スタッフが一丸となって支援
産前産後ケアの充実も図るクリニック
小川産婦人科
(大阪市平野区/平野駅)
最終更新日:2023/11/17
- 保険診療
出産を大きな病院で行うと、その後は関係が薄まってしまいがち。しかし大阪市平野区にある「小川産婦人科」の室谷毅院長は、そのような状態を良しとはしない。「僕たちは地域に根づいた産婦人科だからこそ、出産後もお母さんと赤ちゃんとのつながりを持ち続けたい。そうすることで、ご家族が明るい未来をつくるお手伝いができると思っています」と室谷院長。そんな同院では妊娠前から妊娠中、そして出産と産後の育児までの各過程においてサポートしていくためのプログラムを多彩に用意。「すべての赤ちゃんとお母さんが、幸せになるように」との願いが込められた同院の取り組みと診療体制について、室谷院長と2023年に入職した泉明延先生、米山華蓮先生に話を聞いた。
(取材日2019年12月12日/再取材日2023年9月26日)
目次
出産と子育て、そして健全な発育まで通してサポートしていきたい
- Q泉先生は、どういった診療方針をお持ちですか?
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A
【泉先生】私は患者さんにじっくり向き合って診療を行うことを大切にしています。そのため、患者さん一人ひとりを大切にする当院の姿勢に深く共感して入職しました。実際の診療では、対話の中でその方が本当は何を求めているのかを、時間をかけてしっかりとつかんでいきたいと考えています。また、何か症状が見られた場合は、その方の思いに寄り添い、生活背景も踏まえてオーダーメイドの治療を提供することが目標です。当院に入職する前は産婦人科領域を専門として長く研鑽を積んできましたので、婦人科の領域からも広い視野でサポートをしたいと考えています。
- Q米山先生はいかがでしょうか。
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A
【米山先生】私自身、月経や妊娠・出産、そして育児を経験する中で、大変なことやうまくいかないこともあると身をもって理解ができています。例えばつわりは病気ではないけれど、心身に大きな負担がかかる場合が多いですよね。まして仕事をしながら妊娠、出産、育児をするのはとても大変なことです。だからこそ、真の意味で女性の味方となり、診療を通して患者さんを幅広くサポートしていきたいと考えています。医師という立場ではありますが、同じ女性として患者さんに親身に寄り添い、一緒に伴走するような存在になりたいですね。そのために、まずは話しやすいと思ってもらえるような対応や雰囲気づくりを大切にしています。
- Q新たに助産院をオープンしたと伺いました。
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A
【室谷院長】はい、以前から当院では母乳専門の外来枠を設け、母乳育児の推進に注力してきました。母乳に関する知識を習得したプロフェッショナルが在籍し、産前だけでなくお母さんのための産後ケアの充実も図ってきたのです。しかし、十分なキャパシティーがなく、断念せざるを得ない状況が続いていました。その受け皿とするべく誕生したのが、助産院「はぐくみ」です。出産や子育ては、赤ちゃんだけでなくお母さんが育つ時期でもあります。「母子の成長を温かく育む」というメッセージを込めて「はぐくみ」と名づけました。
- Q注力しているという産前産後のサポートについて教えてください。
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A
【室谷院長】当院はお母さんたちに元気になっていただくことを大事にし、出産や育児を通じて感動体験をしていただけるよう努めています。大きな病院では出産が終わると、関係が途切れてしまうことがあるかもしれませんが、僕たちは地域に根づいたクリニックとしてお母さんたちのよりどころであったり、お母さんとお子さん、ご家族の明るい未来をお手伝いするため、産前産後の取り組みに力を入れています。例えば、産前はご主人とご参加いただく「両親学級」やマタニティーヨガ、産後はお母さんたちに集まっていただき、心理学の先生を交えて思っていることを話し合う「子育て座談会」やベビーマッサージ、母乳専門の外来などですね。
- Qスタッフの勉強会や環境整備にも注力しているそうですね。
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A
【室谷院長】スタッフ教育には特に力を入れています。フリースタイル分娩勉強会、母乳勉強会のほか、緊急時の新生児蘇生法、母体救命など、さまざまな実習や講習を実施しています。また、こういった勉強会などを通じて、スタッフ自身が学び育ち、個々の才能を開花できるよう日々取り組んでいます。人間性を高めることで、より安全を追求した医療が提供でき、患者さんが安心して過ごすことができると考えているからです。お母さんや赤ちゃんだけでなく、スタッフなど、人が育つということに注力し、当院に関わる人が皆、笑顔になり自分の人生に希望を持って、大きく羽ばたいていってほしいと思っています。