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藤井仁美 院長の独自取材記事

多摩センタークリニックみらい

(多摩市/小田急多摩センター駅)

最終更新日:2020/04/01

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京王・小田急線多摩センター駅から徒歩3分。白いカモメが羽ばたく青い看板が目を引く、大通りに面したガラス張りの「医療法人社団ユスタヴィア多摩センタークリニックみらい(理事長:宮川高一)」。広々とした院内には明るいスタッフがキビキビと動き回り、活気があふれている。気さくで多くの患者から信頼されている藤井仁美医師が大切にしているのは「患者と対等・平等に向き合うこと」。大学卒業後、小さな病院で高齢者や生活の悩みを抱える患者たちと真摯に向き合った。現在は院長としてクリニックを切り盛りし、スタッフの指導や地域の医療活動にも積極的に取り組んでいる。自ら患者の懐に飛び込んでいく思いやりあふれる藤井院長に糖尿病専門医を志したきかっけ、患者への思い、今後の展望など興味深いお話を伺った。
(取材日2015年7月14日)

栄養士やトレーナーも患者をサポートする心強いクリニック

この地域の患者さんの特徴について教えてください。

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「多摩ニュータウン」は40〜50年くらい前に集団で転居して来られた方が世代的に固まっており、経済水準、インテリジェンスの高い地域だと思いますね。当クリニックにいらっしゃる患者さんは、ホームページで検索したり、知人のクチコミで来られる方が多いです。外国の方を採用しているIT企業もあり、インド、中国・台湾、韓国、エジプトの方も来院されますね。疾患としては、当クリニックには糖尿病の専門医を常勤5人、非常勤1人擁しているので糖尿病、副院長が内分泌の専門医でもあるので甲状腺の患者さんもいらっしゃいます。

クリニックの大きな特徴について聞かせていただけますか。

当クリニックの専門は糖尿病を中心とする慢性疾患ですが、そうすると患者さんの日常生活に関わってくる部分が多いので看護師のみならず栄養士や検査技師、トレーナーなどの職種がたくさんおり、療養相談、疾患教育に力を入れております。トレーナーはエアロビやヨガ、ノルディックウォーク、あるいは転倒予防などの教室も開催し、日常の運動を指導しております。公共の施設を使う場合もあり、患者さんを中心に周りの市民も参加していただいているのですよ。栄養士の場合、調理教室を開いたり、診療とセットの栄養相談もしております。「患者会」では、患者さんの役員とも相談しながら、バーベキューをしたり、秋の旅行でそばを打ったり「同じ釜の飯を食べる行事」に参加することで、患者さん同士の経験交流の場にもなっております。特に日本では糖尿病人口の5%と、比較的珍しい疾患である「1型糖尿病」の、若い患者さんも多いので、交流の場を持つようにしております。

日本糖尿病学会認定の教育施設と伺いましたが具体的にどのような施設ですか?

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当クリニックは東京のクリニックとしては初めての日本糖尿病学会認定の教育施設となりました。糖尿病学会の指導医が複数常勤していることやカリキュラムを作ることなど、さまざまな条件を満たさなくてはなりません。専門医を育てる教育施設になるので、日本の様々な地域から糖尿病専門医になるために医師が研修に来ます。また、患者さんへのメリットとしては、専門医が複数在籍しているので24時間の血糖測定検査や、リアルタイムで自分の血糖を見ながらポンプを使うという治療が可能です。血糖測定の機械を皮下に装着、ポンプの画面に血糖値の近似値が表れるので、患者さんがその数値を見ながら、低血糖や高血糖を防いだり、なぜこの血糖になったのかを、ご自身でリアルタイムで分析できます。

小さな病院で糖尿病患者と向き合った日々が今へ繋がる

先生が糖尿病専門医を志したきっかけは何ですか?

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私は大学で糖尿病を専門としていたわけではなく、卒業後そのまま、東京の中小規模の病院に飛び出しました。そこで、糖尿病患者さんたちと出会ったのが糖尿病の専門医になりたいと思ったきっかけですね。しばらくその病院や診療所で臨床医として糖尿病患者さんを診療し、それから大学院へ入り直し、疫学について学びました。成人病から「生活習慣病」と呼ばれるようになった糖尿病。運動不足や食生活がダメというレッテルを貼られることも多いですが、実際には、遺伝的な体質やどうにもならない生活環境によって発症・進展することも多いもの。疾患の治療のために生活保護を受けたくて相談に行ったけど、窓口で断られたという話もよく聞きました。私自身の糖尿病患者さんに対する根本的な思いは、このような経験からですね。また最近では薬物療法の進化により、非常に改善する患者さんもあり、一概に「生活習慣」だと自己責任にするのは間違った姿勢ではないかと気づかされます。1型の患者さんも「治らない病気」と悲観することなく、治療法は日々進化していますし、「いつかは治る」病気として展望を持って治療に取り組んでいただけるように、医療チームで様々な角度からサポートに取り組んでおります。

1型糖尿病とは2型糖尿病の違いについて教えてください。

フィンランドやカナダなど北国に多い1型糖尿病ですが、人種的・遺伝的な体質に、風邪などのウィルスに感染することをきっかけに発症すると言われております。年齢に関係なく発症するので、10代や20代の患者さんも就職や結婚・出産など悩むことも多いのです。高齢者人口の増加する日本では、2型糖尿病は自然増加している部分も大きいですね。1型と2型の治療方法の違いとして、1型は膵臓が破壊されてしまうので必ずインスリン注射が必要です。生活習慣が原因ではないので、足りないインスリンを補うこと。ただ現在のインスリン療法にはまだ限界があるので、うまく効くような生活に、調整しなければならない部分もあります。2型は一般的に食事療法や運動療法など生活習慣を整え、薬物療法ですね。最近は経口剤だけではなく、インスリンやそれ以外の注射剤も種類が豊富です。

患者さんと向き合う時に一番大切にしていることは何ですか?

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情報を提示しながら理解・納得していただいた上で治療に取り組めるよう心がけています。患者さん一人ひとりのことをよく知り、生活環境や経済状況のせいで十分に治療を受けられないということを解決できたらと思っております。例えば、どんどん新薬が開発され、インスリン療法も値段が高い治療ですが、経済的に困難な患者さんはそのことをわかって治療法を選択できるということと、お金がないために最適な治療が受けられないということをなくしたいなと考えています。それは世界も同じで、国連の定めた「世界糖尿病デー」というのがありますが、発展途上国などで治療が受けられなくて命を落とすといったことが無いように、クリニックでも啓蒙活動その他に取り組んでいます。NPO西東京臨床糖尿病研究会というグループでも、医師やコメディカルスタッフが集まって、災害医療やインスリンポンプ療法、介護の現場での教育活動など様々な活動に取り組んでいます。

医療チームとして治療価値を見いだせる診療内容をめざして

スタッフの指導で心がけていることはありますか?

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職員同士のコミュニケーションや患者さんに対する接遇はしっかりしているので心配しておりません。常に管理部も心を砕いています。ただ、女性職場で、母親として子育てをしているスタッフは多いですが、社会的な問題に目を向けたり、経済的に厳しい生活をしていらっしゃる患者さんなどに、プロフェッショナルとして対応できるスタッフであってほしいと思っております。予約通院日にいらっしゃらず治療中断してしまった患者さんの中には、様々な問題を抱えている方もいます。そんな時はお手紙を書き連絡をすることもあります。そうするとそのスタッフ宛てに手紙や電話が来て、本音が聞けることもあります。患者さん個々が抱える悩みや相談はそれぞれですが、患者さんが治療価値を見いだせる診療内容であることが大事。医師と患者は一対一ですが、スタッフも「顔が見える関係づくり」を大切にして、医療チームとして患者さんと向き合っていけるように心がけております。

先生の趣味や休日の過ごし方についても聞かせてください。

趣味は旅行で、学会のついでに海外へ行くことが多いですね。最近は戦跡めぐりをしていて、アウシュビッツや中国、韓国、ベトナム、沖縄にも行きました。戦争の歴史が風化してしまう前に歴史や空気を感じたいというところでしょうか。あとは趣味ではありませんが、やはりクリニックへ来てくださった患者さんとお話している時間や年に数回の「患者会」に参加している時間が楽しいですね。「何か面白い話は……?」と問うと、月に一度の通院日に、患者さんがネタをメモして持ってきてくださることもあって、うれしい気持ちになります。

最後にこれからの展望と読者へのメッセージをお願いします。

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ここ3年くらい、多摩市の医師会に理事として出ておりますが、当クリニックだけではなく地域の他の医療機関とも連携して糖尿病患者さんを診ていきたいなと思っております。うちは栄養士やトレーナーなどもおりますので、資源を生かしながら、内科や眼科の開業医の方々とも幅広く連携を取って、外来の治療に取り組んでいきたいですね。他にも歯科や、精神科、整形外科などさまざま課題があります。今年は住民の相談会なども企画しておりまして、自身が糖尿病だとわかっていても治療できてない患者さんへの働きかけや、糖尿病の予防活動をしていけたらと思います。1型の糖尿病は女性が多く、2型の糖尿病は男性が多いと言われておりますが、健康診断を受けず気付いてないだけの方もいらっしゃいます。数年前から健康保険で健康診断を受けるシステムになっておりますが、社会保険者本人の旦那さんは受けていても、健保家族の奥様は受けていないケースもままあるようです。ぜひ早めに健康診断を受けていただき、もし糖尿病の疑いがあった場合は、ご自身だけで悩まず気軽に当クリニックへお越しください。

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