かかりつけ医で受けられる
苦痛に配慮した胃カメラ検査
若松医院
(大阪市城東区/関目成育駅)
最終更新日:2022/12/26
- 保険診療
さまざまな病気の早期発見に役立つと知っていながらも、ほとんどの人が「受けたくない」と感じている検査の一つが「胃カメラ検査」だろう。そんな現状を踏まえ「一人でも多くの人に検査を受けてもらいたい」と検査に伴う苦痛の軽減に心を砕いているのが、大阪市城東区にある「若松医院」の若松隆宏院長だ。日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医の資格を持つ若松院長は「ハードルが高い検査だからこそ、普段通っているクリニックで気楽に受けてもらいたい」と、これまで培ってきた知識と経験を生かし胃カメラ検査に全力を注ぐ。今回は、日々町のかかりつけ医として地域の患者に寄り添って診療している若松院長に、同院で行っている胃カメラ検査について詳しく解説してもらった。
(取材日2022年10月3日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Q胃カメラ検査で発見可能な病気にはどのようなものがありますか?
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A
胃カメラ検査は上部内視鏡検査ともいわれ、胃や食道、十二指腸にカメラを挿入して直接見ることで、さまざまな病気を診断する検査です。近年の内視鏡装置の精度の向上は目を見張るものがあり、粘膜の色の変化や状態をしっかりと見ることができ、異常が確認できた場合には組織を採取して生検を行えば、幅広い病気の確定診断が可能となります。胃カメラで診断できるのは、胃がんや食道がん、胃潰瘍や十二指腸潰瘍、胃ポリープ、急性胃炎、慢性胃炎、逆流性食道炎などで、胃がんの原因になるピロリ菌が発見されることも。バリウム検査だけではわからない病気が発見されることもあるので、気になる症状がある場合は一度受けてみると良いでしょう。
- Q検査の負担を軽減する工夫について教えてください。
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A
当院では、大きく分けると3つの工夫をしています。1つ目は鼻から入れる経鼻胃カメラ検査を実施していること。口からカメラを挿入すると強い嘔吐反射が起きますが、経鼻はそういった苦痛も比較的少ないとされています。次に、二酸化炭素送気システムを使用し、検査後のおなかの張りの軽減を図っています。3つ目は、痛みや苦しさをほとんど感じさせることなくスムーズに検査を行うために麻酔を活用し、胃カメラも管の直径が約5mm、従来の胃カメラの約半分の細さのものを使用しています。また、挿入の角度やスピードについても消化器内視鏡専門医としての経験を生かし、細心の注意を払ってコントロールしています。
- Qどのようなタイミングで検査を受けると良いですか?
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A
まずは、何らかの自覚症状がある時です。胃の痛みや不快感、食欲不振、急な体重減少など「おかしいな?」と感じたらぜひご相談ください。また、健診や人間ドックで異常を指摘された方、再検査が必要だと言われた方も受けていただきたいです。そのほか喫煙や飲酒の習慣がある方、胃がんになった血縁者がいる方、ピロリ菌が陽性だと指摘された方は、がんの発症リスクが高くなるので検査をお勧めします。また、過去に胃潰瘍や十二指腸潰瘍などになったことがある方も、定期的な検査をして経過を観察していきましょう。40歳までに一度も検査を受けたことがない方はできるだけ早いタイミングで検査を受け、その後の健康に役立ててほしいと思います。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1問診票を記入する
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まずは、スタッフの指示に従って問診票を記入。気になる症状がある人はわかる範囲でしっかりと記入し、健診などで問題が指摘された場合は、検査結果一式を持参しよう。服薬中の薬がある場合には、お薬手帳も忘れずに持っていきたい。
- 2診察をし、検査の流れについて説明を受ける
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問診票をもとに触診などの診察を行う。検査を行うにあたって問題がないかを確認し、検査前処置や検査方法など、検査完了までの流れが説明される。この時、わからないことや不安なことがあれば、どんどん質問してほしいとのこと。
- 3上部内視鏡検査を受ける
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検査前日はなるべく21時までに食事を済ませ、当日は朝食を取らないで来院する。水分は、水やスポーツ飲料など無色透明なものなら好きなタイミングで飲んでも良いとのこと。必要に応じて麻酔を行い、胃カメラ(内視鏡)を挿入して検査を開始。検査の所要時間は5〜10分。力を抜き、リラックスするのが検査の負担を軽減するこつだそうだ。
- 4検査後の休憩を取る
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検査後は身支度を整え、しばらく休憩を取る。気分が悪い場合には、遠慮せずにスタッフに声をかけてほしいとのこと。休憩後は検査後の注意事項の説明を受け帰宅。経鼻胃カメラ検査の場合、検査当日の行動に大きな制限はないが、いつもよりゆっくりと過ごすことが推奨されている。
- 5画像を見ながら検査結果の説明を受ける
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後日、実際の画像を一緒に確認しながら検査結果の説明を受ける。専門用語やカタカナ語はなるべく使わず、わかりやすい説明を心がけているそうだ。万が一、より専門的な検査や手術が必要な場合、同院では患者の希望に合わせて適切な医療機関を紹介するなど、検査後のフォローアップ体制もしっかりと整えている。