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田中雄大 院長の独自取材記事

メディカルパーク湘南

(藤沢市/湘南台駅)

最終更新日:2020/04/01

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湘南台の閑静な住宅地の一角にある「メディカルパーク湘南」。院長の田中雄大先生の専門である不妊治療をはじめ、子宮内膜症などの内視鏡手術、女性特有の病気の検診、さらには分娩までを扱っている、すべての女性にとって頼もしい存在のクリニックだ。数多くの体外受精を手がけてきた不妊治療のエキスパートである田中先生だが、謙虚な姿勢と優しい笑顔を忘れない。そんな先生がインタビュー中に何度も口にしたのは、「われわれは妊娠のほんのお手伝いをしているだけ。妊娠するのはあくまでも患者さんです」という言葉。不妊治療の主役が患者本人であるということを常に考えてくれる田中先生になら、確かに身を委ねてみたくなる。
(取材日2014年11月26日)

大学病院レベルの医療を心がけながらも、誰もが集える”和みの場所”

「メディカルパーク湘南」というクリニック名にはどのような思いが込められているのでしょう?

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産婦人科というのは、ここで生まれる赤ちゃんから、子宮筋腫など各種検診で来られる方、不妊治療をされる方、更年期障害でお悩みの年配の方まで、多様な年代の方が来られる場所です。そういう意味で、老若男女、誰もが集える公園、そのようなイメージで名付けました。また、がんの終末期医療や認知症のように家族が大変な思いをされる分野とは違って、産婦人科は常に“明るさ”がある分野ですから、みんなが笑顔になって集まってもらえるような場所でありたいといった思いも込めています。その実現のためにも、「先端の医療と最高のおもてなし」を提供できるような環境作りを心がけていますが、開院から2年余りが経ち、たくさんの患者さんが、この医学的な意味での公園に集まってくださるようになりました。産科に関しては近隣の方が多いのですが、婦人科に関しては遠方からいらっしゃる方も多く、一度、インターネットで日本地図の白地図をダウンロードして塗りつぶしたことがありますが、かなり埋まりました(笑)。日本国内だと沖縄から来る方もいらっしゃいますし、イタリアやチェコスロバキアから来られる方も。誰もが集える公園。開業時に立てた目標は達成されつつあると実感しています。

もともとはこの近くで別の名前のクリニックを開業されていたそうですね。どういった思いから移転・改名に至ったのですか?

以前は「湘南IVFクリニック」と言い、2009年に開業しました。IVF(In Vitro Fertilization)とは、体外受精のことなのですが、前のクリニックでは自身の専門である不妊治療に特化し、産科は開設していませんでした。普通、個人開業医は、お産だけ、あるいは不妊治療だけ、と特定の分野のみを専門にしているところが多く、湘南IVFクリニックもまさにそのような形でした。ですが、日々の診療を通じ、自分の中にある情熱が湧き上がってくるのを感じるようになりました。それは、不妊治療をやるなら分娩まで取り扱うのが専門の医師としての義務だろう、という思いです。特に体外受精で妊娠した方というのは、合併症の可能性があるなど、ただでさえリスクが高いわけですから、妊娠のお手伝いだけではなくて出産までの過程を責任もってあたることで、すべての治療が完結したと言えるのです。そんな思いから、産科の専門の医師わってもらい、新体制となってできあがったのがメディカルパーク湘南です。

こちらでは大学病院レベルの手術設備も整えているとか。

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はい。それもリニューアルするにあたっての一つの理由だったのですが、どんなことが起きても手術ができる環境を整備しておきたいというのがありました。婦人科の診療では、子宮内膜症があるとか子宮筋腫があるとか、手術を避けられないケースがたくさんありますので、すべての選択肢をベストな状態で提供するためにも、手術設備を充実化させることが重要だと考えています。特に内視鏡に関しては、私にとっては不妊治療と並ぶもうひとつの専門ですから、さまざまな機械をそろえています。内視鏡というのは映像の世界になりますので、映像のクオリティーによっても手術の精度が大きく変わってくるものです。そこで当院では、内視鏡手術のためだけに組んだ特殊なモニターシステムを導入。天井から宙づりになった5枚のモニターに映る高精細の映像を駆使することで、緻密な手術が実現できていると思います。先ほども申し上げたように、個人開業医ではお産か不妊治療のいずれかに特化したスタイルが多い中で当院は、お産と不妊治療の両方を行い、しかも手術まで対応していますから、そういった点では非常に珍しいと思います。

不妊治療はゼロか100の世界。患者からの「ありがとう」を求めてまい進の日々

今の体制になってから、来られる患者さんにも変化が見られましたか?

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変化を感じることはありますね。手術を希望していらっしゃる患者さんが多くなったと思います。それまでは不妊治療の選択肢として体外受精しかなかったのが、手術にも対応できる体制になってから選択肢の幅が格段に広がりましたからね。私は前々から、現在の不妊治療において、内視鏡手術を中心とした外科的治療と体外受精を中心とした生殖補助医療、この2つがかい離していることについて疑問視していました。不妊治療を進めるにあたって、内視鏡手術と体外受精は本来、車の両輪のような関係であり、この両輪がうまくかみ合って初めて理想の不妊治療が実現できるものなのです。そのため、内視鏡のスペシャリストと日本生殖医学会生殖医療専門医という双方の視点からこの両者を結び付けることで、最高の医療サービスの提供を心がけています。当院にいらっしゃる方は、患者さんご自身がネットなどを使って調べてくるケースはもちろん、近隣の病院から紹介で来られる方も多いです。また、公立病院や大学病院から内視鏡手術の患者さんを紹介されることも。当然患者さんにも、私たちにもリスクがありますが、それでも紹介してもらえるということを意気に感じながら、やりがいをもって治療にあたっています。

では、不妊治療の専門家として、患者さんと接するときにこだわっている点を教えてください。

不妊治療というのは、成功するかしないか、ゼロか100の世界で中間のないシビアな分野です。患者さんにとって、ここに来て良かったと思えるのは、“妊娠した”という結果を得たときだけですから、その達成に向けてどうしたらいいかを常に考えています。これは職員にもよく言うことですが、どんなに技術が発達して質の高い技術を提供したとしても、どんなに医師が言葉を尽くしたとしても、妊娠率が100%になることはありません。また、人間の体を扱っている以上は、合併症が起こるなど想定外のことがたくさん生じます。そうした中で私たちにできることというのは、他のどんな病院よりも高度なことを完璧に行うという姿勢で患者さんと向き合うことが大事だと思っています。私たちが100%出し切ることによって、たとえ妊娠しなかったとしても、「ここで妊娠できなかったのだからしょうがない」、手術にしても、「ここで合併症が起こったんだからしょうがない」と思ってもらえる。そのための環境をどこまで提供できるか、ということですから、診療の際の言葉ひとつとっても、職員の態度も、医療機器や設備も、ハードもソフトもどんな細部にわたっても、常に全力投球を続けることが重要です。

不妊治療の患者さんはさまざまな不安を抱えているでしょうから、心のケアも重要なポイントですよね。

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そうですね。不妊治療をしている患者さんは、妊娠したいという強い気持ちから精神的に追い込まれていることも多いです。そのため、妊婦さんを見るのもつらい、といった方も少なくありません。そこで当院では、不妊治療を担当する婦人科と分娩を担当する産科で、受付をした後の動線をまったく別にしています。それぞれに待合室があるので、婦人科の患者さんと産科に通われる方が顔を合わせることはありません。また、患者さんと接する時には、「頑張りましょう」という言葉は一切使わず、「治療はいつでもやめられる」という姿勢をアピールしています。人生、妊娠だけがすべてではありません。気負いすぎてしまって、ご夫婦の大事な人生設計を狂わせないでほしいのです。不妊治療を行っているクリニックでは、患者さんに寄り添うために不妊カウンセラーを置いているところも多いですが、私は年間1500件の体外受精に関わる中でひとつの答えに行き着き、あえてカウンセラーを置いていません。その答えとは、このゼロか100かの分野では、「一万の言葉よりもひとつの妊娠」が患者さんにとっての治療だということです。治療で結果を出すことに勝るカウンセリングはないのです。

女性たちの健康を増進することが使命であり義務

2013年に、加齢などの要因により未受精卵子を凍結することに関するガイドラインを日本生殖医学会が発表しましたが、こちらでは卵子凍結も行っているそうですね。

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はい。本来、未受精卵子の凍結は、例えば若くして白血病になった方が、抗がん剤などを使用して治療をしないといけないために、治療を開始する前に卵子を採取して保存しておく場合に行うものですが、近年、晩婚化や出産年齢の高齢化を理由に未受精卵子の凍結を希望される患者さんはけっこういらっしゃいます。マスコミの報道をみて、自分もやってみようというふうに思う方も多いようです。でも、間違った認識の方もたくさんいるので警鐘を鳴らしたいところです。実は未受精卵子は、最終的に妊娠まで行く可能性ってものすごく低いのをご存知ですか? 卵子は非常にもろいため、それを採取して凍結し、その後融解して受精させて、分割、着床といったプロセスを踏むのは非常にハードルが高いことなのです。一方、受精した卵はとても強いので、それを凍結するのと、単に卵子だけを凍結するのでは妊娠の確率が全然違います。受精卵1個の凍結に匹敵する卵子の個数は10〜20個とか。それだけ可能性が低いということです。マスコミの報道ではそうしたことは明らかにされていないため、若いうちに凍結しておけば後々安心、といった内容をうのみにされてしまうようです。

ほかにもそのようなトピックがあるそうですね

新型出生前診断がそうですね。あれは妊娠9週ぐらいの時期に採血することで、ダウン症など胎児の染色体異常を調べることができる検査です。従来の羊水検査などと比べ侵襲性の低いことで注目をされていますが、あの検査で陽性と出たからといって、採血だけで染色体に異常があるのかを確定することはできません。陽性と出たらその後、どのみち羊水検査を受けることになります。その点がマスコミの報道では漏れてしまっている点です。お母さんの年齢が若ければ、ダウン症児は1000分の1ほどと低い確率だと言われていますので、ダウン症ではないだろうと、確認程度の気持ちで検査を受けるならメリットはあるでしょう。でも、ある程度の年齢に達していて、なおかつ不妊治療もしているのでダウン症の可能性も考えられるな、とご自分で思われている方だとすると、もし新型を受けられて陽性反応が出たら羊水検査を再度受けないといけないといけないため、誰にとってもメリットが大きい検査だとは言えないかもしれません。年齢やその方のお体の状態などによっても恩恵が大きいか小さいかは大きく違ってきますから、ただただマスコミの報道をうのみにして安易な気持ちで受けるのではなく、妊娠されたらまずは主治医の先生と相談し、決められるといいと思います。

では最後に、読者の皆さんにメッセージをお願いします。

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ちょっと偉そうな感じになってしまいますが、当院は先端の医療技術とおもてなしの姿勢を大事に、大学病院に匹敵するレベルの環境を整えていると自負があります。検診だけではなく、分娩も手術も不妊治療もすべてのことに対応できるからこそ、多くの患者さんからご支援をいただき、優秀な医師が集まってくれているのだと感じます。婦人科の病院には多様な患者さんがいらっしゃいますが、子宮内膜症や子宮筋腫のように一生付き合っていく病気もあります。病院をちゃんと受診していれば治る病気も多いのに、そのままにしている方がかなりいらっしゃって、婦人科の場合、行政から検診のチケットが送られてきても4、5%ほどしか受けていないらしいです。アンケートをすると、検診は必要だと回答している人が90%近くいるのにもかかわらず、この受診率の低さなのです。検診受診のハードルをいかに低くして、女性たちの健康を増進していくかが、われわれの使命であり義務であると思っています。その大義名分を追求することによって、多くの方からご支援いただいて、信頼を積み重ねていくものなのではないでしょうか。結局病院を支えるのは患者さんの信頼ですから。これからもひとつひとつ信頼を重ねていきたいです。

自由診療費用の目安

自由診療とは

●体外受精/2個採卵し、1個受精。初期新鮮胚で移植した場合 153,360円~
●胚凍結/1個あたり32,400円~
(すべて税抜き)

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