木村 暁弘 院長、木村 絢子 副院長の独自取材記事
南新宿クリニック 耳鼻科・小児科
(渋谷区/新宿駅)
最終更新日:2025/07/08

JR山手線新宿駅から徒歩5分、京王線新宿駅から徒歩1分。アクセス至便なビルの6階に2013年に開院した「南新宿クリニック 耳鼻科・小児科」。院長は日本耳鼻咽喉科学会耳鼻咽喉科専門医の木村暁弘先生、副院長は日本小児科学会小児科専門医、日本アレルギー学会アレルギー専門医の木村絢子先生で、耳鼻咽喉科と小児科の診療連携が大きな特徴のクリニックだ。2025年5月、主に待合室をリニューアルし、患者がよりリラックスして過ごせる快適な空間となった。「小児科を中心に据え、多世代にわたって受診できる地域密着型のクリニックをめざしています」と語る2人に、待合室リニューアルや診療の特徴、今後の展望などについて聞いた。
(取材日2025年5月22日)
待合室を中心にリニューアル。より快適な空間に
リニューアルをされた経緯と、どのようにリニューアルされたかを教えてください。

【暁弘院長】キッズコーナーをなくして仕切りを減らし、以前よりも待合室が広くなり、開放的な空間となりました。 受付も以前より少し広くなっています。今回のリニューアルでは、新型コロナウイルス感染症の流行を機に高まった親御さんたちの感染症への意識を重視し、感染症対策を徹底しました。その一環としてキッズコーナーをなくしたのですが、ただなくすだけでは寂しいという思いから、お子さんたちが触って遊べるモニターを導入しました。 これにより、待ち時間をより快適に過ごせる環境を整え、お子さんたちに楽しい体験を提供したいと考えています。内装はモスグリーンなどの色味を取り入れ、ナチュラルで安心感のある雰囲気を意識しました。具合が悪くて気持ちが落ち込んでいる方もいらっしゃると思うので、少しでも安心して受診できるような温かい雰囲気づくりを心がけています。
感染症対策を継続していらっしゃるのですね。
【暁弘院長】当院は、換気が非常に優れている点が大きな特徴です。 院内は待合室・処置室・耳鼻咽喉科診察室・小児科診察室が窓に面しているので全方位でしっかり換気でき、患者さま同士が十分に距離を取れるようスペースもあります。いわゆる「3密」を避けるだけでなく、新型コロナウイルス感染症の流行が過ぎても持続的な感染症対策への安心感を提供し続けたいと考えています。また、当院では、通常の待合室とは別に隔離室もあります。待合室と隔離室は入り口から分かれていますので、安心して来院いただけると思います。
クリニックの特徴をお聞かせください。

【暁弘院長】当院は小児の診療を中心に、子育て世代の親御さんを応援しようというコンセプトで2013年に開院しました。院長の私が耳鼻咽喉科を、副院長が小児科を担当し、連携を取りながら診療を行っています。
【絢子副院長】耳鼻咽喉科と小児科の診療には深い関わりがあります。小児科では、鼻水や発熱といった症状で受診されたお子さんが、風邪ではなく実は中耳炎だったということも珍しくありません。どちらの科にかかればいいのか迷ったときに一度に両方の科を受診できれば、迅速な診断と治療につながります。当院は土日も診療していますので、特に共働きの親御さんに喜ばれていて、それが私たちの励みにもなっています。
耳鼻咽喉科と小児科が連携し、専門性を生かした治療を
暁弘院長はいびきと睡眠障害の診療を得意とされていると伺いました。

【暁弘院長】いびきや睡眠障害は、日常生活に大きく影響する重要な問題であると考えており、近年注目されています。近隣の埼玉県、千葉県など遠方からも「なかなか診てくれる所が少ない」と睡眠障害でお困りの方が多数いらっしゃいます。当院ではお子さんのいびき専門の診療も行っています。お子さんのいびきや無呼吸は、お子さん自身の成長だけでなく、親御さんの睡眠にも影響を及ぼすことがあります。当院では、ファイバースコープを用いて、空気の通り道である上気道の状態を詳しく観察し、物理的な異常がないかを確認します。これにより、いびきの原因や重症度を評価して適切な治療へとつなげ、睡眠の質の改善を図ります。小児科と連携し、アレルギーや全身の評価、生活面でのアドバイスも行っています。
絢子副院長はアレルギー性疾患がご専門だそうですね。
【絢子副院長】私自身も幼少期からアトピー性皮膚炎を持つアレルギー体質だった経験があり、その経験が医師をめざすきっかけにもなったため、患者さんの立場に立った診療を心がけています。当院では「アレルギー科」を新設し、アトピー性皮膚炎、じんましん、食物アレルギー、アレルギー性鼻炎、気管支喘息などのアレルギー疾患に対応しています。例えば、アトピー性皮膚炎の治療では、ただ塗り薬を処方するだけでなく、正しい塗り方や日常生活での注意点についても詳しく説明し、患者さんと一緒に治療を進めています。また、食物アレルギーに関しては、かかりつけ医として登録いただいた患者さんに対し、管理栄養士とも協力しながら、食事のアドバイスや栄養相談などきめこまやかなフォローアップを行っています。小児科診療室で治療を行っていますが、大人の方も対象となっておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。
耳鼻咽喉科と小児科が連携するメリットは何でしょうか。

【絢子副院長】お子さんの風邪など、どちらの科を受診すべきか迷う場合もあるかと思いますが、当院では、必要に応じて両方の医師が連携して診療にあたることが可能です。同じ電子カルテを使用しているため、小児科と耳鼻咽喉科で情報共有がスムーズに行われ、異なるアプローチから多角的に診ることで、より精度の高い診断と適切な治療につながると考えています。例えば、小児科を受診し、副院長が診察した際に、耳鼻咽喉科での診察も必要だと判断した場合は、院長の診察状況にもよりますが、その日のうちに耳鼻咽喉科を受診できるよう手配することも可能です。緊急ではない場合でも、後日改めて耳鼻咽喉科を受診していただく際に、小児科での診療内容が電子カルテで共有されているため、スムーズに診察を進めることができます。
多世代で通えるクリニックをめざす
院内のデジタル化にも力を入れていらっしゃるそうですね。

【絢子副院長】医療を取り巻く環境は、近年大きく変化しています。新型コロナウイルス感染症の流行をきっかけに、ウェブ問診や時間予約制、セミセルフレジなどを導入しました。感染拡大を防ぐために何ができるかを考えた結果でありますが、来院から会計までの時間を短縮し、患者さんの院内滞在時間を少なくできたり、スタッフの事務作業に費やす時間を減らすことで患者さんと向き合う時間を増やせたりなどのメリットがあり、患者さんが安心して来院できる環境づくりに役立っています。また、患者さんだけでなく、スタッフの働き方にも良い影響を与えています。自動電話応対システムなどを導入することで、本来人間にしかできない業務に集中できる環境を整え、スタッフがより働きやすく、質の高い医療を提供できるような体制づくりを進めています。
スタッフとのチームワークの良さも伝わってきます。働きやすい環境なのですね。
【暁弘院長】そうありたいとは常に考えており、スタッフの残業時間を削減することに力を入れています。以前に比べて残業時間は着実に減っていますね。また、早番制度を導入しました。これは、早く出勤する代わりに早く帰宅できるというシステムで、特に子育て中のスタッフから好評を得ています。早番制度の導入に合わせて、早朝診療も開始しました。登校・登園前のお子さんを連れて来院される親御さんの利便性を高めるために、通常よりも早い時間帯に外来を開けるものです。現在は、SNS登録者限定で実施していますが、多くの方に助かっているという声をいただいています。
今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

【暁弘院長】当院は「今小さなお子さんが将来は自分の子どもを連れて親子で受診するようなクリニック」、「ご家族3世代で受診していただくようなクリニック」というビジョンを掲げています。これからも、かかりつけ医として患者さまと末永くお付き合いしていきたいと思っています。耳鼻咽喉科については、近隣の補聴器店と連携しながら補聴器の外来にも力を入れていますので、ご相談ください。
【絢子副院長】開院から12年がたち、赤ちゃんだった患者さんも小・中学生になっておられます。お子さんたちが健やかに成長していく姿を見られることは、小児科の医師にとって大きな喜びです。これからも医療を通して、お子さんの成長をしっかり見守っていきたいですね。