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藤井 仁美 院長の独自取材記事

多摩センタークリニックみらい

(多摩市/小田急多摩センター駅)

最終更新日:2021/10/12

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多摩センター駅から徒歩3分、白いカモメが羽ばたく青い看板が目を引く「医療法人社団ユスタヴィア多摩センタークリニックみらい」。理事長は宮川高一先生が務める。広々とした院内では明るいスタッフがきびきびと動き回り、活気にあふれている。気さくな性格で多くの人から慕われる藤井仁美医師が大切にしているのは、「患者と対等・平等に向き合うこと」。大学卒業後、小さな病院で高齢者や生活の悩みを抱える患者たちと真摯に向き合ってきた。現在は院長としてクリニックを切り盛りし、スタッフの指導や地域の医療活動にも積極的に取り組んでいる。自ら患者の懐に飛び込んでいく、思いやりあふれる藤井院長に日本糖尿病学会糖尿病専門医を志したきかっけ、患者への思いなどを聞いた。

(取材日2015年7月14日)

管理栄養士やトレーナーの心強いサポートが光る

この地域の患者さんの特徴について教えてください。

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「多摩ニュータウン」は40~50年くらい前に集団で転居して来られた方が世代的に固まっており、経済水準、インテリジェンスの高い地域だと思いますね。当院にいらっしゃる患者さんは、インターネットで検索したり、クチコミで来られる方が多いです。外国の方を採用しているIT企業もあり、インドや中国、台湾、韓国、エジプトの方も来院されますよ。主訴としては糖尿病が多く、当院では日本糖尿病学会糖尿病専門医を常勤・非常勤ともに複数人擁しております。また、内分泌代謝科を専門とする医師も複数人おり、甲状腺疾患にも対応しています。

クリニックの大きな特徴を教えてください。

当院の専門は、糖尿病を中心とする慢性疾患です。患者さんの日常生活に関わる部分が多いので、看護師のみならず管理栄養士や検査技師、トレーナーなど多職種で療養相談、疾患教育に力を入れております。トレーナーはエアロビクスやヨガ、ノルディックウォーク、あるいは転倒予防などの教室も開催し、日常の運動指導をしています。公共施設を使う場合もあり、患者さんを中心に地域の方にもご参加いただいていますよ。また、管理栄養士は調理教室や、診療とセットの栄養相談もしております。「患者会」では、患者さんの役員とも相談しながら、バーベキューをしたり、秋の旅行でそばを打ったり「同じ釜の飯を食べる行事」も開催してきました。特に日本では、糖尿病人口の5%といわれる「1型糖尿病」の若い患者さんも多いので、こうした交流の場が大切かと思います。

貴院は、糖尿病を専門とする医師を教育する役割も担っていると伺いました。

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当院は、東京のクリニックとしても早い段階で糖尿病を専門とする医師の教育にあたるようになりました。そのためには、糖尿病専門医が複数常勤していることやカリキュラムを作ることなど、さまざまな条件を満たさなくてはなりません。教育を行っていることで、日本のさまざまな地域から医師が研修に来ます。また、患者さんへのメリットとしては、糖尿病専門医が複数在籍しているので24時間の血糖測定検査や、リアルタイムで自分の血糖を見ながらポンプを使う治療が可能です。血糖測定の機械を皮下に装着すると、ポンプの画面に血糖値の近似値が表れるので、患者さんがその数値を見ながら、低血糖や高血糖の予防や、なぜこの血糖になったのかをご自身でリアルタイムに分析できます。当院では、CGM(持続血糖モニタリング)、iCGM(間欠的血糖モニタリング)、SMBG(自己血糖測定)の検査も可能です。

小さな病院で糖尿病患者と向き合った経験を今に生かす

先生が糖尿病専門医を志したきっかけは?

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大学卒業後に入った都内の中小規模病院で、糖尿病の患者さんたちと出会ったことですね。その病院や診療所で臨床を行う医師として診療した後、大学院へ入り直し、疫学について学びました。「生活習慣病」と呼ばれる糖尿病は、運動不足や食生活が悪いというレッテルを貼られることも多いですが、実は遺伝的な体質やどうにもならない生活環境によって発症・進展することも多いのです。疾患の治療のために生活保護の相談に行ったけど、窓口で断られたという話もよく聞きました。私自身の糖尿病患者さんへの根本的な思いは、このような経験から来ています。また最近では薬物療法の進化で、改善をめざせるようになり、一概に「生活習慣」と自己責任にするのは間違った形では、と気づかされます。1型の患者さんも「治らない病気」と悲観せず、治療法の進化によって「いつかは治る」と希望を持って治療に臨めるようサポートしています。

1型糖尿病と2型糖尿病の違いについて教えてください。

フィンランドやカナダなど北国に多いといわれる1型糖尿病は、人種的・遺伝的な体質に加え、風邪などのウイルス感染に起因するといわれています。年齢に関係なく発症するので、10代や20代の方も就職や結婚・出産など悩むことも多いのです。高齢者人口の増加する日本では、2型糖尿病は自然増加している部分も大きいですね。治療方法の違いですが、1型は膵臓が破壊されてしまうのでインスリン注射が必要です。生活習慣が原因ではないので、足りないインスリンを補うこと。ただ現在のインスリン療法にはまだ限界があるので、うまく作用するよう、生活習慣の調整も必要です。2型は一般的に食事療法や運動療法など生活習慣を整え、薬物療法ですね。最近は経口剤だけではなく、インスリンやそれ以外の注射剤も種類が豊富です。

患者さんと向き合う際一番大切にしていることは?

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情報を提示し、理解・納得していただいた上で治療を行うことですね。各患者さんのことをよく知り、生活環境や経済状況のせいで十分な治療が受けられないという方の力になりたいのです。例えば、インスリン療法は費用のかかる治療ですが、経済的に困難な患者さんにも選択できるようにしたいと考えています。それは国外でも同じで、国連の定めた「世界糖尿病デー」では、発展途上国などで治療が受けられず命を落とすことがないように、クリニックでも啓発活動などに取り組んでいます。NPO法人西東京臨床糖尿病研究会というグループでも、医師やメディカルスタッフが集まり、災害医療やインスリンポンプ療法、介護の現場での教育活動などさまざまな活動に取り組んでいます。

医療チームとして「価値を見いだせる診療」をめざす

スタッフの指導で心がけていることはありますか?

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職員同士のコミュニケーションや患者さんに対する接遇は、常に管理部も注意しています。子育てをしているスタッフも多く、社会的な問題に目を向け、経済的に厳しい生活をされている患者さんなどに、プロフェッショナルな対応をしてほしいと思っております。また、予約通院日にいらっしゃらず治療中断してしまった方には、お手紙を書くこともあります。するとスタッフ宛てに電話や手紙が届き、本音が聞けることもあります。患者さんが抱える悩みは人それぞれですが、皆さんが価値を見いだせる診療内容であることが大事です。医師と患者は一対一ですが、スタッフの顔も見える関係づくりを大切にし、医療チームとして患者さんと向き合いたいですね。

趣味や休日の過ごし方についても伺います。

趣味は旅行で、海外へ行くことが多いです。戦跡巡りが好きで、アウシュビッツや中国、韓国、ベトナム、沖縄にも行きました。戦争の歴史が風化する前に歴史や空気を感じたいというところです。あとは、やはりクリニックへ来てくださった患者さんとお話ししている時間や、年に数回の「患者会」に参加している時間が楽しいですね。「何か面白い話は……?」と聞くと、月に一度の通院日にネタをメモして持ってきてくださる方もいて、うれしい気持ちになります。

今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

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ここ数年、多摩市の医師会に理事として出ておりますが、地域の他の医療機関とも連携して糖尿病患者さんを診ていきたいですね。管理栄養士やトレーナーもいる利点を生かし、内科や眼科などの開業医の方々とも幅広く連携し、外来に取り組んでいけたら。また、地域の方の相談会なども企画し、自身が糖尿病だとわかっていても治療できない方への働きかけや、糖尿病の予防活動をしていきたいですね。1型の糖尿病は女性が多く、2型の糖尿病は男性が多いといわれますが、健康診断を受けず気づいてない方もいらっしゃいます。中には社会保険者本人の旦那さんは受けていても、被扶養者の奥さまは受けていないケースもままあるようです。ぜひ早めに健康診断を受けていただき、もし糖尿病の疑いがあれば、ご自身だけで悩まず気軽に当院へお越しください。

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