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室谷 毅 理事長の独自取材記事

小川産婦人科

(大阪市平野区/平野駅)

最終更新日:2025/02/13

室谷毅理事長 小川産婦人科 main

大阪メトロ谷町線平野駅から徒歩約3分の場所にある「小川産婦人科」。100年以上の歴史を持つ地域に根差した産婦人科で、穏やかな気持ちでお産に臨めるよう、院内はリラックスして過ごせる落ち着いた空間だ。多くの分娩や婦人科診療に携わってきた室谷毅先生は、豊富な経験を生かし、さまざまな職種のスタッフと協力し、母子の健康で心豊かな毎日をサポートしている。さらに2024年10月から喜連瓜破駅近くの「浜田病院」と経営統合し、れんげ会グループとして運営を開始。「女性が母として成長し、子どもたち、そして一人ひとりのスタッフが幸せに育つ場所をめざしています」と語る室谷理事長は、大阪をどこよりも子育てしやすいエリアにしていく思いで診療している。同院の特色あるお産やチームワークを大切にした診療などについて話を聞いた。

(取材日2024年8月29日)

安心できる環境を整え自然で幸せなお産をサポート

待つお産を大切にしておられるそうですね。

室谷毅理事長 小川産婦人科1

お産の主役はお母さんと赤ちゃんで、お母さんの「産む力」により、お産が自然に進んでいくのをサポートするのが私たちの役目だと考えています。このため、お産はお母さんと助産師が中心になって進め、私たち医師はそれをサポートするとともに、異常が生じた場合に対応します。状況によっては、速やかな医療介入が必要なケースもありますが、母子の状態が良好でお産が順調に進んでいるのであれば、無理をして出産を早めることはしません。

自然なお産を大切にする理由を教えてください。

私たちがめざしているのは、お産が「幸せな時間だった」と思えるような経験の提供です。病院に勤務していた頃は、1日何件もの分娩に慌ただしく対応して、母子に負担のかかるケースもありました。赤ちゃんが早く産まれるようにコントロールすることで、母体や赤ちゃんに負担がかかり、トラブルのリスクも高くなる可能性があります。そうした事態にならないよう、お産に適した快適な環境を用意して、助産師が寄り添いながら、自然にお産が進んでいくのを待つようにしています。

そうしたお産に不安を感じる妊婦さんもいると思います。

室谷毅理事長 小川産婦人科2

たとえわずかな確率であっても、想定されるトラブルを未然に防ぐこと、万一不測の事態が起きた際には迅速に対応して、安全性にしっかり配慮できることが絶対条件だと考えています。このため、緊急事態に備えて普段からしっかりとした講習を実施しています。また、医師やスタッフも増員して、現在は小児科にも対応できる医師を含めて5人が在籍しています。緊急時にも速やかに対応できるよう、夜間も医師2人、スタッフ3人の体制を整えていることも、利用される方の安心材料になるのではないでしょうか。

妊婦さんのメンタルケアも欠かせませんね。

妊婦さんの思いを受け入れ、スタッフが温かく接することで、「自分は大切にされている。自分は重要な存在」と実感でき、充実した気持ちでお産に臨めるようにしたいと思っています。体の中からあふれ出る自己肯定感や自信は、その方を幸福な気持ちにさせ、赤ちゃんを産む力をしっかり引き出せることにつながると考えているからです。幸福な気持ちで出産を経験できるからこそ、心から育児を楽しみ、新しいことにもチャレンジできるのだと思います。

スタッフ力を生かして出産後にも手厚いケアを提供

妊婦さんの健康管理にも配慮されています。

室谷毅理事長 小川産婦人科3

妊娠すると、体の状態が大きく変化します。ホルモンの変化によってメンタル面に影響を及ぼすことや、妊娠時特有の合併症もあります。私は研修医時代、産婦人科以外にもいろいろな診療科を経験して、内科分野も勉強してきたので、当院では産科・婦人科に直接関係する疾患だけでなく、内科的な目線を持ち合わせて全身の健康管理を行うよう努めています。何か疾患がある場合は、専門の医療機関を受診すべきか、当院でカバーできる範囲かを見極め、心身ともにデリケートな状態にある妊婦さんに過度な不安を与えることがないように配慮しています。

産後ケアに注力されていると聞きました。

大阪市、松原市、羽曳野市、東大阪市といった行政が中心になって進めている取り組みです。入院してもらい、食事も提供しながら、ゆったりと入浴してもらったり、赤ちゃんとの触れ合いを楽しんでもらったりします。単に「子育てを休みたい」という方ではなく、精神的につらいことや子育てについて悩みがある方の課題の解決、帰宅後のより良い子育てにつなげることが目的です。悩みなどを相談することで、もやもやとした気持ちが解消されたという方も少なくありません。

期間はどれくらいですか?

室谷毅理事長 小川産婦人科4

通常は日帰りや1泊が多いのですが、当院では3〜4ヵ月という長期にわたるケアにも対応しています。希望される方がとても多く、当院の助産院も活用してやりくりしている状態です。産婦人科の場合、通常は1ヵ月検診で終了するところが多いのですが、産後3〜4ヵ月ほどたつと相談や悩みの内容も変わってきます。最初は授乳など育児に関することが中心ですが、時間とともに発達の相談なども増えてくるので、そうした相談にも対応できるよう保育士などスタッフも拡充しました。ご自宅に伺い問題解決につながる産後ケアを提供するアウトリーチにも対応しています。

母乳育児のための取り組みにも力を入れておられますね。

母乳による子育てを推奨しており、助産師一人あたり2〜3人を担当する体制でしっかりとサポートしています。痛みの少ない乳房マッサージを取り入れており、このケアを行うことができる3人の助産師を新たに迎え入れました。産後の女性をしっかりサポートしたいという強い思いを持った方が集まってくれたと思います。

母子とスタッフが成長する場所であり続ける

スタッフが増えるとチームワークの充実が大切ですね。

室谷毅理事長 小川産婦人科5

医師やスタッフが増えることで、それぞれ違う視点から意見を出し合えるのがメリットですが、円滑なコミュニケーションが欠かせませんね。異なる価値観を理解し合うための思いの共有を大切にしており、スタッフ同士だけでなく、患者さんに対してもチームワークの3箇条を実践しています。具体的には、その人の存在はもちろん、頑張りの結果も過程も大切にする「承認と調和」、頑張る人を温かくサポートする「小さな達成を繰り返して自己肯定感を高める」、安心して新しいことにチャレンジできる風通しの良い環境を整える「心理的安全性を高める」の3つで、例えば承認を意識するための練習などは朝礼にも取り入れています。

さまざまな世代に向けての情報発信を行われているのですね。

動画共有サイトなどを通じて、安心して出産、子育てに臨んでいただくための情報発信を行っており、今後もさらに充実させたいと考えています。他に、都心部では核家族が中心で地域のつながりが希薄なので、子育てする人たちが集い、つながりを持てる場所を提供するなど、お母さんたちのコミュニティーづくりのための役割を担うことができたらと思います。また、子どもたちに「命を大切にできる大人になってほしい」、「自分を幸せにできる大人になってほしい」という思いもありますので、命の大切さを理解してもらうための機会を提供するなど、学生を対象とした命の教育にも寄与していきたいです。

婦人科診療や更年期障害の治療にも対応しておられます。

室谷毅理事長 小川産婦人科6

女性の体はライフステージごとにさまざまな変化が現れます。閉経後は骨粗しょう症や血管の病気になりやすくなり、更年期から老年期にかけて心身に不調が生じます。若い人なら月経のトラブルや子宮・卵巣に問題が起こることもあります。私は以前からホルモンの分野に興味があり、積極的に学んできました。ホルモン補充療法は得意な処置の一つで、その方に合った適切なアプローチを通して、妊娠前・出産・子育て、さらに閉経後まで、一生を通じて豊かな生活を送るためのサポート提供に努めています。

今後の目標を教えてください。

「女性の日常を笑顔で彩る」を理念に掲げる医院として、人生をより豊かなものにするためのお手伝いをしていきたいと思います。安心できる環境で出産、育児を経験でき、それが一生の自信や幸せな思い出となるよう、婦人科疾患に悩む方には改善策を提供して不安を解消できるよう、スタッフとともに取り組んでいきます。一方、医療と教育を通じて、人が育つ場所をつくり、大阪をどこよりも子育てしやすい地域にしていくのが、当初から変わらないテーマです。これからも変化を恐れることなく、チームワークを生かしてチャレンジを続けます。

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