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夫婦で一緒に行いたい
早めの不妊検査と治療

井上レディースクリニック

(立川市/西立川駅)

最終更新日:2021/10/12

井上レディースクリニック 夫婦で一緒に行いたい 早めの不妊検査と治療 井上レディースクリニック 夫婦で一緒に行いたい 早めの不妊検査と治療

晩婚化により、妊娠・出産を望む夫婦の年齢も上がり、不妊に対する悩みが増えてきている。不妊の原因は、女性側、男性側、また双方にある場合があるが、男性においては、なかなか不妊検査や治療に積極的になれず、女性に責任を押し付けてしまうことも多いそう。そもそも不妊とは何なのか、検査や治療ではどのようなことが行われるのか、「井上レディースクリニック」の中田浩一副院長に話を聞いた。

(取材日2015年2月2日)

不妊の原因は女性だけでなく男性にもある。夫婦で一緒に検査や治療に取り組むことが妊娠への近道

Qそもそも不妊症とは? またその原因を教えてください。
A
井上レディースクリニック 患者の状況を考慮し、オーダーメイドの不妊治療を行う

▲患者の状況を考慮し、オーダーメイドの不妊治療を行う

教科書的な定義では、通常の夫婦生活を営んでいても2年間以上1度も妊娠しないことを不妊症といいます。晩婚化に伴い、女性が妊娠・出産に向けて動き出す年齢も上がり、当院に不妊検査に訪れる女性の平均年齢は38〜40歳くらいになっています。高齢になればなるほど、卵巣機能が低下し、卵子の質が落ちて不妊になりやすいので、早めに検査や治療を受けていただければと思います。また、最近は男性の側に原因のある不妊も増えています。不妊の原因がわかれば、治療して改善し、妊娠できる道が開けます。年齢によっては、2年と言わず半年、または結婚と同時に不妊について考え、行動を起こすことが大事といえます。

Q一般的にはどのような不妊検査や治療から始めるのですか?
A
井上レディースクリニック 不妊検査は自費診療。異常が見つかったときの治療は保険診療

▲不妊検査は自費診療。異常が見つかったときの治療は保険診療

まず、基本的な検査として、内診や超音波検査、感染症検査、ホルモン検査、子宮卵管造影検査などを行います。もし、何らかの異常や病気が見つかれば、薬や手術による改善を行います。男性に異常があれば泌尿器科を紹介しています。そして、特に異常がなければ、年齢や状況などにもよりますが、不妊治療を「タイミング法→人工授精」と段階を追って各6回(半年)を目安に進めます。タイミング法は、超音波で卵胞の大きさを計測して正確な排卵日を調べ、それに合わせて性交渉を行います。卵子の寿命は約半日、精子は最低2日は生きています。統計的には排卵日の当日よりも、1〜2日前に性交渉をしたほうが、良い結果が出ています。

Qタイミング法がうまくいかなかった場合、人工授精に進むのですね。
A
井上レディースクリニック 倒立顕微鏡で卵子や精子を観察し、良い状態のものを選ぶ

▲倒立顕微鏡で卵子や精子を観察し、良い状態のものを選ぶ

人工授精では、自宅で精子を取って持ってきてもらいます。それを特別な培養液の中に入れて、遠心分離機にかけ洗浄・濃縮します。良い精子は重いので、遠心分離すると下に沈みます。そうして良い精子だけを集め、タイミング法と同じ時期を狙って直接子宮の中に入れ、なるべく多くの精子が卵子の近くに行くようにします。受精する場所は、卵管の真ん中あたりになります。6回目までに妊娠する割合は20%ほどになります。若い方には、妊娠するまで6回は行うように言いますが、年齢の高い方ですと、状況を見て早めに切り上げ、次の段階に進むよう提案することもあります。

Q不妊治療の最終段階が体外受精なのですね。
A
井上レディースクリニック 精子・卵子・胚(受精卵)の取り扱いは胚培養士が行う

▲精子・卵子・胚(受精卵)の取り扱いは胚培養士が行う

卵管が閉塞している場合などは、最初から体外受精になることもありますが、通常は体にも経済的にも負担が少ない治療から始めて最後が体外受精になります。体外受精とはその言葉どおり、シャーレの中で数個の卵子と20〜30万個の精子を混ぜ合わせ受精させます。先に挙げた精子の数が確保できない場合などは、卵に針を刺し直接精子を注入する顕微授精という方法をとります。受精卵は5〜6日培養した後、子宮の中に入れますが、40歳くらいの方ですと、10個の卵のうち子宮に戻せるまでの状態になるのは3分の1もありません。また、体外受精1回の費用は30〜40万円かかりますが、当院は「特定不妊治療費助成制度」を受けられる指定医療機関なので、東京都に助成金を申請することができます。

Q先生が行う不妊検査・治療で特徴的なことを教えてください。
A
井上レディースクリニック 腹腔鏡検査は精密検査という位置づけだが、異常が見つかれば同時に手術

▲腹腔鏡検査は精密検査という位置づけだが、異常が見つかれば同時に手術

私は多摩地区では数人しかいない日本産科婦人科内視鏡学会の技術認定医なので、腹腔鏡による検査・手術を積極的に行っています。それが何に役立つかというと、例えば、子宮卵管造影検査で、子宮内膜症により卵管が癒着し卵子のピックアップ障害による不妊が疑われたとします。卵子が卵管内に入らなければ、妊娠する方法は体外受精しかありませんが、腹腔鏡で癒着があればはがし、卵子の通り道を作れば自然妊娠が可能になるかもしれません。つまり腹腔鏡の検査・手術ができるということは、選択肢をひとつ増やすことにつながります。腹腔鏡検査・手術は、傷が小さくて済むため、術後2〜3日で家に帰れますから、日常生活に支障がでにくいのも利点かと思います。

ドクターからのメッセージ

中田浩一副院長

最初に述べたとおり、不妊の原因は女性だけでなく男性にもあり、治療もまた、男性の協力なくしては進められないこともあります。仕事が忙しく、病院に行くのが難しいなど、理由はあるかもしれませんが、妊娠を望むなら年齢も考慮し、夫婦で早めに行動してほしいですね。奥さん1人よりも夫婦一緒に同じ方向を向いて行けば、つらい不妊治療も違うものになるかもしれません。当院では不妊について基礎からお話しする不妊教室を行っています。興味があればぜひ参加してみてください。また、治療の過程においては、妊活エクササイズや管理栄養士による食事指導が受けられる妊活クラスなど、総合的に妊娠しやすい体作りのサポートも行っていますのでご利用いただければと思います。

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