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石川 敦子 院長の独自取材記事

野村医院

(名古屋市中川区/ささしまライブ駅)

最終更新日:2022/08/03

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ささしまライブ駅から南へ10分ほど歩いた場所にある「野村医院」。この地域で40年以上にわたり地域医療を支えてきた診療所だ。同院の2代目院長となった石川敦子先生は、30年近く糖尿病治療に携わってきた経験豊富なドクター。糖尿病内科を中心に、それまで前院長が培ってきたかかりつけ医としての医療を引き継いでいる。昔から通っている患者の高齢化に伴い、生活習慣病の患者も増えている同院。生活習慣病を診るだけでなく、爪の切れない高齢者のフットケアや糖尿病患者の食生活改善のための朝食会など、患者をサポートする取り組みも多い。一方で、明るい笑顔が印象的な石川院長は、保育園の園医などもこなしているという。同院を引き継いで7年目の石川院長に、糖尿病治療と日頃の診療について語ってもらった。

(取材日2022年7月6日)

基幹病院のような迅速な検査体制のある診療所に

先生は2代目だそうですね。院長就任の経緯を教えてください。

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当院は、初代院長であった父が1975年に現在の場所に移転し、開院しました。40年以上にわたり地域の方々から頼りにされてきましたが、2015年に父が急逝したことで、病院の勤務医をしていた私が引き継ぎました。当初は病院との兼務だったので、医師である姪に助けてもらったり、診療開始時間を少し遅らせたりするなど変則的な診療でした。今まで通われていた患者さんのためにも医院を存続したいという一心で、なんとか続けることができたと振り返ると思います。父は、内科、小児科、外科、皮膚科となんでも診る地域のかかりつけ医でした。でも、私は長く糖尿病と甲状腺疾患を専門としてきたので、今は糖尿病内科を中心に、内科、小児科を診ています。眼科やリハビリテーション科なども、専門の医師や理学療法士らのサポートのもと、できるだけ地域の方々の要望に応えています。

勤務医時代はどんな経験を積まれたのですか?

愛知医科大学付属病院(現・愛知医科大学病院)で研修を終えて愛知医科大学大学院に進み、以前から生活習慣病に興味があったことや教授のお誘いもあって、内科学内分泌代謝講座に入りました。卒業後は知多市民病院の内分泌内科で糖尿病や甲状腺の診療を中心に、25年間勤務しました。そこでは、診療以外の仕事も経験させていただきました。医師や看護師、薬剤師、管理栄養士など職種を超えて医療スタッフが栄養サポートチームを組み、患者さんの栄養状態を管理する仕事や、地域の診療所に患者さんの受け入れをお願いする地域連携関連の仕事などですね。東海市民病院との統合合併をして公立西知多総合病院になってからは、患者サポートセンター長も経験しました。入院前から退院後まで多職種で患者さんをサポートするという仕事で、患者さんの立場になって考える良い経験になりました。

糖尿病の治療で大切なことは何でしょう?

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治療を中断せずに続けることです。糖尿病治療における一番の課題は、多くの人が治療を中断してしまうことなんです。医師との相性が合わなくて、行くのが嫌になりやめてしまう方がいますが、治療を中断し、次に受診した時には、病状が悪くなって合併症が進んでいるケースが多いです。勤務医の頃、「治療を続けていればこんなふうにならなかったのに」と何度も思いました。そういった経験から、「治療継続の重要性をもっと患者さんに伝えなければ」と強く思うようになりました。治療を継続している患者さん自身が何か特別なことをしているかというと、そうではありません。定期的に受診して良好な状態を保ってもらうことで、生活習慣病の悪化防止が期待できます。

検査を充実させて、スムーズな診療につなげる

院長となってまず最初に取り組んだのは、どんなことですか?

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血液検査や糖尿病、甲状腺疾患の検査結果を検査当日にお知らせできるよう、検査機器を導入しました。長く勤務医をしていて、患者さんからは「病院はハード面や体制がいろいろと整っているのに対して診療所はそういうものがない」とか、「採血しても結果がすぐわからないので、また行かないといけないのがおっくうだ」という意見をよく耳にしました。勤務医時代は、その日の検査結果を見て薬を出したり、管理栄養士さんによる生活指導をしていたので、病院で行っているようなスムーズな診療をしたいと考えたのが理由です。血液検査などの検査機器があり、管理栄養士がいることで、検査結果を聞きに来るために後日また来院する必要はなく、その日のうちに栄養指導まで受けることができます。

診察時に心がけていることはありますか?

患者さんの話を聞くことですね。糖尿病の治療を中断してしまう患者さんで、医師との相性が良くないとおっしゃるのは、医師がする治療の説明に受け入れ難さを感じているんだと思うんです。自分の話を聞いてほしいと思っている患者さんは多いので、できるだけ聞くようにしています。そうすることで、お互いに理解し合って治療を円滑に進めることができると思っています。ただ、時間の制約もありますから、できるだけ聞けるよう努力しています(笑)。そして、医師である私自身に気持ちのアップダウンがあっては冷静な診断はできないので、気持ちの波をつくらずいつも同じスタンスでいることを心がけています。

気持ちの波をつくらないためにはリフレッシュも必要ですね。休日はどう過ごされているのですか?

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勤務医時代は休日も仕事をすることが多く、それが習慣になっているので、今でも休日は仕事がてらパソコンに向かっていることが多いですね。ですが、患者さんに「運動をするように」といつも言っていますから、私も積極的に歩くことを意識して名古屋駅までの散歩を楽しんでいます。おしゃれも大好きなので、散策がてらのウインドーショッピングです。何か目的がないとウオーキングも続きませんからね(笑)。

糖尿病患者の食生活改善に注力

朝食会などを行い、栄養指導に力を入れているそうですね。

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糖尿病の患者さんにとって、食生活改善は大きな問題ですが、長年の食生活を変えるのはとても難しいことです。当院では、少しでも患者さんの生活改善に役立ててもらいたいと考え、栄養指導のための朝食会や「寺子屋とうにょう」という教室を開催しています。朝食会は、空腹時の検査をしてから朝食を取っていただき、その後もう一度検査をして、食後の血糖値を確認していただきます。コロナ禍以前は、患者さん同士、楽しくおしゃべりしながらお食事していただいていましたが、今は残念ながら黙食でお願いしています。管理栄養士が考えた、塩分の少ないバランスが良いメニューでレシピも提供しているので、患者さんもご自宅で実践しやすいと思いますよ。「寺子屋とうにょう」では、意外と知らない糖尿病についての知識を、医師、管理栄養士、薬剤師、理学療法士などがそれぞれのテーマでお話ししています。

今後の展望をお願いします。

コロナ禍を経て、オンライン診療に取り組んでいきたいと思うようになりました。当院には、近隣の高齢者だけでなく遠方に引っ越してもかかりつけ医として通ってくださる患者さんもいらっしゃいます。オンラインで、遠方の方や多忙な方、生活習慣病を改善したい方などのお役に立てればと思います。ダイエットや肥満、美容などについても気軽に相談してください。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

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糖尿病の治療をされている方は、とにかく続けてください。普段の生活の中では特別なことは必要ありません。食生活も極端に偏っていなければ、よく言われる範囲で十分ですし、意識して体を動かすことで運動不足も解消されます。これらは糖尿病予防という観点でも有用ですよ。予防という意味では、体質的な問題もあるので、糖尿病を患った親御さんをお持ちの方は注意してくださいね。そして、皆さんにもっと自分の健康状態を知ってほしいと思っています。自分は健康だと思ってらっしゃる方が多いのですが、まずは定期的に健診を受けて、その結果に再検査や医師の診察を勧めるものがあれば、面倒くさがらずに再検査や診察を受けてくださいね。かかりつけの医師に相談するだけでもいいですよ。それが早期発見、早期治療につながり、健康維持の源になるんです。

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