室谷 哲弥 院長の独自取材記事
リボーンレディースクリニック
(立川市/立川駅)
最終更新日:2024/05/20
立川駅北口から徒歩5分のビルの4階にある「リボーンレディースクリニック」。院内は優雅で、リラックスできる雰囲気。子宮がんや乳がんの検診から子宮筋腫、月経異常、更年期障害まで婦人科の幅広い疾患や症状に対応している。あらゆる年代の女性の心と体のケアに取り組む「女性のための総合診療科」をめざす同院に2024年4月、院長として就任したのが室谷哲弥(むろや・てつや)先生。佐々木研究所附属杏雲堂病院で長年婦人科のがんや良性疾患の手術・治療にあたってきた室谷先生は、婦人科がん検診の啓発にも積極的に携わってきた。優しい笑顔と気さくな雰囲気で「患者さんを家族や大事な人だと思って診察することを心がけています」と話す室谷先生に、今後同院で力を入れていきたい診療や婦人科検診の大切さなどについて語ってもらった。
(取材日2024年3月6日/情報更新日2024年5月16日)
病理を経て婦人科がんの診断と治療に携わるように
先生は、なぜ産婦人科医になられたのですか?
父が産婦人科の医師で、母方の祖父や叔父も医師だったこともあり、自分も医師になるという思いは自然に身についていたように思います。ただ、大学卒業時どの診療科を選ぶかは非常に悩み、複数の教授に誘われるたびに、循環器もいい、腎臓内科もいい、泌尿器科や整形外科、眼科も面白そうだと迷い、決められずにいました。先輩に相談したところ、「病理ならすべてできるよ。病理でいろいろ勉強して最終的に行きたいところを決めたら?」と言われ、最初は大学の病理学教室に入って基礎研究に取り組みました。その後緊急帝王切開時に麻酔をかけ、適切な対応をしたところ、気に入ってくれた佐々木研究所附属杏雲堂病院の先生に誘っていただき、同院の婦人科の医師として働くことに。当時は半年間の予定でしたが、気づいたらそのまま24年間も勤めていました(笑)。
先生の専門分野について教えてください。
産婦人科の医師になってからは子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がんなどの手術や、子宮筋腫、卵巣嚢腫、子宮脱などの手術・治療をしてきました。もともと体の組織の一部を採取して病気の診断を行う病理学を専門的に学んでいたこともあり、がんの検診や診断にも深く関わってきました。日本臨床細胞学会細胞診専門医の資格も取得しています。特にコルポスコピー検査を得意としており、教育講演やセミナーの講師なども務めてきました。コルポスコピー検査は、子宮頸がん検診で何らかの異常が見られた場合に、コルポスコープという腟拡大鏡を用いて子宮頸部の状態を観察し、必要に応じて組織を採取する検査です。コルポスコピー検査を熟知した医師は、コルポスコピー検査でも推定病変の診断が可能です。体に負担をかけないように効率良く検査をし、異常がなければ「大丈夫ですよ」と伝えて安心していただき、必要な場合は迅速に治療に結びつけることを心がけています。
このクリニックの院長に就任されることになった経緯を教えてください。
東京産婦人科医会の活動で、当院の理事長であり姉妹院「井上レディースクリニック」の院長でもある井上裕子先生と出会い、親交を深めてきました。そのご縁もあり、当院の前任の院長先生が退職されることになった時にお誘いいただいたのです。このクリニックを訪れた時、とても女性らしく、温かく、患者さんにリラックスして過ごしていただける雰囲気を感じました。前任の院長先生やスタッフがめざしてきた「女性のための総合診療所」として、これからも多くの患者さんたちに受診していただけるクリニックでありたいと考えています。
効率の良い検査と精密な診断でがんの早期発見をめざす
婦人科がん検診の普及や啓発にも積極的に取り組んでこられたとお聞きしました。
はい。婦人科のがんには子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がんなどがあり、子宮頸がんは、ワクチンや検診で予防や早期発見が見込めます。子宮頸がんの多くは、HPVというウイルスに感染することで起こります。感染してもすべてががんになるわけではなく、感染が続くと細胞が少しずつ変化し、「前がん病変」と呼ばれる、がんになる前の状態を経て子宮がんとなります。子宮頸がんは初期には症状が乏しいため、進行してから発見されることも少なくありません。しかし、検診を受ければがんになる前の段階での発見も期待できるため、早期発見のためにも検診を受けることをお勧めしています。一方、現在の婦人科がん検診のシステムには課題もあり、本来なら心配ない人まで「要精密検査」と判定されてしまうことがあります。そのため、本当に精密検査や治療が必要な人と、心配のない人を正しく診断して、過剰な診断や治療を防ぐことが重要であると考えています。
このクリニックで取り組んでいきたいことを教えてください。
前述のとおり、婦人科のがんの早期発見・早期治療のため、検診を受けていただくようお勧めすると同時に、婦人科のがんや細胞診の専門家として効率良い検査と精密な診断で、心配ない方には安心していただき、経過観察が必要な方は慎重に経過を見て、さらに精密検査が必要な方にはコルポスコピー下の生検を行い、治療が必要な方には適切な医療機関を紹介するといったように、それぞれの患者さんに適した対応をめざしています。検査の所見を画像で見られる機器を導入し、画像を見ながら患者さんにわかりやすく説明できるようにしようと考えています。
女性の良性疾患の診療にも力を入れていきたいとお考えなのですね。
婦人科のがんの治療や予防だけでなく、子宮筋腫や子宮内膜症、月経困難症、更年期障害など、多くの女性にとって身近な病気や症状にも幅広く対応しています。子宮筋腫は、30~40代の女性の4人に1人が持つといわれる頻度の高い病気です。良性の病気ではありますが、場所や大きさなどによっては不妊につながることもあるため、治療が必要な状態か、経過観察でいいか、治療が必要な場合は手術か薬物療法かなど、きちんと診断してフォローアップもしていきます。更年期障害も症状や程度により、女性ホルモンの薬や漢方薬、自律神経を整える薬など、さまざまな対処法があるため、ご相談しつつその方に合う治療を考えていきたいと思っています。
安心して、どんなことでも気軽に相談してほしい
月経痛などつらい症状があっても、がまんして受診しない女性も多いと聞きました。
毎月の月経痛など、月経にまつわる悩みを持つ方も多いですね。でも、それに対してもさまざまな治療法があります。月経痛がひどい原因が子宮内膜症などの病気にあるなら、まずその治療を行うことも必要です。原因を探り、必要な治療をすることで症状が落ち着くこともありますし、薬の種類も多様ですので、悩む前にまずはご相談いただきたいですね。
お忙しい毎日だと思いますが、休日はどのように過ごしていますか?
私は高校、大学と野球をやっていたのですが、医師になってからは忙しくてあまり運動する時間がとれませんでした。でも、40歳になってかなり体重が増えてしまい、妻から勧められてテニススクールに通い始め、それ以来ずっと休日はテニス三昧です。調布市の代表として多摩地区の大会に出て3位になったり、調布市の壮年のダブルスで3位になったこともあります。最近は若い頃のようにはいきませんが、やっぱり趣味のテニスが一番楽しいですし、体にもいいので、これからも続けたいですね。
読者へのメッセージをお願いします。
これまで多くの患者さんの診療をしてきましたが、いつも「患者さんを自分の家族、大事な人だと思って診療する」ということを心がけてきました。婦人科というと、「なんとなく相談しにくい」「女性の医師のほうが話しやすい」という方もいらっしゃると思いますが、私はもう何十年も婦人科の医師をしているので、佐々木研究所附属杏雲堂病院で手術を行った患者さんなど長年診させていただいている方も多くいらっしゃいます。病気の予防や早期発見のための検診はもちろん、月経にまつわる悩みや不調、更年期のイライラや不眠など、女性の不調に関することでしたらどんなことでもお気軽にご相談ください。
自由診療費用の目安
自由診療とは子宮頸がん検診/8800円~、乳がん検診(ピンクリボンコース)/7700円~、さくらコース/1万6500円、ホワイトローズコース/6万3800円、ひまわりコース/3万8500円、お誕生日コース/5500円~
※詳細はクリニックへお問い合わせください。