睡眠の質の改善をめざす
歯科での睡眠時無呼吸症候群治療
イズミ歯科
(墨田区/押上(スカイツリー前)駅)
最終更新日:2021/10/12


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「ちゃんと寝ているはずなのに日中に眠気に襲われる」「眠りが浅く、眠っている途中に何度も目を覚ます」といった話はよく聞くもの。気にはなりつつも、よくあることだからと特に対策を取らずに流しがちだが、このような症状がある場合は「睡眠時無呼吸症候群」の可能性があるという。睡眠時無呼吸症候群とはどんな病気なのか。また、治療のためにはどうすればいいのか。歯科医師の立場で長年この病気の治療に携わり、自身もこの病気の患者でもあるという「イズミ歯科」の和泉一清院長に聞いた。
(取材日2020年1月16日)
目次
睡眠時無呼吸症候群が日常生活に与える影響は大きい。初期段階なら、マウスピースによる治療も
- Q睡眠時無呼吸症候群とはどのような病気なのですか?
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A
▲院長自身の経験からも治療の重要性を話す
睡眠中に繰り返し呼吸が止まってしまう病気です。医学的には、連続して10秒以上呼吸が止まる無呼吸状態が、一晩、約7時間の睡眠の中に30回以上、又は1時間の内に5回以上あれば、睡眠時無呼吸症候群となります。原因は大きくは2つあり、呼吸を司る延髄の異常が原因の中枢性睡眠時無呼吸と、喉周りに脂肪が溜まったり、舌根(舌の付け根)が喉の奥に落ち込んだりして気道を塞いでしまうことが原因の閉塞性睡眠時無呼吸の2タイプに分けられます。どちらの場合も、睡眠中血液中の酸素が不足するので体は酸欠状態。加えて閉塞性の場合は、脳が指令を出して呼吸させる度に覚醒するので眠りが浅くなり、体にさまざまな負担がかかります。
- Q睡眠時無呼吸症候群を放っておくとどうなるのでしょう?
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A
▲半個室のユニット
睡眠時の酸欠は、自覚はなくても体には大きな負担となります。例えば、1分半息が止まっている時の体の状態は、酸素マスクなしで冬の富士山を上っているようなもの。酸欠不足を補うために心臓に負担がかる分、血圧や心筋梗塞のリスクは上昇し、インスリンの出が悪くなることで糖尿病にも悪影響を及ぼします。また寝不足から、起きている時に頭痛やめまいが起きやすくなるほか、大事な会議や自動車の運転中に突然意識を失うように眠り込んでしまったり、うつ病を発症したりすることもあります。大きないびきが家族の睡眠の妨げとなり、家庭でのいさかいにつながるケースもありますね。 急性ではありませんが、日常生活への影響が大きい病気です。
- Q睡眠時無呼吸症候群の治療は歯科とどう関係するのでしょう?
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A
▲自宅で計測できる簡易測定器
中枢性の場合は呼吸器内科での専門治療が必要ですが、閉塞性の初期段階での治療法としては、マウスピースを使って気道を確保する方法があります。このマウスピースは歯科医院で作っています。ただ重度の場合は別の治療が必要になるので、まずは検査で現状を調べるところからですね。泊まり込みで詳細なデータをとる検査と自宅で測定器を使って行う簡易検査があり、簡易検査なら当院でも行っています。ただ、簡易検査は歯科では保険診療の対象にならないので、基本的にはまず内科や睡眠障害専門のクリニックで検査を受けることを勧めていますね。保険外診療でも良ければ、当院で簡易検査を受けてもらうことも可能です。
- Qどのような治療になるのでしょうか?
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A
▲マウスピースでの治療
睡眠時無呼吸症候群は、残念ながら糖尿病と同じように一度発症すると完治することはありません。治療法は、根本療法ではなく対処療法になります。閉塞性睡眠時無呼吸症候群の場合、初期段階なら就寝時に気道を確保するためのマウスピースを付けるのが一般的な治療法。下あごを少し前に出して固定することで、舌根が落ち込むのを防ぎ、気道を確保する仕組みです。症状が中度、重度になると、CPAP(Continuous Positive Airway Pressure:経鼻的持続陽圧呼吸療法)といって就寝時、鼻マスクを装着して気道に直接空気を送りこむ方法を取ります。CPAPとマウスピースを併用することもあります。
- Q貴院で行う睡眠時無呼吸症候群治療の特徴を教えてください。
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A
▲気軽に相談してほしいと話す和泉院長
その人に合わせてマウスピースが作れること、気軽に通えること、歯の定期メンテナンスの際に様子を見られることなどがあります。マウスピースは型取りをして、歯と顎の形に合わせて作るもので、約1週間で完成します。子どもの場合は顎の成長によって半年で合わなくなる場合もあるので、虫歯の定期メンテナンスなどの際に点検し、合わない場合は随時作り変えていくのがお勧めです。
自由診療費用の目安
自由診療とは簡易検査(自費で行う場合)/5000円~