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糖尿病患者にフットケアを
足の問題を改善し全身の健康管理へ

野村医院

(名古屋市中川区/ささしまライブ駅)

最終更新日:2017/11/16

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  • 保険診療

患者の多くが無自覚で無症状だという糖尿病。食事や運動など生活習慣の改善と、定期的な通院が治療の鍵だが、治療を中断する人も少なくないという。「重症化を防ぐためにも通院は続けてほしい」と「野村医院」の石川敦子院長は話す。2017年5月からは、従来の治療に加え、日本看護協会糖尿病看護認定看護師によるフットケアを始めた。足を洗い、タコや白癬などトラブルに応じた対処をするほか自宅で行うケアのアドバイスも行っている。「足に関心を持っていただき、ケアしてトラブルを防げれば、活動量も増え、健康にもつながります」と石川院長。日本糖尿病学会糖尿病専門医として多くの患者を診てきた経験から、重症化する患者を1人でも減らしたいと強い思いを抱く石川院長に、その取り組みについて詳しく聞いた。(取材日2017年8月25日)

患者の生活習慣に合わせて食事や運動、薬を指導。専門家によるフットケアで全身管理に結びつける

Qまず糖尿病の現状について教えてください。
A
1

▲糖尿病治療においても多くの患者を救いたいと熱い想いを語る院長

最近は、糖尿病の患者さんが増えていること、さらに高齢化してきていることを感じています。治療もなかなか難しく、その理由の1つはまず自覚症状がないことです。典型的な症状として「口が乾く」「トイレの回数が増える」などが挙げられますが、ほとんどの人は意識されません。健康診断で尿に糖が出たとか、血液検査で血糖値が高いと言われても受診しない人もいます。2つ目は、治療を中断する人が多いということです。糖尿病網膜症や糖尿病性腎症、手足がしびれる神経障害など合併症が出てから再び来院されるのですが、その時には病気が進行しており、なかなか良くならなかったり悪くなったりするのが糖尿病の怖さだと思います。

Q糖尿病患者に対しては、どんな治療をしていくのですか?
A
2

▲インスリン注射も用いながら、オーダーメイド治療を行う

基本的には食事療法、運動療法と薬物療法になりますが、生活習慣はそう簡単には変わりません。人それぞれの生活スタイルがありますので、その中で、1つでも良い方向に変えられるよう、お話を聞き相談しながら、できることから見直していきます。最近は内服薬、注射薬などたくさん良い薬がありますが、それも続けられないという人もいます。しかし一度服用して血糖の数値が良くなったことをお見せするとモチベーションが高まりますので、お薬もその方の生活習慣に合わせるようにできるだけ工夫しています。そのために、患者さんが一番困っていることは何か、生活はどんなふうか、お話の中からキーワードを拾い上げるよう心がけています。

Qこちらでは、新しくフットケアを始められたのですね。
A
3

▲専門の看護師によるフットケア。自分の足を見直すきっかけになる

はい。合併症を管理するための一環であり、足から全身の健康を支えるものになります。私は病院に勤務していた頃、30~40代でも足が壊疽(えそ)して切断せざるをえない患者さんを多く見てきました。情報が氾濫する現代でも、自分の足については症状がひどくなるまで関心が低い方が多いのです。また「運動をしてください」と言っても、足に何かトラブルがあって痛い、靴が合わないなどの理由があると運動ができません。そこで、自分の足に関心を持ってほしい、自宅で足をケアするきっかけづくりをして、糖尿病の悪化を少しでも防ぎたいと思い、フットケアを取り入れました。担当するのは糖尿病看護認定看護師で、時間は30分ほどです。

Q具体的にどんなことをするのでしょうか?
A
4

▲洗浄後のケア風景。日頃から自分の足にも目を向けてほしい

まずフットバスで石鹸を使って足を洗い、タオルで拭いた後、保湿します。目が見えにくいや腰が痛いなどの理由で爪が切れない方も多いので爪を切ったり、タコ、うおのめ、水虫などを観察し、ハイリスクなことから手当てをしていきます。水虫で爪が厚くなるとその下の皮膚が傷つきやすいので、爪の表面を薄く削る処置もします。大切にしているのは、患者さんと一緒に足を見て、ご自身の足の状態を把握していただくこと。洗い方や手入れを実際に体験していただくと、家でも自分で足を洗ったり、傷がないか観察したりできるようになります。糖尿病の方は水虫などに感染しやすく治りにくいので、日頃のケアは重要です。靴の選び方もアドバイスします。

Q糖尿病教室などトータル的なサポート体制を整えておられますね。
A
5

▲患者の生活視点に立ったサポートを行いたいと資料も作成

糖尿病教室は月1回、土曜日に開催しています。気楽に来ていただけるよう「寺子屋」と言っています。当院の食堂が会場で、十数人の患者さんを対象に、私や薬剤師の先生、管理栄養士がお話をします。朝、検査をしてその待ち時間に食堂で食事をし、寺子屋でお話を聞いていただき、再度検査をする、という流れです。血糖値は食前と食後で違いますので、もともと父の代から同じようなことを行っていました。また、当院でいろいろなおかずを用意し、ご自分で選んでいただき、それに管理栄養士がアドバイスする「朝食バイキング」も随時開催しています。ちなみにお正月に用意したもち米のお赤飯が、最も食後の血糖値が高くなりました。

ドクターからのメッセージ

石川 敦子院長

糖尿病の方にお伝えしたいことはただ一つ、通院を中断しないでということですね。定期的な通院が健康寿命を延ばします。中断すると次に行きづらくなるのですが、当院に長く通われている患者さんがそういうお友達を他から連れてきてくださって治療を再開できたという、うれしいこともありました。私は糖尿病専門の医師として重症の方を多く見てきましたので、初期に治療介入するにはどうしたらいいかを常に考えています。当院は先代から地域の「かかりつけ医」として風邪や腹痛の患者さんも診ており、その中で、糖尿病では? という方を見つけることもあります。その場合すぐに治療が開始できるので、それが当院の役割であり強みだと思います。

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