全国のドクター8,993人の想いを取材
クリニック・病院 161,449件の情報を掲載(2020年2月20日現在)

  1. TOP
  2. 愛知県
  3. 名古屋市中川区
  4. ささしまライブ駅
  5. 野村医院
  6. 石川 敦子 院長

石川 敦子 院長の独自取材記事

野村医院

(名古屋市中川区/ささしまライブ駅)

最終更新日:2019/08/28

99999

あおなみ線ささしまライブ駅から徒歩10分、閑静な住宅街の一角に「野村医院」はある。前院長である父親の急逝に伴い、急きょ院長に就任した石川敦子院長は、30年近く糖尿病患者の治療に携わってきた経験豊富なドクター。患者の多くは徒歩圏内に住む高齢者であるため、高齢者が入院することなく通院しながら自宅で暮らすために、今後何ができるかを常に考えている。明るい声音と笑顔が印象的な石川院長だが、勤務医時代に糖尿病の重症患者を診るたびに、もっと早く治療を始めていればと悔しい思いをしたことから、糖尿病患者の治療中断にはことのほか危機感を感じている。糖尿病治療と医院の今後について、たっぷりと語ってもらった。
(取材日2016年6月17日)

病院の持つ機能を可能な限り導入したい

院長就任の経緯を教えていただけますか。

1

この「野村医院」は1975年に現在の場所に移転し開院した、40年以上続く地域に根差した診療所です。昨年9月に前院長である父が急逝したことで、急きょ私が引き継ぎました。当時、私は公立西知多総合病院の勤務医だったため、診療所と病院の兼務でのスタートとなり、医師である姪に助けてもらったり、診療開始時間を少し遅らせるなどしてなんとか診療を続けることができました。前院長が亡くなった後も、今まで通われていた患者さんのためにも続けて医院を存続し、治療を提供したいと思っての対応でした。昨年末で公立西知多総合病院を退職し、この4月から標榜の変更や新たな医療機器の導入を終え、本格的に始動したところです。

4月から新体制で臨まれているそうですが、どういった点が変わったのでしょうか。

まずは標榜科ですね。父は小児科が専門だったんですが、開院してから長かったこともあり、内科、小児科、外科、皮膚科となんでも診ていました。でも、さすがに私には外科はできないですし、長く糖尿病と甲状腺疾患を専門としてきたので、標榜の最初に糖尿病内科を持ってきて、外科と皮膚科を外しました。それから、常勤と非常勤の管理栄養士をそれぞれ1名ずつ置き、糖尿病の患者さんにいつでも食生活の指導ができるようにしたんです。エコーについては、超音波検査士に来てもらっています。また、血液検査や糖尿病や甲状腺疾患の検査結果を検査当日にお知らせできるよう、検査機器を導入しました。

検査器の導入や管理栄養士を置いたのはなぜですか?

2

長く勤務医をしていて感じたのは、患者さんが病院志向であったり、専門志向なんですね。中にはわざわざ病院まで来なくても、診療所で十分対応可能な患者さんもいるので、開業医にお願いしようと思っても、患者さんから病院はハード面や体制がいろいろと整っているのに対して診療所はそういうものがないとよく言われたんです。採血しても結果がすぐわからないので、また行かないといけないのがおっくうだとも聞いたりしました。それに、私自身も勤務医時代は糖尿病診療だとその日の検査結果を見て薬を出したり、管理栄養士さんによる生活指導をしていたのですが、結果がすぐ出なければ、後日、前の結果を見て診療することになり、それには抵抗があったんですよね。勤務医時代にやっていたことをできるだけここでやりたいとの思いから、検査機器の導入や管理栄養士さんを常勤でおくことにしたんです。

糖尿病治療は中断することなく続けてほしい

先生のご経歴を教えていただけますか?

3

愛知医科大学付属病院での研修医を終えて愛知医科大学大学院に入り、以前から生活習慣病に興味があったことや教授のお誘いもあって、内科学内分泌代謝講座に入りました。卒業後、知多市民病院で25年勤務し、その間、内分泌内科で糖尿病や甲状腺疾患の診療を行う一方、勤務年数が長くなるにつれ、他の仕事も増えていきました。医師や看護師、薬剤師、管理栄養士など職種を超えて医療スタッフが栄養サポートチームを組み、患者さんの栄養状態を良好に保つことで治療を効果的に進める仕事や、地域の医師に患者さんの受け入れをお願いする地域連携関連の仕事もしていました。昨年、知多市民病院と東海市民病院が統合合併し、公立西知多総合病院になりましたが、そこでも内分泌・代謝内科での診療を中心に、入院前から退院後まで切れ目なく多職種で患者さんをサポートする患者サポートセンターのセンター長をしていました。

糖尿病の治療で大切なことはなんでしょう?

治療を中断せずに続けることです。糖尿病の治療で一番の課題は、多くの人が治療を中断してしまうことなんです。医師との相性が合わなくて、行くのが嫌になりやめてしまう方がいます。血糖コントロールのいい方から悪い方まで、治療を継続して通院している人は悪化していかないんですよ。治療をやめてしまうと、次に病院を訪ねるころには具合が悪くなってからになるので、大体みなさん合併症がひどくなっているんです。治療を続けていれば、こんな風にならなかったのにと思うんですよね。病院勤務でとことん悪くなってから受診される人をよく診ていたので、そういう人をつくりたくないんです。治療を継続している患者さんに、検査結果がいいことを告げると特別な事はしていないっておっしゃるんですね。定期的に病院にかかって、チェックを入れてもらえば生活習慣病は悪化しないんですよ。

診療に際して、心がけていることはありますか。

4

患者さんの話を聞くことですね。糖尿病の治療を中断してしまう患者さんで、医師との相性がよくないとおっしゃるのは、医師がする治療の説明に受け入れ難さを感じているんだと思うんです。自分の話を聞いてほしいと思っている患者さんは多いので、できるだけ聞くようにしています。そうすることで、お互いに理解しあって治療を円滑に進めることができると思うんですよ。ただ、時間の制約があるので限度はあるんですけどね。だんだん患者さんもわかってきて、言いたいことを言ったら頃合いをみて切り上げてくれてます。

自分の健康状態を知ることが健康の維持につながる

お忙しい先生ですが、リフレッシュ方法は?

5

名古屋駅が近いので駅前まで歩いていき、散策がてらウインドーショッピングを楽しんでます。勤務医時代は休日も仕事をすることが多く、それが習慣になっているので、今でも休日は仕事がてらパソコンに向かっていることが多いですね。最近、気持ちを切り替えようと思って、近所の自転車屋さんで自転車を買ったんです。自転車で、どこかへ出かけようかなと思いましてね。まだ、乗ってないんですけど。みんなに「いつ乗るのか」って言われてます(笑)。

今後、どのような診療所にしていきたいですか。

高齢の方を含めて、地域の方々ができるだけ入院しないで、通院しながら生活できるような医療をめざしたいと思っています。今はまだ在宅医療などはやれてないですし、具体的に考えているわけではありませんが、最期を自宅で迎えることができるように当院が何かできないかと将来に向けて考えています。それから、今まで専門でやってきた糖尿病の診療について、病院の地域版と言いますか、診療所で検査や糖尿病教育とか生活指導が気軽にできるような糖尿病診療をやりたいと思っています。病院よりも小さい分、何をするにも臨機応変にできて融通も利きますからね。5月から糖尿病患者さん向けの勉強会を始めたところで、こういったものも患者さんの反応を見ながら試行錯誤していきたいと思っているんです。今後は様子を見ながら徐々にスタッフの質も上げられるようにしていきたいとも考えています。

読者の方へメッセージをお願いします。

6

糖尿病の治療をされている方は、とにかく続けてください。普段の生活の中では特別なことは必要ありません。食生活も極端に偏っていなければ、よく言われる範疇で十分ですし、意識して身体を動かすことで運動不足も解消されます。これらは糖尿病予防という観点でも有効ですよ。予防という意味では、体質的な問題もあるので、糖尿病を患った親御さんをお持ちの方は注意してくださいね。そして、みなさんにもっと自分の健康状態を知って欲しいと思っています。自分は健康だと思ってらっしゃる方が多いのですが、まずは定期的に健診を受けて、その結果に再検査や医師の診察を勧めるものがあれば、面倒くさがらずに再検査や診察を受けてくださいね。かかりつけの医師に相談するだけでもいいですよ。それが早期発見、早期治療につながり、健康維持の源になるんです。

Access