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渡会 昌広 院長の独自取材記事

厚生クリニック

(墨田区/小村井駅)

最終更新日:2025/02/14

渡会昌広院長 厚生クリニック main

小村井駅から明治通りを歩くこと約6分の場所にあるのが、「厚生クリニック」だ。一歩足を踏み入れると、院内は清潔感のある白を基調とするたたずまいが印象的だ。受付では、スタッフが温かな笑みをもって対応する。緊張しがちな患者の気持ちも和らぐことだろう。2023年1月に同院の院長を継承したのが渡会昌広(わたらい・まさひろ)先生。理学療法士を経験した後、循環器内科の医師になった経歴の持ち主である。複数の専門性の異なる医師が在職し、幅広い診療に対応する同院。理学療法士時代の「患者の生活」を見るスタンスは、今でも変わらない。これまでの経験から予防医療、訪問診療、疼痛管理、リハビリテーションへの思いが強まったと話す渡会院長にクリニックに寄せる思いや今後の展望について詳しく聞いた。

(取材日2024年2月29日/更新日2025年1月17日)

モットーは、患者の「生活を診ること」

院長のクリニックに寄せる思いをお聞かせください。

渡会昌広院長 厚生クリニック1

私のキャリアは、理学療法士からスタート。患者さんをより広範にサポートしたいと思い、弘前大学の医学部に編入し医師になりました。医師として大学病院や地域の中核病院で研鑽を積む中で、次第に私の関心が訪問診療へと移ることに。今後は「外来と訪問診療」の双方を強みとするクリニックとして、尽力する所存です。私のモットーは、病気だけでなく患者さんの「生活を診る」こと。当院は多岐にわたる診療に対応しており、幅広い年齢層の皆さまが抱える、さまざまな不調のご相談を承っております。

クリニックで注力されていることを教えてください。

一度治癒された方向けの再発予防や、疾病を未然に防ぐための予防医療に注力しています。私は循環器内科が専門なので、私が行う生活指導は内科的なアドバイスが中心です。また、疼痛、特に関節症のお悩みに対応するため、2024年4月から整形外科の山崎舜先生が常勤となりました。患者さんには、これまで以上にきめ細かなサポートを提供できるようになりました。さらに医師による疼痛管理と併せて、リハビリにも注力していきます。理学療法士の協力を得て新しいアプローチの導入も検討中です。病気や年齢などの理由により運動機能が低下した方に向けて、機能改善を目的とした施術を当院で行っていく所存です。

院長は診療を行う際、どのようなことを心がけていらっしゃいますか。

渡会昌広院長 厚生クリニック2

私が心がけていることは、患者さんを自分の家族だと思い接すること。家族であればどんなアドバイスをするか。そのような感覚を持って、日々診療するようにしています。理学療法士は、患者さんと近い距離で手当てを行う職種。「患者さんの生活背景」を見ながらコミュニケーションを取ることが極めて重要です。私も理学療法士として「患者さんはどのような生活を送っているのか」を考える環境に身を置いていた経験から、現在の医療従事者としてのスタンスが確立。今の「生活を診る」というモットーにつながっています。特に訪問診療の患者さんに対しては、「患者さんの人生設計図」を描き、そこまで考えてくれている先生であれば安心できると感じていただきたい。そのためには病気だけを診るのでは不十分であり、ご家族、ご友人、生活環境などを知ることも必要だと思っています。

理学療法士・医師としての経験が地域医療を下支え

理学療法士から医師になり、院長を継承するまでの経緯について詳しくお伺いします。

渡会昌広院長 厚生クリニック3

8年ほど理学療法士として勤務しました。医師になった理由は、主に2つ。第一に、理学療法士は入院患者さんの症状が再発しないようケアを行うことはできるものの、退院後のサポートを施す機会が少なかったこと。2つ目は、内科的な知識が乏しかったこと。その課題を解決するために、医学部に編入することを決断しました。前職の森山記念病院では、循環器内科の医師として勤務し訪問診療に尽力。次第に「訪問診療の仕組み化」を実現したいという思いが芽生え、それをかなえるために医療機関の責任者になる道を選び今日に至ります。

なぜ院長は医療従事者を志したのでしょうか。

最初のきっかけはとてもシンプルです。子どもの時に両親の肩をもんであげたらとても喜んでくれたんです。誰かに何かを施すことで、喜んでもらえる。それを知ったのが、医療の道を選んだ理由です。私は学生時代に野球をやっていました。でもトップアスリートになるのは難しい。それならばアスリートをサポートする人になろうと考えました。自分も選手としての経験があるので、選手特有の悩み、苦しみを理解できました。患者さんと近い目線に立ちながら、理学療法士として施術を行うことで患者さんが成績を伸ばすことに貢献できたらこんなにうれしいことはありません。患者さんを支えることが、当時の私にとってとても大きな喜びでした。リハビリに携わることで、筋骨格系のアプローチを習得できたので、次は内科的な学びを深めることによって「生活を含めた患者さんの全体」を診る医療人になれるのではと考えました。

勤務医時代も含め、印象に残ったエピソードはありますか。

渡会昌広院長 厚生クリニック4

訪問診療において経験した2つのエピソードにふれさせていただきます。一つは繁盛店の女将さんとして、多くのお客さまから慕われる存在の方。最期はご家族や知人などを含めて30人ほどに囲まれて旅立たれました。その場には涙と笑みが織り交ざる、穏やかな空気が流れていました。その一方で、これと近い時期に天涯孤独で身寄りのない患者さんをサポートしたことも強く印象に残っています。最後の数日間は、私たち医療スタッフが家族のように接することに。その方は、「そばに居てもらって良かった」という言葉を残してくれました。繰り返しになりますが、私のめざすところは、医療人として患者さんの病気を診ることと、人生を見守ることの双方を兼ねること。この経験を通して、自分がめざすべき方向に正しく歩んでいることを実感するとともに、これこそが「本当にやりたいこと」であると改めて確認できました。

患者の不調のケアと今後の人生設計を行うクリニック

診療体制の強みはどこにあると思われますか。

渡会昌広院長 厚生クリニック5

当院の強みの一つは、専門領域を有する複数の医師が在籍していること。自分の専門以外の診療については、別の医師が互いにカバーし合う体制を整えております。症状ごとに別の病院に出向くというのは、患者さんにとって大きなご負担になると思います。患者さんの負担軽減に役立てたらうれしいですね。また3人の看護師についてもアピールしたいポイントです。当院の看護師は、心臓リハビリ、心不全療養、介護支援などについて専門的に学んだ経験を持ち、患者さんに対する食事指導やお薬に関するアドバイスなども行ってくれます。全スタッフが私のめざす方向を理解してくれていることも、院長としてとても心強く感じています。

患者が知っておいたほうが良いことがあれば教えてください。

患者さんには、ご自身の血圧、脈拍などの数値に関心を持っていただけたらと思います。市販の血圧計などを利用して意識的に測定してもらうことで、自分の状態を客観的に知ることが可能に。不安な値が出た場合は、遠慮なく連絡してください。患者さんとのコミュニケーションの機会を重ねることが、より良い医療を提供することにつながると思っています。また患者さんから、「今日の血圧は150で高く頭痛がした」、「血圧計がエラーになって動悸もした」などの情報を伝えてもらえると、診察時の貴重な参考情報としてとても助かります。また、食べたものや運動量などについてもメモなどに残し、それらをお知らせいただくことで適切な診断につながり、お薬の処方などにも有用です。

最後に今後の展望をお聞かせください。

渡会昌広院長 厚生クリニック6

今後わが国の医療は、これまでの入院治療や外来診療を中心とする体制から在宅医療へとシフトしていくと思われます。この状況下において私がやるべきことは、できるだけ速やかに「訪問診療の仕組み化」を具現化すること。近隣の医療機関と連携する形で進めていくのが理想で、この連携については外来においても考えています。近隣の医療機関で退院を控える患者さんやそのご家族が、当院のサポートを求めてくださる場合はお応えさせていただきます。反対に当院でのサポート中に再度入院が必要になれば再度連携するなど、スムーズに対応させていただきます。また現在は、リハビリ分野も強化すべくスペースの確保について模索中です。今後については、待合室をカフェスペースのような空間にし、より気軽に通っていただけるクリニックにすることも構想中。今後も患者さんの安心、笑顔につながるチーム医療に邁進してまいります。

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