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室谷 毅 院長の独自取材記事

小川産婦人科

(大阪市平野区/平野駅)

最終更新日:2020/04/01

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谷町線平野駅から5分ほど、住宅街の一角にひっそりとたたずむ「小川産婦人科」がある。落ち着いた雰囲気の院内は、時間がゆっくりと流れているような穏やかな空気に包まれており、妊娠や婦人科診療で受診する女性たちを優しく迎え入れてくれる空間だ。2019年5月に院長に就任した室谷毅先生は、地域に根づいて100年以上、産婦人科診療を行ってきた同院の理念を引き継ぎながら、これまで数多くの分娩や婦人科医療に携わってきた経験を生かし、母子の健康をサポートしている。未来を担う子どもたちの幸せを願い、女性に輝かしい人生を送ってもらうために、人のつながりを大切にした産婦人科医療に尽力する室谷先生に話を聞いた。
(取材日2019年6月6日)

母親の「生む力」を引き出す優しい分娩をめざして

シックで落ち着いた雰囲気の院内ですね。

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静かな落ち着いた場所で穏やかに進んでいくお産、それが僕が描くお産のイメージです。病院で勤務していた頃は、1日何件もの分娩に慌ただしく対応し、母子ともに負担のかかるようなお産も中にはあり、母子にとって本当に良いお産とはどのようなものかと考えていました。例えば、赤ちゃんが早く産まれるようにコントロールしたりして、不自然なかたちでお産を進めていくと母体や赤ちゃんに負担がかかり、トラブルを引き起こすリスクも高まります。当院ではお産にとって優しい環境を用意し、1人の妊婦さんに助産師が寄り添いながら、お産が自然に進んでいくのを待つようにしています。赤ちゃんを無事に産んだ後で、「幸せな時間だった」と思えるようなお産をめざしています。

「待つお産」というのは、単に医療が介入しないということではないそうですね。

早めに医療介入をするのは実は簡単で、どこで手を出すかの判断は医師の裁量によります。もちろん状況によっては、迅速な医療介入が必要な場合もありますが、母子の状態が良好でお産が順調に進んでいるのであれば、無理をして出産を早めることはせず、お母さんの「産む力」によってお産が自然に進んでいくのをサポートするというのが僕の考え方です。お産は基本的に助産師と妊婦さんが一緒につくっていくものであり、医師は分娩時に異常が生じた場合に介入します。妊娠・出産の間ずっとそばに寄り添い、妊婦さんが悩みや不安を打ち明けるのも助産師ですからね。だから僕は妊婦さんだけでなく、助産師の力を引き出すことも大事だと思っています。お産の主役はお母さんと赤ちゃんであり、助産師は寄り添い、医師は見守る存在ですね。

助産師さんと一丸となり、妊婦さんの心のケアを丁寧にされていますね。

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予想されるトラブルを未然に防ぎ、不測の事態が起きたときは迅速に対応して、安全なお産をめざすことは最低限必要です。医療面で安心をもたらすのと同時に、その人の価値観や世界観を受け入れ、スタッフが温かく接することで、「自分は大切にされている。自分は重要な存在なんだ」とお母さんが実感し、充実した気持ちでお産に臨める場所にしたいと思っています。体の中からあふれ出る自己肯定感や自信を、僕は「自己重要感」と呼んでいるのですが、そうした感情はお母さんを幸福な気持ちにさせ、赤ちゃんを生む力を最大限に引き出すと考えています。お母さんが心を満たす出産体験を乗り越えたその先に、育児を心から楽しめたり、新しいことにチャレンジできるようになり、より良い産後の生活全体のサポートにつながると思うんです。妊娠・出産時だけでなく、お母さんと子どもたちの幸せな未来につながるお産こそ、価値があると思っています。

地域に根づいて、女性の体を一生涯サポートする

妊婦さんの健康管理では、どのようなことを心がけていますか?

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妊娠すると血液量が増加し、呼吸や血圧、胃腸の動きなども通常時とは異なります。便秘や尿がたまりやすくなり、ホルモンの変化によってメンタル面に影響を及ぼすこともあります。さらには妊娠時特有の合併症もあり、妊婦さんはいわば特別な成人なんです。僕は研修医時代、産婦人科以外にいろんな科を回り、内科分野も進んで勉強しました。現在の診療では、産科・婦人科に直接関係する疾患だけでなく、内科的な目線を持ち合わせて全身の健康管理を行っています。何か疾患がある場合は、専門の科を受診すべきか、産婦人科でカバーできる範囲かを見極めながら母子両方の健康を守り、妊婦さんには過度な不安を与えないように心がけています。

婦人科診療や更年期障害に対するホルモン補充療法にも力を入れていますね。

女性の体はホルモンによって守られています。ホルモンの分泌量は生涯を通じて変動するため、女性の体はライフステージごとにさまざまな変化が現れます。閉経後は分泌量が減少して、骨粗しょう症や血管の病気になりやすくなり、更年期から老年期にかけて心身に不調が生じたり、若い人だと月経のトラブルや子宮・卵巣に問題が起こることもあります。まさに女性はホルモンと隣り合わせで生きていて、僕は女性ホルモンの分野に昔から興味があり、積極的に学んできました。ホルモン補充療法は得意な処置の一つであり、その人に合った適切なアプローチで、妊娠前・出産・閉経後まで、一生を通じて輝ける生活が送れるようにサポートしたいと思っています。

院長に就任された経緯や、このエリアの特徴をお聞かせください。

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1916年の開院以来、地域の産婦人科医療に貢献し続けてきた小川産婦人科を引き継ぎ、今年の4月に院長に就任しました。この地で100年以上診療してきた当院には、親・子・孫と3世代で出産された方もいらっしゃいます。地域の産婦人科で診療をするからには、ここで患者さんを生涯支えていく覚悟をもって継承しました。立地的には天王寺まで地下鉄谷町線で10分以内で行けて、大阪市立大学医学部附属病院や大阪急性期・総合医療センターといったハイリスク出産に対応できる病院が近いことは、僕にとって大きな安心につながっています。近隣には阪南中央病院、愛染橋病院、淀川キリスト教病院といった救急搬送の受け入れが可能な病院が多いほか、他科の医療機関とも連携が取りやすく、産婦人科診療に適したエリアだと感じています。

大切な人との絆が深まるような産婦人科医療を提供

なぜ産婦人科医師をめざされたのですか?

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「人が育つ、人を育てる」ということに興味をもっていて、医学部に進学した時から、小児科か産婦人科のどちらかに進みたいと考えていました。産婦人科を選んだのは、人が育つ原点はやはり親子の愛情、家族のつながりだと感じたからです。僕自身さまざまな人たちに支えられて成長し、中でも両親はどんなことがあっても変わらず、愛情を注いで育ててくれました。それに気づいたのは大人になってからですが、大切に育てられたことはその人のアイデンティティーとなり、生き方や考え方に大きく影響すると思っています。僕はここで多くの子どもたちの原点に携わり、10年後、20年後、その先までその子とお母さん、家族みんなが幸せな人生を歩めるきっかけになれたらと思っています。

今後取り組んでいきたいことはありますか?

頼れる人がいない環境で育児をするのは誰でも不安です。当院で出産した人や里帰り出産して戻ってこられた方も、ここが安心できる場所になればと、今後はコミュニティーづくりに力を入れていきます。お母さん同士がつながりを持てて、お互い助け合えるような出産・育児サポートプログラムを取り入れていき、地域全体を巻き込んで平野区を子育てがしやすい街と思ってもらえるようにしたいですね。産後のサポートだけでなく、妊娠する前の夫婦を幸せにするお手伝いからできればとも考えていて、また国際医療にも関わりたいという思いもあり、実現したい目標は山ほどあります。

最後に今後の展望をお聞かせください。

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勤務医の頃は数多くのお産に立ち会う一方でがんの治療に携わり、最期を見据えた診療も行ってきました。90歳の方に「最後に先生に会えて良かった」と言われたこともあり、産婦人科は生と死の両面に直面する特殊な科だと思います。より良く生きることと、より良く最期を迎えられることの両方を見てきた中で僕が感じているのが、即席でつくられるものは張りぼてだということです。親子関係や夫婦関係など大切な人とのつながりや信頼は、時間をかけて積み重ねてこそ、深みが増していきます。家族の絆を強めるために産婦人科が力になれることはたくさんあると思いますので、僕自身も目の前の人を大切にし、医療を通じて多くの人の人生のサポートをしていきたいと思っています。

自由診療費用の目安

自由診療とは

ブライダルチェック/1万5000円~

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