック 定期検査と抜糸

術後はクリニックが推奨する日程に合わせて通院が必要。手術2~3日後、5日後、1週間後が目安で、切開範囲の狭い女性は3週間後、広い男性は4週間後に抜糸となる。抜糸後は入浴や運動に制限はなし。傷口の大きさは一般的に女性で約3cm、男性で約5cm。体質などにより傷痕には個人差があるものの、脇の皮膚のしわに沿って切開するため、気にする人は多くはないという。最終診察は3ヵ月後で、問題なければ治療は完了。

ドクターからのメッセージ

濱口 雅光院長

わきがの手術では、わきが独特のにおいの原因となるアポクリン腺を「皮弁法」で目視しながら取り除いていきます。わきがは遺伝傾向があるので「手術をしてほしい」とご家族が患者さんをお連れになるケースもありますが、ご本人が乗り気でないなら無理に手術をお勧めすることはありません。ご本人が気になったときに手術を受けるべきだと考えています。まずは相談だけでも構いませんので、ご来院いただければと思います。

濱口 雅光院長 浜口クリニック
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