全国のドクター13,757人の想いを取材
クリニック・病院 156,839件の情報を掲載(2025年5月18日現在)

ドクターズ・ファイル会員でできること

予約情報をマイページ上で管理できます!

過去の予約を一覧化

予約内容の確認

予約の変更・キャンセル※

※一部対象外の医療機関もありますので、あらかじめご了承ください

会員登録がお済みでない方は

すでに会員の方は

  1. TOP
  2. 東京都
  3. 墨田区
  4. 小村井駅
  5. 医療法人社団ソフィア 厚生クリニック
  6. 山崎 舜 先生

山崎 舜 先生の独自取材記事

厚生クリニック

(墨田区/小村井駅)

最終更新日:2024/08/22

山崎舜先生 厚生クリニック main

複数の専門性の異なる医師が在職し、幅広い診療に対応する「厚生クリニック」。2024年4月からは日本整形外科学会整形外科専門医の山崎舜先生が常勤となり、より専門的な整形外科診療が可能となった。骨の状態を確認するためのエックス線検査に加え、筋肉や靱帯の軟部組織の状態を確認するための超音波検査も院内で受けられる。これまで病院で外傷や人工関節の手術に携わってきたという山崎先生。その知識と経験を生かし、手術の必要性も含めて症状をしっかりと見極めている。薬の処方のほか、関節注射、トリガーポイント注射などにも対応。訪問診療でも外来と同様に超音波検査や注射治療が可能だ。今回は山崎先生に、同院の整形外科診療の特徴や、力を入れているという骨粗しょう症の治療について話を聞いた。

(取材日2024年8月2日)

超音波の特性を生かした、精密な診断と適切な治療を

先生はいつからこちらで診療されているのですか?

山崎舜先生 厚生クリニック1

2024の4月から常勤となりました。大学卒業後に、現在当院で院長を務めている渡会昌広先生と出会ったご縁で今ここにいます。実は私自身、子どもの頃に交通事故で大腿骨を骨折して整形外科のお世話になったことがあるんです。入院やリハビリテーションで大変な思いをしましたが、主治医の先生やスタッフの方にとても良くしていただきました。整形外科には、当時の私と同じようにケガをしたお子さんもいれば、高齢の方、また通えなくなって訪問診療を必要とする方もいらっしゃいます。かつて私を支えてくださった先生のように、私もこの地域の皆さんにとって、体の痛みでも日常生活のことでも気軽に相談できる医師になりたいと思っています。

こちらの整形外科では、どのような症状の方が多いのでしょうか?

お子さんですと突き指など運動中のケガ、働き世代の方では腰痛にお悩みの方が多いです。ご高齢になると首・腰・膝などの慢性的な痛み、また骨粗しょう症に伴う骨折も増えてきます。当院ではエックス線と併せて超音波による検査も可能。薬の処方のほか、関節注射、トリガーポイント注射などにも対応しています。手術を必要とする場合には病院へのご紹介となりますが、地域医療の中では病院とクリニックの役割分担があり、クリニックにはその適切な判断が求められます。私はこれまで病院で外傷や人工関節の手術に数多く携わってきました。その経験と整形外科専門医としての知識を生かしながら、病院にご紹介すべきか否かも含めて「診断、重症度」の見極めに努めています。

院内で超音波の検査が受けられるのですね。

山崎舜先生 厚生クリニック2

はい。院内でエックス線と超音波の両方の検査を受けられるのは、当院の特徴の一つでもあります。エックス線では、骨のすり減りや変形、骨折の有無など、骨の状態を確認します。対して超音波では、筋肉や靱帯の軟部組織の状態を確認でき、患部を動かした状態でも検査が可能です。両方の検査を行うことにより、精密な診断につなげていきます。検査だけでなく、治療の際にも超音波の強みが生かされます。例えば肩関節への注射は適切な位置に薬液を注入することが重要なのですが、超音波を用いることでピンポイントな注射治療がめざせます。軟部組織の確認にはこれまで病院でのMRI検査が必要とされてきました。しかし、整形外科の領域ではこのように「より精密に、より短時間で、より安価に、体内金属の有無にもよらず行える」といった超音波の特性を生かした検査や治療が主流になりつつあります。

骨粗しょう症の早期発見が、フレイルの予防につながる

骨粗しょう症の検査や治療についても教えてください。

山崎舜先生 厚生クリニック3

骨粗しょう症の検査は、墨田中央病院など近隣病院と協力して進めています。そちらで骨密度の検査を、当院で血液検査を行い、それらを照らし合わせて骨粗しょう症のリスクを測ります。骨粗しょう症の原因には大きく2種類あり、骨形成の減少もしくは骨吸収の増加です。骨は形成と吸収を繰り返して代謝していくのですが、そのバランスがどちらかに偏ってしまうんですね。骨密度と血液検査でどちらのタイプなのかを見極めて、その後も定期的な検査で経過を見ながら、薬の処方や注射による治療を行います。骨粗しょう症の研究は年々進んでおり、新たな薬も次々と開発されているんですよ。骨密度が数パーセントでも上がれば、骨折のリスクは大きく下がることが期待できます。

骨粗しょう症が進むと、その後の生活にどのように影響してしまうのでしょうか?

骨折自体が大変なことですし、手術で痛みが消えたとしても元の生活に戻れるとは限りません。また慣れない入院生活で体も動かせず、認知症が進んでしまう方もいらっしゃいます。このように、骨粗しょう症は骨密度だけの問題にとどまらず、ご高齢の方の活力低下である「フレイル」にもつながってしまう恐れがあるのです。

骨粗しょう症の患者さんは多いのですか?

山崎舜先生 厚生クリニック4

とても多いです。私が病院で勤務していた頃も、毎日のように高齢の方が背骨や大腿骨を骨折して運ばれてきました。大腿骨については手術が必須となりますし、腰椎の圧迫骨折も体が動かなくなるような重いもの。そのような方があまりにも増えて病床を圧迫してしまうのは、高齢化社会の問題点とも言えるでしょう。現在、国を挙げて生活習慣病の予防に取り組んでいますが、高血圧や糖尿病と同じく、骨粗しょう症も防がなくてはならない病気の一つ。いずれも初期の自覚症状がほぼないのが怖いところです、実は骨には日光浴も必要で、高齢化に加えて新型コロナウイルス感染症の流行下での外出控えが骨粗しょう症の増加に拍車をかけたともいわれています。

自覚症状がないからこそ、患者自身の意識が大切なのですね。

そのとおりです。当院では「健康づくりのきっかけになれば」との思いから、地域の方に向けて院内イベントを開催しています。夏には熱中症について講演会を行ったりと毎回テーマを決めているのですが、骨粗しょう症の講演会には満席になるほど多数の住民の方にご参加いただき、皆さんの関心の高さを感じました。イベントをきっかけにご自身の骨に意識を向け、骨粗しょう症の検査を希望する患者さんもいらしたんですよ。また高血圧や糖尿病の治療を受けている方が、院内ポスターを見て骨粗しょう症の検査を希望されることも。当院の取り組みが骨粗しょう症の早期発見につながるのならば、うれしいことですね。

地域住民のよりどころとなり、地域医療を支えたい

訪問診療もされているそうですが、心がけていることはありますか?

山崎舜先生 厚生クリニック5

訪問診療では患者さんの普段の生活を拝見しながら、患者さんやご家族と時間をかけてコミュニケーションを取っていきます。内科と整形外科の両方の悩みがある患者さんも多く、通院が困難なほどに体調を崩されているのですから、病状の変化にもすぐ気づけるようでなくてはいけません。2023年に墨田区の人口は28万人を超えましたが、その中で65歳以上の方は約6万人、これが2050年には約8万人になると予測されています。地域の医療や福祉、在宅療養後方支援病院との連携を強化しながら、今後も骨粗しょう症の治療や訪問診療に取り組んでいきたいと思います。

今後の展望をお聞かせください。

地域の皆さんのよりどころとなることが当院の方針であり、私も同じ思いです。誰でも病気やケガはしたくないでしょうし、病院やクリニックは「行きたくない場所」だと思うんです。当院ではイベントや情報提供にも力を入れ、皆さんが「行ってみよう」と思えるような場所をめざしています。地域に溶け込み、困ったときには気軽に相談できる場所でありたいですね。私の専門は整形外科ですが、当院には内科、整形外科、小児科、皮膚科、泌尿器科など、それぞれに専門知識を持った先生が在籍しています。当院は看護師や事務職のスタッフもたいへんレベルが高く、人間性、技術面を取っても優秀な者ばかりです。心不全療養や介護支援の知識を持つスタッフもおりますし、生まれも育ちも墨田区という墨田区にゆかりのあるスタッフも多いんですよ。これからも皆で力を合わせて地域医療を支えてまいります。

最後に、読者へメッセージをお願いします。

山崎舜先生 厚生クリニック6

当院では超音波検査を活用し、精密な診断と適切な治療に努めています。また骨粗しょう症は閉経後の女性の方に多いといわれていますが、男性の方にも無関係な話ではありません。定期的に血圧を測るように、骨密度も定期的に測ることをお勧めします。2025年には理学療法士が加わり、整形外科の診療の幅が広がる予定です。首・腰・膝の痛み、外傷など、首から下の「痛み」に関することは何でもご相談ください。

Access