マイクロスコープで行う根管治療
精密な検査で歯のひびの発見も
ちば歯科診療室
(横浜市瀬谷区/三ツ境駅)
最終更新日:2022/07/12
- 保険診療
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細かな作業が必要とされる歯科診療。中には歯の根の汚れ・歯石の除去、ひびの発見など、肉眼では見えない作業も多く、治療にあたっては歯科医師の経験や勘に頼らざるを得ないことも。そんなときに役立つのがマイクロスコープだ。これを用いれば、実際に目で見ながら作業できるため、適切な診査・診断や精密な治療につなげていくことが可能になるのだという。「マイクロスコープをうまく活用することで、患者さんの負担を減らしながら、質の高い治療を提供することを追求していきます」と話すのは、「ちば歯科診療室」の千葉倫也院長。同院では虫歯や歯周病の検査・治療、根管治療、かぶせ物の製作、インプラント治療など、さまざまな場面でマイクロスコープを用いている。そんな千葉院長に、マイクロスコープのメリットや活用法について教えてもらった。
(取材日2019年7月4日/情報更新日2021年11月9日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Qマイクロスコープとは、どんな機器なのでしょうか?
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A
簡単に言うと、医療用の顕微鏡です。視野を約20倍にまで拡大できるので、肉眼では見えないものが見えるようになります。例えば、歯の根の中は狭くて暗く直接見ることができないため、これまでは手探りで根管治療をしなければなりませんでした。そうすると、どうしても歯科医師の経験や勘に頼ることになってしまいます。しかしマイクロスコープを使えば、根の先端まで見ることができるので、必要以上に削ることを避けながら、汚れなどの取り残しがないようにしていくことが可能です。もちろん使いこなすためには訓練が必要になりますが、正しく使うことで、患者さんの負担を減らしながら、適切な診査・診断、治療が可能になるといえるでしょう。
- Qこちらではどのような診療で使用していますか?
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A
根管治療や虫歯治療のほか、歯周病治療にも用いることが多いですね。例えば、歯茎の奥深くに付着した細菌や歯石を除去するほか、「いつも同じ部位が腫れる」「なかなか腫れが引かない」といった場合に、歯石の取り残しがないかを診査する上でも役立ちます。また、抜歯のセカンドオピニオンで受診される患者さんに用いることもあります。診断に迷うようなケースこそ、患部を拡大して精密に診査することで適切な判断が下しやすくなると考えています。ほかにも詰め物やかぶせ物が歯にフィットしているかの確認やインプラント治療など、さまざまな場面で使用しています。今後は歯科衛生士にもメンテナンス時に活用してほしいですね。
- Qマイクロスコープを活用すると、多くのメリットがあるのですね。
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A
これまで見えなかったものが見えるわけですから、適切な診断と精密な処置を行う上でメリットは大きいと思います。特に「診断」に関しては、その後の治療内容にも影響するだけに慎重に診ていく必要があります。例えば、抜歯が必要かどうかの基準の一つに歯根破折がありますが、マイクロスコープを使えば肉眼などではわからない細かなひびも確認しやすいので、場合によっては抜歯しなくて済むこともあります。また、「治療」に用いれば必要最低限の処置で済むため、患者さんの負担が少なくて済むでしょう。さらに撮影した画像を患者さんに見てもらうこともできるので、お口の状態を把握することで治療へのモチベーションアップにもつなげられます。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1問診やカウンセリング
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受付を済ませたら問診票に記入。その後の問診では、歯科医師から、どこが・どのように・どれくらい・いつ頃から痛いのかなどの確認がなされる。続いて、必要に応じてマイクロスコープで患部をチェック。マイクロスコープで拡大して見ることで、肉眼では見ることのできない虫歯の深さや歯の根の割れ、ひび割れ、神経の状態などを確認でき、歯が痛む原因などを見つける手立てになることもあるそうだ。
- 2CT画像を撮影し、治療計画を立案
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続いて、エックス線撮影やCT撮影なども行い、歯や顎の骨の状態などを確認。これらの結果から総合的に判断し、治療計画が立てられる。治療でマイクロスコープが必要となるのは、「以前に治療した部位が再び腫れた」「治療をしたのに痛みや違和感がなくならない」といった再治療のケースが多いそうだ。マイクロスコープやCTを用いて精密に診査・診断し、原因を追究することで、抜歯せずに済むこともあるという。
- 3マイクロスコープを用いた治療がスタート
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マイクロスコープを使いながら治療開始。根管治療の場合は、麻酔後、治療中に唾液や血液が根管内に入らないようラバーダムを装着。マイクロスコープで患部を確認しながら、歯科医師が根管内にある細菌を丁寧に取り除いていく。2~3回ほど治療を行い、かぶせ物をして終了。細菌をきれいに取り除くことに加え、できるだけ歯にフィットしたかぶせ物をすることが重要なため、適合を確認する際にもマイクロスコープが活用される。
- 4治療後のメンテナンス
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治療が終了したら、毎日の歯磨きなどのケアに加えて、3ヵ月~半年程度に1回、クリニックでクリーニングなどのメンテナンスを受ける。マイクロスコープを使った治療を受けたからといって特別なメンテナンスは必要ないが、詰め物やかぶせ物を少しでも長持ちさせるためには、治療後もしっかりとメンテナンスをして虫歯や歯周病、根の病気などの再発を予防し、健康な口腔環境を保つことが重要となる。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療(1本)/46万2000円~
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マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。