木村 暁弘 院長、木村 絢子 副院長の独自取材記事
南新宿クリニック 耳鼻科・小児科
(渋谷区/新宿駅)
最終更新日:2021/10/12
JR新宿駅徒歩5分、京王新線新宿駅徒歩1分の「南新宿クリニック 耳鼻科・小児科」。2013年に開業した同院の大きな特長は、耳鼻咽喉科と小児科の診療連携。院長は日本耳鼻咽喉科学会耳鼻咽喉科専門医の木村暁弘先生、副院長は日本小児科学会小児科専門医、日本アレルギー学会アレルギー専門医の木村絢子先生。妊婦専用の診療枠を設けているほか、アレルギー、いびき、補聴器などには専門性のある診療を提供している。換気や消毒の徹底、時間予約制やウェブ問診、小児科のオンライン診療など感染症対策にも注力。「ウィズ・コロナ、アフター・コロナの時代にも安心して受診いただけるよう体制を整え、患者さまの不安な気持ちに寄り添う医療を提供したい」と語る二人に話を聞いた。
(取材日2020年9月14日)
耳鼻咽喉科と小児科の専門家が連携するクリニック
クリニックの特徴をお聞かせください。
【木村院長】当院は小児の診療を中心に、子育て世代の親御さんを応援しようというコンセプトで2013年に開院しました。院長の私が耳鼻咽喉科を、副院長が小児科を担当し、連携を取りながら診療を行ってます。2019年には院内をリニューアルし、聴力検査室の増設と電子カルテのバージョンアップを行いました。さらに非常勤の先生方に診療に加わっていただくことで、水曜日、祝日を除きすべての診療時間帯で耳鼻咽喉科と小児科をオープンできる体制を整えました。
各科が連携するメリットは何でしょうか。
【絢子副院長】耳鼻咽喉科と小児科の診療には深い関わりがあります。小児科では、鼻水や発熱といった症状で受診されたお子さんが、風邪ではなく実は中耳炎だったということも珍しくありません。どちらの科にかかればいいのか迷ったときに一度に両方の科を受診できれば、スピーディーな診断と治療につながります。当院は土日も診療していますので、特に共働きの親御さんに喜ばれていて、それが私たちの励みにもなっています。
【木村院長】それぞれで同一カルテを使い、患者さまの情報を共有していますので、検査や薬が重複してご負担をかけるようなことがありません。また、耳鼻咽喉科と小児科の受診が同じクリニックで済ませられることは、利便性が高いだけでなく不特定多数の人との接触機会を削減することにもつながります。感染症対策の面でも連携のメリットは大きいのではないでしょうか。
通常の待合室とは別に隔離室が完備されていますね。
【木村院長】はい。待合室と隔離室は入り口から分かれていますので、安心してご来院いただけると思います。また、院内は待合室・処置室・耳鼻科診察室・小児科診察室が窓に面しているのでしっかり換気でき、患者さま同士が十分に距離を取れるようスペースもあります。さらに、時間予約制や来院前に患者さまのスマートフォンやパソコンから問診票を入力できるウェブ問診システムを導入し、院内での待ち時間短縮に努めるなど、新型コロナウイルスの流行に伴う感染対策にも取り組んでいます。
【絢子副院長】小児科では、当院の受診歴があり、かつ東京都23区内で医療証をお持ちの方を対象にオンライン診療を実施しています。気管支喘息などの慢性疾患で症状が安定している方のお薬の処方や、軽症であれば風邪などの急性疾患にも対応しています。病状によっては来院をお願いすることもありますが、ご心配な場合はご連絡いただければと思います。
それぞれのスペシャリティーを生かした診療を行う
院長はいびきと睡眠障害の診療を得意とされていると伺いました。
【木村院長】はい。大学病院や睡眠障害専門のクリニックで睡眠医療に携わってきました。その経験を生かし、当院では大人の患者さまを対象にした、いびき・睡眠時無呼吸専門の診療のほか、子どものいびき専門の診療も行っています。成人に関しては睡眠時無呼吸の認知度も高まっていますが、小児についてはあまり知られておらず、診断・治療を行う医療機関も多くないのが実情です。睡眠の質がお子さんの学力にも影響するともいわれており、気にされている親御さんが増えているようです。当院にも他県を含む遠方から来院される方がおられます。
【絢子副院長】お子さんのいびきや睡眠時無呼吸が重症化すると、心身の発達に影響を及ぼす可能性もあります。耳鼻咽喉科では局所の治療を、小児科ではアレルギーや全身の評価、早寝早起きといった生活面でのアドバイスを行うなど、連携しながら診療を行っています。
副院長はアレルギー疾患がご専門だそうですね。
【絢子副院長】はい。日本アレルギー学会アレルギー専門医として、大学病院のアレルギー外来で診療していました。当院の小児科では風邪症状をはじめ、お子さんの病気に幅広く対応していますが、アトピー性皮膚炎や気管支喘息、食物アレルギーなどアレルギー疾患のご相談が多いですね。アレルギー疾患の治療では適切な投薬はもちろんですが、日々の生活の中で病気とどう付き合っていくかという視点も大切です。スキンケアの方法や環境整備など、各ご家庭の生活スタイルを踏まえたアドバイスを心がけています。
耳鼻咽喉科に妊婦さん専用の外来枠を新設されたそうですね。
【木村院長】はい。妊娠中は「耳管開放症」といって、耳の閉塞感や自分の声が耳元で大きく聞こえるといった不快な耳の症状が起こりやすくなります。耳管開放症は聴力悪化や耳の機能低下の心配はなく、妊娠が原因の場合は出産後に自然治癒することがほとんど。ただ、治療を要する他の疾患が隠れていることもあり、受診をお勧めします。妊婦さん専用の時間帯を設けることで、安心してご来院いただけるのではないでしょうか。また、ご希望があれば、受診された妊婦さんには当院の小児科診療のご案内もしています。出産後は赤ちゃんのお世話で大変ですから、妊娠中にかかりつけの小児科を探しておきたいというニーズは高いようですね。
【絢子副院長】その際、乳児期に接種が必要なワクチンの種類や接種スケジュールについての資料をお渡ししています。また、当院ではワクチン接種時に生後2ヵ月健診を同時に行うことも可能です。お気軽にご相談ください。
家族3世代で受診してもらえるクリニックをめざして
そのほか、力を入れている治療があればお聞かせください。
【木村院長】当院ではスギ花粉症、またはダニが原因のアレルギー性鼻炎に対する根本的な治療の1つである舌下免疫療法を行っています。これまで成人の方のみを対象としていましたが、5歳以上のお子さまにも舌下免疫療法を導入できるようになりました。保険適応になった初年度から当院では舌下免疫療法に取り組んでおり、最近は親御さまが舌下免疫療法の効果を感じているのをみて、お子さまが自分もやりたいと言って、親子で行うようなケースもあります。
また今後は、需要が高まっている補聴器への対応もより充実させていきたいと考えています。補聴器は、町の眼鏡屋さんや電器屋さん、通信販売などでも購入できますが、せっかく購入してもきちんと聞こえない、耳に合わないといったこともあるようです。事前に耳鼻咽喉科の医師の診察を受け、補聴器の専門員と相談して試聴・貸出しなどを経て購入することが大切だと思います。
お子さんから高齢者まで、幅広い年齢層のニーズに対応されておられるのですね。
【木村院長】そうありたいと思っています。当院は「今小さなお子さんが将来は自分の子どもを連れて親子で受診するようなクリニック」、「ご家族3世代で受診していただくようなクリニック」というビジョンを掲げています。ホームドクターとして患者さまと末永くお付き合いしていきたいと思っています。
【絢子副院長】開院から7年がたち、赤ちゃんだった患者さんも小学生になっておられます。お子さんたちが健やかに成長していく姿を見られることは、小児科の医師にとって大きな喜びです。これからも医療を通して、お子さんの成長をしっかり見守っていきたいですね。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
【木村院長】新型コロナウイルス感染症の流行により、医療の在り方が大きく変わりました。当院でもこれまで以上に院内感染対策に力を入れています。これからも患者さまの感染への不安・心配な気持ちに寄り添い、ウィズ・コロナ、アフター・コロナの時代に対応した医療をお届けしていきたいと思います。