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齋藤 裕 院長の独自取材記事

斎藤クリニック

(蕨市/蕨駅)

最終更新日:2020/04/01

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蕨駅西口、駅前からのびる蕨ピアロード商店街を抜け、少し脇道にそれた場所にある「斎藤クリニック」。スタイリッシュな白い外壁が目を引く同クリニックは、2018年10月にリニューアルを完了。院内は白を基調としながら鮮やかなブルーがアクセント。さらに吹き抜けから注ぐ自然光が気持ち良い空間へと仕上げてくれている。廊下や待合室には多くの絵や美術作品が展示され、医療の現場でありながら芸術文化の発信も行っているそう。同院は1949年に先代が現在の地に開院し、長年地域に根差した医療を提供してきた。キャリアを重ね、先代の高齢化に伴い、齋藤裕先生が院長に就任。今回、齋藤先生にさまざまな話を聞いた。
(取材日2019年5月31日)

医療文化の中から芸術的な文化も発信できたなら

クリニック内にたくさんの絵が飾られており、ギャラリーのようですてきです。

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これらの作品の多くは、私と親交のあるアーティストさんのものになります。医師や入院中あるいは通院中の患者さんが描いた蕨の風景画や、以前の病院前の入り口横に白蓮が咲く場所があり、そこを描いたものなど、さまざまな作品を展示しております。展覧会で受賞されている方をはじめ、さまざまな人が集まってきて、さまざまな作品を持ってきてくれるんですよ。当クリニックは医療の現場ではあるけれど、医療文化の中から、芸術的な美術品主体の文化を発信していきたいと思っています。ここはモダンな作品を作る方が多く、芸術的な地域と感じています。アーティストの皆さんを応援したい気持ちもありますし、作品を鑑賞することで患者さんが少しでも癒やされてくれたらいいなと思っています。

クリニックをリニューアルされたそうですね。

はい。2018年10月に建て替えてリニューアルオープンしました。この場所は父の代からの診療を行っています。父は初め、蕨の駅前通りで診療を行っていたのですが手狭になり、ちょうど私が1歳の1949年、こちらへ診療所を移転してきました。その後、増床を行ったり、新しく建て替えて44床の入院設備を備えた環境で診療を長く続けていました。移転してから50年ほど経過した頃、建物も古くなってきたため、建て替える計画を立てましたが、地域の区画整理が始まり自由に建てられない状況に。その内に医療制度も変化し、流れに身を任せつつ時代に沿う形で医療提供を続け、念願のリニューアルを終えて現在の姿に落ち着きました。

先生のご経歴を教えてください。

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1973年に東京医科大学を卒業し、脳神経外科にて研鑽を積んでおりました。その後、大学院にて博士論文の執筆のために免疫の研究を行いました。今で言うところの免疫学の基本的な考え方を学びました。免疫とは二度なし病と言いますが、例えばはしかは一度かかると二度目はかからないでしょう。その一度かかったことを体はどこで覚えているのか、というのを研究していました。その後、ニューヨーク州へ渡り2年半の勉強。そこでは脳神経外科を視野に入れた勉強をし、ウイルス性脳炎の診断方法を確立することができました。帰国後は大学へ戻り、脳神経外科の臨床、3次救急で経験を重ね、父が高齢になったのをきっかけに当クリニックを継承して院長に就任。現在に至ります。

本来あるべき医療の姿で、疑問を持つ姿勢を忘れずに

先生が診療の際に大切にされていることは、どのようなことでしょう。

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患者さんの訴えをよく聞くことです。患者さんが自分自身のことを表現するのって難しいと思います。痛みを訴えていても、原因は違うところにあり、訴えだけを聞いて訴えの通りに対処しても治らないんですね。頭痛であれば、風邪の場合もあるし、他の要因の場合もあるでしょう。真の原因を探るために、患者さんの認識する訴えから情報を引き出し、医学上の意味合いに結びつけるようにしています。患者さんは診察室で緊張してしまう方もいるので、本来話したいことが話せない場合もあります。ですから、スタッフにも患者さんとコミュニケーションをとってもらい、その情報を私に伝えてもらうこともあるんですよ。

スタッフの方と連携して診療されているのですね。

スタッフとは長い付き合いになりますし、頼れる存在です。父の代からスタッフ育成にも力を注いできました。昔は入院設備のある病院をしていたので、地方から人を呼び、学校に通ってもらい、資格を取り、後に当院で働いてもらうという、スタッフ育成をしていました。現在のスタッフ4人も父が育て、ずっと一緒に働いています。近隣にも父が育てた方が働いていたり、資格を取って地元に帰った方がいたり、当院で働いたりと、さまざまです。人を育てていくことは大変な面もありますが、成長を感じる時などうれしいこともあります。また、診療のほうでは私の息子が月に1、2度来て手伝ってくれています。息子は消化器外科の医師です。

先生が医師として研鑽されてきた中で、影響を受けた方はいらっしゃいますか。

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当クリニックを継承する以前にいたそれぞれの場所で教わることが多く、影響を受けました。脳神経外科時代には、きちんとした医療をするようにと教わりました。いつもと同じと考えてはいけない、目の前の患者に向き合って診療していくことで見落とさないし、信頼もしてもらえると。免疫の研究時代には、常に考える姿勢を学びました。現状を当たり前と思わずに、どうしてこうなったのかな、本当のところはどうかな、という疑問をもつ思考です。アメリカでの研修時代には、周りに目を配ることを教わりました。いつも周りに目を配っていれば、新しい医療に関係することがどんどん出てくる。上手に利用し、患者を治していくことが大事なんだと。これらの3つを念頭に置き、初心を忘れずに診療にあたっています。

家族の様子を見てほしい。変化の伝達が診療の助けに

脳神経外科を標榜されていますが、どのような症状のときに受診するのがよいのでしょうか。

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頭痛、めまい、手足が動かない、しびれ、気持ちの変化など、何かおかしいと感じたら受診してほしいですね。気持ちの変化は脳の変化からくるものです。認知症も神経内科が研究してきた分野であり、脳神経外科では認知症の治療を行うことが可能です。認知症はアルツハイマー型が広く知られていますが、実際のところアルツハイマー型の方ばかりではないです。極度のビタミン不足からくるものや、髄液をたまらないようにするだけで改善に向かうものなど、認知症にもいくつか種類があります。一般の方が認知症を理解することは難しい面もありますので、何かおかしいと思ったときは相談してもらえるとよいですね。

脳神経外科の他、クリニックで行っている診療や特色を教えてください。

一般内科、外科、その他に在宅診療、理学療法、健康診断も行っております。在宅診療は、昔の病院時代から入院を終了した際、入院できないのなら家で診てほしいという、患者さんからの要望がきっかけです。病気の末期を自宅で過ごしたいので診てほしいという内容が多いので、患者さんとご家族の希望や要望に沿って診療を進めています。理学療法としては、慢性の疾患をどのようにして緩和していけるか。完全に良くなることが難しい場合だとしても、せめて痛みとともに暮らしていけるレベルまでにしたいと思っています。また、CT・エコー・心電図は診断を確実にするために重要な設備と考えております。検査だけを希望される方もいますので、健康診断も受けつけています。

読者や患者さんへのメッセージをお願いします。

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家族の変化をよく見てほしいと思います。変化の善し悪しを見てほしいですね。細かなことが医療現場では検証につながります。病院の中でも看護師が患者のちょっとした変化を見て知らせてくれる内容が、すごく重要な場合もあります。専門用語は必要ありません。医療の言葉じゃなくていいんです。どんな時に、どんな場所で、どんな様子なのか、自分の言葉で気がついたことを伝えてもらいたいですね。例えば、頭痛の症状にしても頭痛のことばかりではなく、状況を話してもらうことで、実は風邪の症状の1つだったなんてこともよくあるんですよ。一つの症状にとらわれず、遠慮せずにたくさんご自身の言葉で話してくださいね。何かおかしいと感じる感覚を大切にし、気になることがあれば気軽に相談に来てもらえたらと思います。

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