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頻尿は若い人から高齢者まで
早めの受診を

皆川クリニック

(千葉市花見川区/新検見川駅)

最終更新日:2022/07/11

皆川クリニック 頻尿は若い人から高齢者まで 早めの受診を 皆川クリニック 頻尿は若い人から高齢者まで 早めの受診を
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最近トイレが近くなった、急に尿意が襲ってきて我慢できないなどの症状に悩んでいる人もいるかもしれない。これらの原因の多くは過活動膀胱によるものと考えられ、ある研究によれば、国内の過活動膀胱の患者数は約800万人以上と推定されるという。ただ、こうした悩みは人に相談しにくい上、年齢のせいなどと思って泌尿器科を受診していない人も多いそうだ。泌尿器科を専門とする「皆川クリニック」の皆川真吾院長は、「常にトイレのことを気にしなくてはならず、生活の質を低下させる大きな原因となります。投薬をはじめ有用な治療方法がありますので、早めに泌尿器科を受診してください」と話す。そんな皆川院長に、排尿トラブルの原因や治療法などについて話を聞いた。

(取材日2022年5月27日)

頻尿や急な尿意は過活動膀胱が原因かも。男性は前立腺肥大症の併発も

Qトイレが近いと悩んでいる人が多いと伺いました。
A
皆川クリニック 広々とした待合室

▲広々とした待合室

日中、何回もトイレに行く。夜間就寝中にトイレで目が覚める。急に尿意が襲ってきて我慢できない。トイレに間に合わず漏れてしまうなどといった排尿のトラブルに悩んでいる人はとても多いです。年齢的には40歳代から増え始め、高齢になるほど増加します。ただ、こうした尿のトラブルはなかなか他人に相談しにくい上、年齢のせいだからと諦めている人も少なくありません。あるいは、恥ずかしいからと受診をためらう人もいますが、決して恥ずかしいことではありません。また、頻尿の原因は病気のこともあれば、単に水分の取り過ぎのこともあり、対処方法が違います。ですから、こうした症状で困っていれば早めに相談していただきたいですね。

Qその原因について教えてください。
A
皆川クリニック コミュニケーションを大切にしている診療方針

▲コミュニケーションを大切にしている診療方針

これらの原因の多くは、過活動膀胱によるものと考えられます。頻尿の中でも早くトイレに行きたくて焦る。尿意を少しでも感じたら我慢できないといった切迫感を伴うのが過活動膀胱です。強い尿意があるにもかかわらず尿の量は少しで、またすぐに排尿したくなるといった点も特徴ですね。本来、大人の膀胱は、300~400ccの尿をためられますが、過活動膀胱では膀胱のセンサーが過敏になって、尿がさほどたまっていないのに尿意が生じます。また、加齢によって膀胱の柔軟性が悪くなることも一つの要因と考えられます。ほかに、腰椎ヘルニアや脳梗塞などで中枢神経がダメージを受けた時に、過活動膀胱が引き起こされるケースもあります。

Q男性と女性では違いがあるのですか。
A
皆川クリニック 膀胱の模型

▲膀胱の模型

女性の場合は、今、お話しした過活動膀胱が多いですが、男性の場合は、過活動膀胱のほかに前立腺肥大症によって頻尿が起きることがあります。前立腺は、膀胱の出口で尿道を取り囲むように存在していますが、加齢とともに誰でも肥大します。肥大すると尿道を圧迫し、尿が出にくくなったり、尿意の刺激が強くなったりすることがあります。また、尿が出にくいので排尿しても膀胱に多くの尿が残り、その後ためこむことができず、結果として頻尿になるのです。尿の勢いが弱い。排尿に時間がかかる。おなかに力を入れないと尿が出ないなどといった症状を訴える人も多いですね。男性では、前立腺肥大症と過活動膀胱を併発している場合も多く見られます。

Q症状を放置するとどうなるのでしょうか。
A
皆川クリニック 模型を利用したわかりやすい説明

▲模型を利用したわかりやすい説明

症状をそのままにしておくと、常にトイレのことを気にしなくてはならず、外出を控えたり、旅行も楽しめなくなったりするなど、好きなことができなくなる。そうすると本人に精神的なストレスがかかるほか、対人関係にも悪影響を与えるなど、生活の質が低下することになります。さらに、あるきっかけでトイレが近くなり、その後、精神的な不安や緊張から常に心配して頻繁にトイレに行く心因性頻尿になる場合もあります。また、これらの排尿トラブルの背景には、膀胱結石や膀胱炎、膀胱がんなどの病気が隠れていることも考えられます。根本的な原因を見つけるためにも、頻尿や突然の強い尿意などの症状があれば早めに受診しましょう。

Q過活動膀胱の治療について教えてください。
A
皆川クリニック 機器を使った治療風景

▲機器を使った治療風景

まず、内服薬で治療を行います。大きく2系統の薬がありますが、それらを服用して症状の改善を図ります。これらの薬を3ヵ月以上服用しても症状が改善しない、いわゆる難治性の過活動膀胱の場合には、ボツリヌス毒素製剤膀胱壁内注射療法を行います。この治療では、膀胱鏡を用いて膀胱の内側の筋肉に薬剤を注射することで、その緊張を緩め、症状の改善を図ります。日帰りで受けることができるほか、麻酔をしますので痛みなどもほとんど感じることはありません。毒素と聞くと、何か危険な薬ではないかと思うかもしれませんが、ボツリヌス毒素製剤は世界各国で使われ、国内でもこれまで眼科や皮膚科領域の診療でも使用されている薬です。

ドクターからのメッセージ

皆川 真吾院長

頻尿や急な尿意などで悩んでいても、なかなか受診しにくいという方や年だから仕方ないと考えている人も多いと思います。ですが、排尿のトラブルは生活の質を落とす大きな要因です。これからの長い人生を考えた時に、排尿のトラブルを抱えたまま生きていくのは人生の喜びを半減させてしまうかもしれません。今は、有用な治療薬もありますし、内服薬によって効果が見込めない場合や投薬治療が受けられない場合は、ボツリヌス毒素製剤膀胱壁内注入療法も可能です。症状が改善につながれば、服薬や尿パッドの使用で制限されていた日常生活のQOL向上も望めるでしょう。症状で悩んでいる方は気軽に相談に来てください。

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